2018.10.01

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

ロングドライブでも疲れ知らず「PEUGEOT 308 GT BlueHDi」

プジョー 308 GT BlueHDiが、6速から8速ATへと進化。ACCの標準装備化など、走りと安全装備のさらなる充実化が図られたのがプジョーらしいこだわりだ。新型308に乗って、1泊2日1,000kmの旅へと出掛け、その走りの進化を検証した。

BlueHDiと8速ATによる走りの進化を体験!

 旅とクルマは切っても切り離せない。なにより私は、クルマで行ける場所なら、時間が許す限りクルマで行きたい派である。今回はプジョー 308 GT ブルーHDiで、旅にでかけてきた。プジョー 308は、激戦区のCセグメントのハッチバックの中でも、快適な乗り心地と、「懐の深い」といったイメージではなく、本当に限界域の挙動まで正確性と安定性の高いハンドリングを備えているなど、走りの質の高さにおいて一目置く存在だった。

 そのプジョー 308の2ℓクリーンディーゼル搭載モデルであるGT ブルーHDiのATが6速から8速に進化し、それを機にACCを標準装備とするなど、一見地味ながらも、極めて実のある改良を施してきたのだ。

 実は3か月ほど前にも、プジョー 308のGT ブルーHDiで、東京~広島~鳥取~東京といったルートでクルマ旅をしてきたのだが、その疲れの少なさが印象に残っている。ATは6速であったが、これにも308 GT ブルーHDiと同じタイミングで8速ATが与えられることになった。

 もっとも、その時は、トルクフルな2ℓターボディーゼルとの組み合わせにおいては、動力性能面でもドライバビリティでも不満らしい不満は覚えなかったので、ATの多段化を望みたいといった思いが浮かぶことすらなかった。

 ATのサプライヤーは従来と同じくアイシンAWだが、この最新のEAT8は、PSAの設計に基づいて製造したとある。機構面での特徴は、6速ATより全体の容量( 大きさ) が小さくなり重量は同等で、かつシフトバイワイヤが採用されたことである。

 ATの多段化で需要なのは、性能面からはエンジン及び車重に対して、いかに効率よく作用できるかどうかだろう。実は従来の6速ATと今回の8速ATの6速と8速は、ほぼ同一のオーバーオールギアレシオとなる。つまり、高速巡航域でのエンジン回転数は変わらない。では、なにを狙っているのかというと、1速の超ローギアード化にはじまり、6速ATの4速までとほぼ近い間で6段を刻むことで、駆動力の増強とともに、エンジンの効率のよいところを使った加速を行えるものとしている。

 各ギアのステップ比が小さくなることで、シフトアップ、ダウン時のトルク変動が小さくなり、エンジンとの協調制御を巧みに行えば、質の高いあるいは心地よい変更が可能になる理屈だ。一方で、モード燃費は、発進域でエンジン回転数が少し高くなることから不利かもしれないのだが、これまでの経験からして、モード燃費が実燃費に反映するとは限らない。

 旅の行き先は、1泊2日の行程で好きに決めてよいという話だったので、途中、新潟でカニでも食べつつ能登半島に向かうという、私がこれまでも試乗コースに使ってきたルートを選ぶことにした。結果として、東北も関東も関西も台風の影響で大雨という中、奇跡? の快晴に恵まれ、能登の美しい景色も堪能することができた。このコースは、とくに北陸道の路面は荒れているところも多く、路面による外乱要素や乗り心地の評価にも適している。

スッキリとシンプルに仕立てられた iコクピット。小径ステアリングにヘッドアップしたインパネは、操作性も視認性も良好だ。

スピード&タコメーターの針が向き合うユニークなレイアウト。スポーツモードでバックライトはレッドへと変化。

テップレザー&アルカンタラのスポーティなシートは、赤いステッチでアクセントが添えられる。スポーティなテイストなだけでなく、クッションが肉厚で乗り心地も快適だ。リアシートも充分なスペースが確保されている。

