2018.09.13

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

「VW CLUB FROM THE GLOBE vol.1」

DKP 50th Anniversary Reunion

 南カリフォルニアのオレンジカウンティで1965年に結成され、今年で50周年という節目を迎えることになった「Der Kleiner Panzers(DKP)」。歴代メンバーが一堂に会するリユニオンが開催され、50台ものDKP VWが集結したのだ。

 これまでのVWシーンを振り返ってみると、おそらく何百、何千ものVWクラブが結成されてきた。しかしその中のほとんどが数年も保たずに消えていった。何十年も活動が続けられているVWクラブは、ほんの一握りなのだ。

 1965年にオレンジカウンティで結成されたDKPが今年で設立50周年を迎えることになった。なぜならDKPは創設以来揺るぎのないキャルルックの探求という原則があるからだろう。DKPはこの半世紀にもわたってクラブが歩んできたヒストリーを振り返るために50周年リユニオンイベントを開催した。

 会場となったのは25周年の時にも集まったYorba Regionalパークだ。3世代のDKPメンバーが一堂に会し、50台以上ものDKPメンバーVWが集まったのである。中でもDKP I世代のVWを所有しているスコットランドのRussell Ritchieがこのリユニオンのためにわざわざ車両をカリフォルニアに輸送して参加、会場に花を添えたのであった。

 また高齢化が進んではいるものの初代DKP Iの創設メンバーの多くが健在で、特に創設メンバーの一人であるRon FlemingはいまだにDKPのリーダー的存在。さらにGregg Bunchは自身がこれまで大事にしてきたDKP関連のコレクションと膨大な関連資料を特設テントを設けて展示。さらにテントの外側にはこれまでHot VWsで取り上げられたDKPカー全ての展示も行われ、50年の歴史の重みをひしひしと感じることが出来た。

 さらに、初代DKPメンバーやDyno Don、Gary Berg、Lonnie Reedなど、当時DKPと関わりの強かったゲスト達がいろいろなエピソードを語りキャルルックとDKPの歴史を振り返った。

 リユニオンはDKPメンバーだけでなく、VWを愛する人たちにもウェルカムで、歴史的な瞬間を見ようとヨーロッパ諸国、日本、オセアニアなど世界中からキャルルック&DKPフリークが集まったのだ。そして何よりビッグサプライズとしてDKPはこの日IN-N-OUTバーガーのケータリングトラックをリユニオンのためにチャーター。世界No.1のバーガーとVWクラブを堪能したのだ。

リユニオンイベント当日は50台以上ものDKPメンバーカーが集結。通常のクルーズナイトでも、ここまで集まることはまれだそうだ。

3世代のDKPメンバー達が一堂に会して記念撮影。ここYorba Regionalパークは25年前の25周年リユニオンも行われており、実に感慨深い。多くのメンバーは今でもVWをドライブしている。

Greg BunchのDKPコレクションはこれまで歩んできた歴史の重みを感じる。

DKP IIIのメンバー。1978年にDKP IIが実質活動停止の休眠状態となり、その後1990年になってキャルルックに偉大なるインスピレーションを受けていたBill Schwimmer、 Dave Mason、 Hector Bonillaと何人かでRon Flemingのもとへ行き、再びDKPで活発に活動したいと始まったのが第3世代、DKP IIIだ。

リユニオン当日はIN-N-OUTバーガートラックも来た!

 空冷VWのカルチャーは本当に素晴らしい。世界のどこを探せど先進国、新興国関係なく、空冷VWほど至る所に広く浸透しているカーカルチャーはおそらく存在しないだろう。
 
 それぞれの地域ではVWクラブが結成され、それぞれが独自のスタイルを確立し、活発にVW活動を行いながら友情を深め、そしてVWを今でもエンジョイしているのだ。

 2015年、Cal LookのルーツともいうべきVWを輩出し、世界のカスタムVWに多大なる影響を与えてきた南カリフォルニアのVWクラブ、DKPが結成50周年を迎えた。

 今回はDKPをはじめ、世界的に有名なクラブの最新カスタムと元気いっぱいの日本発のVWクラブカーを紹介していこう。

クラブ創設50周年の節目に生まれた DKPの最新Cal Lookカルマンギア「1969 Karmann Ghia /143」

 1965年カリフォルニア、オレンジ・カウンティで創設されたVWクラブ「Der Kleiner Panzers(DKP)」。DKPはまさにキャルルックのルーツであり、DKPからこれまでに輩出されてきたVWたちは、世界のカスタムVWシーンに多大なる影響を与え続けている。

