2019.06.21

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

日独米墨 VWトレッフェン訪問「KLASSISCHES VW TREFFEN I...

「VW ビートル」。半世紀以上、ドイツだけでなく世界の国民車として活躍した、自動車史でも最高傑作の1台だ。日を重ねるごとにヒストリックカーとしての価値も上がり、ヴィンテージVWイベントが世界中で開催されている。今回の日独米墨で開催されたヴィンテージVWトレッフェン取材、余すことなくここにお届けしよう。

ヴィンテージVWが国内外から大集結!

 日本を代表する空冷VWショップ「FLAT4」が主催し、今年で4回目となる「KLASSISCHES VW TREFFEN IN JAPAN(クラシシェスVW トレッフェン・イン・ジャパン)」。日本全国、そして海外からも貴重な個体が訪れ、2日間を笑顔で過ごして旧交を温めた。ヴィンテージ車としての空冷VW の文化が着実に成熟してきたことを実感させてくれる、実に濃密なイベントとなった。

 参加資格は1959年型までの空冷VW、または1967年型までのシングルナンバー車。さらに、オリジナル車高とオリジナルホイールであることという条件も加わる……。2010年にFLAT4が第1回「クラシシェスVWトレッフェン・イン・ジャパン」の開催を発表した当初は「こんなに厳しい基準ではイベントが成立しないのでは?」と、多くの人が心配したものだった。

 ところが蓋を開けてみれば、あにはからんや、参加台数こそ数十台の規模ではあっても、そこに集まったのは愛情をもって美しく維持され、あるいはディテールまでこだわってレストアされた、「極上」と呼ぶにふさわしいヴィンテージなVWばかり。それらが一堂に会した時に醸し出す芳醇な香気を目の当たりにした人々は、イベントとは頭数ではないと実感したのだった。

 2015年10月3,4日の2日間にわたって開催された第4回クラシシェスVWトレッフェン・イン・ジャパンは、新たなメイン会場として「ミュゼオ御殿場」を採用した。ここは東名高速道路の御殿場インターからすぐ近くにあり、以前は「松田コレクション」のフェラーリ美術館だった施設。現在はウェディングの他、各自動車メーカーがプレミアムな位置付けのクルマの試乗会や発表会を行う際によく利用している、日本の自動車文化にとっての隠れた聖地だ。

 参加車両のレベルの高さと贅沢なまでのホスピタリティへの評判が、これまで3回の開催を通じて徐々に積み重なってきた結果か、今回は過去最高の50台以上がエントリー。しかも全てが自走だ(青森からも!)。さらに今回はベルギーとインドネシアからの海外ゲストが愛車を日本へ運んできたのも、大きな話題となった。

 1日目は裾野にある「帝人アカデミー富士」に集合して、メタセコイアの並木に見守られながらヴィンテージVWクルーズへスタート。そしてメイン会場のミュゼオ御殿場に到着すると、富士山を間近に望む素晴らしいロケーションが待っている。ウェルカムドリンクでゆっくりした後は参加者同士のヴィンテージパーツトレード。夜からはウェルカムパーティーが行われた。

 また1日目と2日目を通じて、プロカメラマンによるスタジオでの愛車撮影のオプションも新たな試みとして導入され、好評を博していた。

 2日目のカーショーは快晴に恵まれ、広々とした芝生の上に、1950年代のオリジナルスタイルをキープしたスプリットウィンドウ、オーバル、そしてまたシングルナンバーを掲げた1960年代のVW等々が充分なスペースをもって整列した光景は、壮観としか言いようがない。これほど多くの貴重なヴィンテージVWを一度に見比べられるレアな機会となり、オーナー同士はもちろん、多数のギャラリーたちもずっと飽きることを知らずに、情報交換と観察を楽しんだ。

 実用車として開発され、販売され、愛されてきたVWだが、長い年月を経て、ヴィンテージカーとしての価値がほかのカーマニアたちからも見直される時代になってきた。ヴィンテージカーとしてのVWの良さと楽しさのエッセンスを味わえる、夢のような2日間だった。

海外ゲストの愛車も一緒にクルーズ!