広々としたラゲッジルーム。6:4の分割可倒式のリアシートを倒せば、さらに広大なスペースが現れる。

18インチのホイールは、ブラックとシルバーのコンビ。サスペンションは走りと乗り心地のバランスが良い。

 3人のキャリーバッグとカメラ機材はラゲッジルームにきっちり収まったので、室内は後席に荷物が溢れることなくスタート。都内幹線から首都高に入るまでの間で、早くも8速の効果ありありだと思えた。8速ATの採用と同時に、走行モードも従来のノーマルモードとスポーツモードに加えてエコモードが追加設定されたが、私は308に限らず、夏時期でもエアコンまで制御することの多い、エコモードを多用した走行や燃費は現実的ではないと考えているので、今回の大半をノーマルモードで走行している。ただ、エアコンを制御されても問題ない季節ならば、ATのクラッチを切ってコースティングを多用するエコモードは、走行環境により有用性はあると思う。

 ノーマルモードにおけるエンジンの制御と8速ATの組み合わせは、常用域でアクセルペダルの踏み込みに対するトルクの膨らみと、それに伴うアップシフトが極めて適切なタイミングかつ滑らかなシームレス感覚を備えたもので、ATが細かくステップを刻みながらも、エンジン音の僅かな増減だけで車速を高めていく。これは6速ATではなし得なかった感覚だ。変速がビジーな印象を与えることもなく、緩加速時にドライバーの意図しないダウンシフトがまず起きないのも好ましい。

 高速道路では、8速100㎞/hで1,500rpmといったところであるのは6速ATとほぼ同じはずなので、巡航時に目立った差はない。高速道路で有り難いのは、新装備のACCだ。とくに流れの速度変化が頻繁な渋滞一歩手前のような状況下では、先行車の追従に対する加速度や減速タイミングがドライバーの感覚に近い設定を得ていることもあり、これに任せてしまうのが一番だった。先行車の減速に対して緊張を強いるようなタイミングでの減速となるACCも多い中で、これは使いたくなるACCとなっていた。

 乗員3人と機材の搭載による、けっこうなバネ上重量の増加で、有効サスペンションストロークはだいぶ短縮されていたはずだが、大きな段差の通過でもない限り底付きのような突き上げは経験されず、白馬から糸魚川に抜けるワインディングや、荒れた路面の北陸道でも、Cセグメントの中では重厚な乗り心地を提供してくれ、3008で感心した時と同様に、疲れの少ないロングドライブを堪能した。

 路面のアンジュレーションに対する感度も低く、ゆったりとした気分で巡航を楽しめた。特徴的な小径ステアリングは、そこに合わせ込んだ絶妙なステアリングギア比により、過敏さや神経質さとは無縁でありながら、舵角と操舵速度に応じた正確さをみせる。このハンドリングと、小気味良く質の高い変速を行ってくれる8速ATとの相性は、確実に6速AT仕様より良い。

 男ばかりではあったが、出かけた地域だけが天候に恵まれ、雰囲気のよい和倉温泉の老舗旅館に泊まり、真っ青な日本海に癒され、美味しい食事やら日本一というジェラートまでを食し、何より走りの質がより高まった308の心地よいドライビングで、旅を満喫した2日であった。

【308 GT BlueHDi】
 全長×全幅×全高:4,275×1,805×1,460㎜
 ホイールベース:2,620㎜
 トレッド(F&R) :1,550㎜
 車両重量:1,470kg
 エンジン:直列4気筒DOHCターボディーゼル
 総排気量:1,997cc
 最高出力:177PS/3,750rpm
 最大トルク:40.8kg-m/2,000rpm
 サスペンション(F&R):ストラット/トーションビーム
 タイヤ(F&R):225/40 ZR18
 価格:359万円

詳しくはPeugeot Webページへ
https://www.peugeot.co.jp/

Text:斎藤慎輔

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