 クラブ創設から半世紀、50周年という節目に、DKPから久々のニューカーがデビューを果たすことになった。DKPクラブメンバーのDustin Petrasekが5年の歳月を費やして完成させた1969年型カルマンギア・クーペである。Dustinはこれまで1969年型タイプ1でDKP の中心的メンバーとして活躍してきたが、幼少期に父親がドライブしていた1969年型カルマンギアで育った影響で、いつか自分もカルマンギアをドライブしたいという想いをついに実現させたのだ。

 このカルマンギアとの出会いは2009年にデビューを果たしたDKPメンバーのScott Pescumaの1963年型カルマンギアをガレージで仕上げている時にまでさかのぼる。ガレージでカルマンを作業していた様子を見ていた近所の人からレストア途中のカルマンギアを買わないかと尋ねられてきたのがキッカケだった。それは奇しくもDustinが幼いころに父親が乗っていたものと同じ1969年型。内装は何もないドンガラであったが、ボディコンディションは素晴らしい状態だった。

 DustinはすでにDKPメンバーとしてサバナベージュの1969年型ビートルを所有していたが、いつかは父親が所有していたカルマンと同じ年式をドライブしたい……、そんな夢を現実のものにするチャンスが突如舞い込んできたのである。Dustinは一大決心をし、これまで所有していたDKPカーの1969年型ビートルを売却し、ベース車の状態であったカルマンギアを購入することにした。もちろん新しいDKPカーを製作するために……。

 作業はペイントと内装製作を除き、ほぼすべての作業がDustin自らの手とDKPメンバーたちの手によってパンオフに至るまでの解体作業と仕上げまでのアッセンブリー作業が行われている。さらにDKPカーと呼ぶに恥じないクオリティの実現のために、作業ディレクションには第3世代DKPの創設メンバーであるBill Schwimmerから多大なるアドバイスを受けながらディテーリングが進められた。

 ポルシェ純正カラーのタンジェリン(L21E)を纏った美しいボディは、2ステージペイントでまさに非の打ち所のない仕上がりだ。フロントビームはストックをベースにRon Lummusのアジャスターが追加。これにCBの2インチドロップスピンドルが組み合わせられる。これに対し1インチロワードされたIRSサスペンションのリアは、225/60タイヤをセットするために1インチナロードのトレーリングアームがインストールされている。

 インテリアに目を移すと、この年代のカルマンギアとはかなり違う印象で、それもそのはずダッシュのオリジナルの穴はすべて埋められ、ゲージ類はポルシェ914のパターンで再レイアウト。オーディオも最新ハイパワーモデルが搭載されているが、アンプユニットはシート下、サブウーハーはリアシート背後にヒドゥンされている。オーディオ操作は灰皿に隠されているコントロールユニットで行う。

 個人的に感銘を受けたのはアピアランスとパフォーマンスには徹底的にこだわり、すでにそのスタイルを確立しているが、最新DKPカーはただ単に昔の手法を頑なに守って製作されているだけではなく、新しいテクノロジーやアイディアも積極的に取り入れていること。故にクラブ創設50周年を迎えても尚トレンドリーダーであり、輝き続けているのだろう。

この年式で標準のウッドパネルはすべて取り払われ、穴が埋められ、ポルシェ914用のゲージ類がインストール。さらに油圧計、電圧計もサイドに追加されている。シートはScatプロカーをベースに形状、生地すべてをカスタム。

ハザード、ヘッドライト、ワイパーなどのスイッチノブ類はすべてアンダーダッシュにリロケート。ノブ自体はオリジナル仕様に拘った。

West Coastの香りもするしかしその中に散りばめられるアクセサリーチョイスの繊細なるセンスと拘り、そこから伝わってくるのはジャパネスクそれはまさにWCRスタイルだ。「1950 Type-1 10/11G」

2013年の横浜ホットロッドカスタムショーでBEST VWアワードを獲得している1950年型スプリットは、オーナーの遊び心で踏み留まることを知らない。

 大阪を中心にVW活動を展開しているWest Coast Ridaz Japan(WCR)。日本の数々のVWイベントに積極的にエントリーし、メンバーたちのVWは国内はもちろん、今では世界からも注目を浴びている日本を代表するVWクラブの1つだ。世界から注目を浴びるにはもちろん理由がある。

 それは雰囲気といえば良いのだろうか……。ウエストコーストの香りがぷんぷんするにもかかわらず、そんな中にも感じることが出来るジャパネスク、つまりそれは繊細なるパーツのチョイスであり、拘り、仕上がりレベルの高さ、そして遊び心。これが絶妙にバランスされていて、そこに海外の人たちはオリジナリティを感じているのではないかと思うのだ。