初日の集合場所「帝人アカデミー富士」に向かう途中、東日本組は海老名SA、足柄SAで随時合流してクルーズを楽しんだ。上の写真は1957年型オーバルで、同じく1950年代の米国SEARS社製ALL STATEトレーラーを牽引して自走参加した、新潟の池田雅輝氏。

ヴィンテージVWクルーズの集合場所は、裾野にある「帝人アカデミー富士」。大きなメタセコイアの並木に囲まれた静謐な場所は、しばし時の流れを忘れさせてくれた。ここでゆっくりしてから「ミュゼオ御殿場」へスタート!

VW を愛する人々の笑顔が秋のミュゼオ御殿場を染めた

一般来場者向けの駐車場もさながらのカーショーエリアと化していたが、キューベルワーゲンまで登場。

フルオリジナル仕様の1954年型カブリオレに洒落た帽子で来場した、東京の玉井禎晋氏。

リアフードを開いてスタンドエンジンを、フロントフードには貴重なアイテムをディスプレイしていた名古屋の安立氏。

フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンもイベントに協力、ザ・ビートルやクロスup! といった最新の和み系VWの姿も。

1950年代までのタイプ1、それもオリジナル度の高い個体ばかりが並ぶエリアは、まさしく異空間。オーバル・ウィンドウが新しく見えてきてしまう!?

2台のヘブミューラーが特徴的なテールを並べる様も普通は見られない。手前はインドネシア『Terror Garage』のYanto。

参加車どれもがアワードレベル中でもアワードに輝いたのは?

1964 Type 1 肉倉繁幸/
東京都の肉倉氏はシングルナンバーのVWをグループで引き連れてエントリー。ご本人が乗ってきた「品5」のタイプ1は、一見サビサビながら芯まで腐ってはいない、サバイブまっただ中の味わい深い逸品。VWグループ・ジャパンの池畑氏がチョイスした特別賞に。ちなみに一緒に来た息子さんは、免許を取得してこの時まだ数日というタイミングだった。

1956 Type 2 宮原孝記/
オリジナル車高のマイクロバスならではの凛とした佇まいが印象的な、宮原氏のタイプ2。L311サンドグリーンとL312パームグリーンとのカラーコンビネーションをはじめ、極めてオリジナル度の高いディテールを残している。海外ゲストMark Merrillのチョイスで特別賞を獲得。なおMarkは用事で途中で帰り、代理で渡しているのはBobの奥さんLinda。

1952 Type 1 中西正喜/
弊誌『LET'S PLAY VWs』44号でも紹介したスプリットは、30年以上前に高田馬場の路地裏で発見され、FLAT4でレストアされた個体。それがさらに時を経て中西氏の元で再度フルレストアの後、当時物のパフォーマンスパーツとアクセサリで彩られた。深いヒストリーと、入神の域と呼べるほどのこだわりが凝縮されたこの1台に、小森代表からFLAT4特別賞が贈られた。

クラシシェスVWトレッフェン・イン・ジャパンの締めくくりは、アワード受賞カーを一列に並べての記念撮影。これらのヴィンテージVWたちと再びイベントで再会できる日を祈ってやまない。

昭和30年登録の「埼5」の1952年型スプリットを前オーナーから譲り受けたばかりの吉野弘晃氏には、『Street VWs』から特別賞が。

『K’s Collection』下村氏は今回、1951年型スプリットと1954年型タイプ2シングルピック、ともに貴重な2台でエントリー。ピンストライプのアクセントが素晴らしいタイプ2に『BBT』特別賞が贈られた。

カメラ:Kota TAKEUCHI 竹内耕太、Shin WATANABE 渡辺慎介
テキスト:Kota TAKEUCHI 竹内耕太
媒体:LetsPlayVWs 49

NEWS of IN THE LIFE

ARCHIVES

RANKING

POPULAR TAG

NEWS

SEARCH