 このWCRの独特な空気感はクラブメンバーが定期的に自らの足で本場ウエストコーストのカーカルチャーを肌で感じてきているからであろう。やはりいくらネットやSNSなどでほぼリアルタイムに現地の情報を知り得ることが出来るとはいっても、現地に足を伸ばして自ら体験すると全く見えてくるものが違ってくるハズだ。

 ここに紹介する1950年型スプリットウィンドウは2013年の横浜ホットロッドカスタムショーでデビューし、ようやく念願叶って取材が実現した1台だ。オーナーの山上喜久治氏はとにかく遊び心に溢れた人物。このスプリットに頻繁に手を加えては、様々なスタイルにイメージチェンジを繰り返しながらVWライフを楽しんでいる。

 ホットロッドカスタムショーデビュー当時クロームのFuchsだった足下は、その後Randarホイールを経て現在はストックスタイルに落ち着いてる。エクステリアは車高をノーマルに戻せば極めてオリジナル度の高い、しかも極めてレベルが高いスタンダードのグレーにもかかわらず、不思議とWCR独特な雰囲気が漂うのは、やはりその絶妙なフォーメーションと散りばめられる当時もののオリジナルアクセサリーパーツがスパイスとしてキッチリと効いているからだ。極めてレアなSWFマップライト&リアビューミラーにガーターリングを何気なくぶら下げてしまうあたりにもWCRの空気感と遊び心を感じ取ることが出来る。

 残念ながら今年のエントリーは叶いそうにないが、山上氏は将来この1950年型の車高をノーマルに戻して「FLAT4」主催のクラシシェスVWトレッフェンエントリーも視野に入れている。果たして次はどんなスタイルに変化するのか……。山上氏の頭の中ではすでにいろいろなプランが出来上がっているようだ。

現車は元々スウェーデンが仕向地だったため、ルーフにはスウェーデンでの純正オプションだったルーフラックをマウント。ボディ右側にはAlbertのスワンネックミラーを装着。当時もののHellaのフォグも備わる。

 搭載されるエンジンはなんとファクトリーナンバーマッチングの25馬力をベースにパフォーマンスアップが大阪「ガレージ・ビンテージ」の手によって行われた。ツインキャブレターキットはRiechert(ライヘルト)製が装備されている。キャブレターは28PCIの純正を2機使用するキットであった。綺麗にパイピングされた銅メッキの8mmフューエルラインはエンジン背後を介してキャブレターに接続される。ディストリビューターはスイス製Scintilla Vertex マグニートだ。

スタンダードモデルならではのシンプルなインテリアにポルシェ用VDMステアリングが絶妙なマッチング。

ドラッグレースカーさながらののポテンシャルで他を寄せつけないストリートキング!!「1971 Type-1/112」

 福岡県「HARFEE'S」に集うVWオーナーズクラブ「Der Winning Bug」は、キャルルッカークラブとして数々のVWを世に送り出して来たことで知られる名門クラブだ。そのクラブの会長のVWはかなり速いとの噂が耳に入ってきた。どの様なクルマなのか......。

「Winning Bug 会長である吉田さんのVWって速いんですか?」とクラブ員に尋ねてみた。「いや〜速いですよっ! 他のVWとは別格です!」

 しばらくすると、図太い排気音と「キュルキュル」とストレートカットギヤならではのサウンドが聞こえてきた。外へ出て出迎えると吉田氏には、どこかオーラさえ感じられる。「どうぞ! 自分のクルマ見てください」。自信あり気な笑みを浮かべ降りてきた。クルマは、'71タイプ1 STD である。一見、どこにでもいそうなタイプ1ではあるが、その立ち姿に何故か魅了される。なぜだろう......絶妙な車高具合とシンプルな素性の良さが窺えるのだ。

 「このVWは、オリジナルペイント・オリジナルインテリアな1台なんですよ」と吉田氏は、声をかけてくれた。それだ! 事故歴もないストレートボディを保っていることで、工場出荷からの状態をキープしているのだ。

 そして、クルマの仕様を尋ねることとした。「誰もが吉田さんのクルマは速い! って言うんですが、どんな仕様なんですか?」「ん......クラブのドラッグマシン(リスタート代表、境氏のVW。本誌32号にて紹介)のストリートバージョンかな?!」

 更に詳しく、エンジンの仕様を聞いてみる。サイズは2332ccとビッグモーターを搭載。ドラッグマシン同様のボア・ストロークである。シリンダーヘッドは、CB Performance 044 Super Pro をチョイス。カムシャフトは、FK-10が組まれている。また、レースカーのコンプレッションが13.6:1(レースガス仕様)に対し、吉田氏のエンジンはハイオク仕様の9.5:1となっている。そして、トランスミッションは、5速(GENE BERG 5SPEED)を搭載。

 ビルダーは「Harfee's」代表の旗生氏が手がける。ドラッグレースからストリートまであらゆるシーンでそのポテンシャルを発揮する仕様となっていた。確かにこの仕様であれば速いはず。吉田氏はこう語る。

「少なくとも同年代1970年前後のクルマにはどんなシーンでも負けたくないですね! 国産車のハコスカやZとかは特に! 大体VWだからってバカにしてくるんでブッチ切ってあげます!」と笑顔で話してくれた。まさに羊の皮を被った狼とはこのクルマのことを言うのであろう。

 現在、吉田氏は「Der Winning Bug」3代目会長として20年以上、クラブの代表を務めてる。福岡を拠点とし、アメリカンナイズドされたVWクラブとして様々なイベントに参加し活動している。その功績は、アメリカのVW誌『HOT VWs』にも紹介されたこともあるほど。メンバーは、20代から60代までと幅広い年齢層で、20名以上のメンバーが在籍している。創立当時の"スピリット"は今も若い世代のメンバーに 受け継がれ、メンバーの多くは、古き良き"キャルルック"と呼ばれるディテールを残し、時代に応じたカスタマイズで"VW"が持つすばらしい"美"を満喫しようと努力を続けている。

 吉田氏が乗る'71タイプ1 SDTは、このクラブを代表する1台として、これからもあらゆるシーンで走り続けることであろう。

エンジンは、2,332cc(ボア:94mm×ストローク:84mm)。シリンダーヘッドは、CB Performance 044 Super Pro (EX:44mm、IN:37.5mm)、ITALY製のWEBER48IDAをセット。

HARFEE'Sオリジナルの6点式ロールゲージを装着。

内外装共にオリジナルをキープ。ボディカラーは、パステルホワイト(L90D)。ホイールは、リアル EMPI 5 SPORK をカラーリング。BRMやセンターラインに履き替えることもある。フロントビームは、2インチナロードされる。

光り物はホイールだけ。70年代からフラッシュバックしてきたLooker「1967 Type-1/113」

ホイールはフロントはFuchs 4.5Jホイールにファイアストン135タイヤ、リアは5.5Jにファイアストンワイドオーバルは、F70 15のコンビネーション。

 空冷VWの世界は本当に興味深い。ヨーロッパ諸国でVW活動を行っている人々にとって、本来であればクルマの生まれ故郷はお隣の国ドイツであるはずなのに、ことカスタムに関して多大なる影響を受けたのは大西洋を越えた遙か彼方のカリフォルニア。ヨーロピアンBug-InにいたカスタムVWのほとんどはカリフォルニアからインスパイアを受けているものが圧倒的である。

 ここに紹介するベルギーの「Dub's Kruisers Gang」も、カリフォルニアのVWクラブ、DKPを崇拝しキャルルックを愛してやまないメンバーたちによって結成されたVWクラブだ。ヨーロッパのエンスージャストたちはとにかく当時のヒストリーをディテールを時には本国以上に追求するほど強い拘りを持っており、登場願った今回1967年型はまるで1970年代からタイムスリップしてきたかのような雰囲気漂う1台である。

 エクステリアはウィンドウモールは排除し、ボディモールディングはあえて残してボディ同色にペイント。ホーングリルやTバー、ハンドル類はブラックアウトされている。ロクナナのフェンダーとフードをアーリーモデルにスワップするのも当時は一般的なカスタムであった。

 極めつけはインテリアで、ファットビスケットのレザーレットがまさにキャルルック草創期の空気感を醸しだし、縫製スティッチのカラーにボディカラーのロータスホワイトにマッチするクリームを使用しているセンスがまたニクい。さらにステアリングは本来互換性のないポルシェ912用をわざわざカスタムフィットさせており、同年代のポルシェのエッセンスを見事に融合させているのだ。

 マテリアルのカラーチョイスが、まさにトラディショナルキャルルックと呼ぶに相応しいファットビスケット・レザーレット。シートベルトもポルシェ純正を使用する拘りだ。ポルシェ912ステアリングはロクナナと同世代だけありVWのダッシュとのマッチングも素晴らしい。

1970〜80年代VWにはまっていた人には涙が出そうなキーワード、デュアルクワイエットマフラー。マフラーはブラックでティップがクローム。サウンドもまさに70sからフラッシュバック。

カメラ:Kunihisa KOBAYASHI
テキスト:Yuji OHSAKO 大佐古裕士
媒体:LetsPlayVWs 48

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