2019.01.21

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

これぞジャパン ビューティー オリジナル。オーナーの個性滲み出る、珠玉の1台。

8年の歳月を費やし、日本で全てのレストレーションが行われた1959年型カルマンギア。L352コニャックの美しいボディカラーはもちろん、オリジナルを再現するために日本の伝統機織り工場でインテリア生地を製作してしまうほど、オーナーの強い拘りと個性がつまった1台。日本で仕上げられた、世界に誇ることができるジャパンオリジナルのLowlightカルマンである。

 VWの世界は本当に興味深い。本来オリジナルを忠実にレストアしていけば、その1台は、誰が所有していてもVW自体のキャラクターが変わることはないはず。しかしペットの世界でよくいわれる「飼い主に似る」という言葉がこれほど当てはまる車種もない。ディテールの細部にまでわたる繊細なる拘りと愛情が注がれた結果、このカルマンギアからは、オーナーの西田氏の強い個性と拘りが垣間見られる。それはまるでオーナーの魂が宿っているかのようにも見えるのだ。

 西田氏は自身が大学生の時である30年前から空冷VWに填まり、当時は1968年型をドライブしていた。社会人となった1990年代後半、当時勤めていた会社の命でカリフォルニアへ赴任することとなり、現地で1954年型のオーバルと出会う。西田氏はVWクラシックなどにエントリーし、ヴィンテージVWの世界にどっぷりと填まっていった。日本帰国後も西田氏のVWへの情熱は冷めるどころか、さらに熱くなり(悪化!?)、数々のオーバルを所有することになる。西田氏は現在ドイツのVWトレッフェンにも定期的に足を伸ばし、今では世界的にも有名なVW信仰家だ。

 これまでに所有してきたVWたちは、数々の雑誌にも取り上げられ、オーバルの世界を極めていた西田氏であったが、ある日カルマンギアという禁断の扉を開くことになる。西田氏が現在住んでいる滋賀県にある、地元建設会社の階段下に長いこと放置されていた1959年型の現車「1959 Karmann Ghia143」をレスキューし、レストレーションを開始することになったのだ。車両は富山県の『バグワークス』へ持ち込まれ、入念なレストレーションが開始。

 西田氏の頭の中には当時既に完成した姿が描かれていて、ヨーロッパ仕様で、ボディカラーはL352コニャックと決めていた。内装にも拘り、シートバックと座面に使用されているファブリック地も、オリジナルを再現すべく世界中を探すが、同様の素材を見つけることができなかった。それでも諦めきれなかった西田氏は、『ガレージ・ビンテージ』の協力の下、日本の伝統機織り工場で、オリジナルと全く見分けが付かないほどの完成度を誇る生地を製作してしまった。

 ドアパネルやシートレザーレット部分、最終仕上げに関してはオーストラリアのトリムテック社によって手掛けられている。気がつけば内装の仕上げだけで5年、車両完成までに8年近くの歳月を要してしまった。その仕上がりはまさに世界トップレベル。しかし西田氏によると、レストアはまだ進行中で、現状は「人前に出しても恥ずかしくないかな」程度なのだそうだ。

 西田氏の強い拘りによって踏み留まることを知らないカルマンギア、さらなる進化に期待したい。

 ダッシュ回りは、Perohausのフラワーベースや当時モノのメダリオンをセット。トリムテックのダッシュパッドの質感も素晴らしい。ラジオはBlaupunktのフランクフルト。

 カルマンギアのガソリンタンクは、形状こそタイプ1と共通であるが、ボディと同色でペイントされるのが特徴である。タンク中央にはセンターに燃料系のセンディングユニットが装着される。

 速度計は、1959年型までのカルマンギア専用トリップメーター付きが装着される。入手困難なレアなオプショナルパーツだ。

 1,192ccの36馬力エンジンもオリジナルに忠実にディテーリングが行き届く。まだ出生証明書を取っていないので未確認であるが、ケースナンバーから判断するに年式はマッチしており、輸入された際に京都陸運局の打刻も入る。ファイアーウォールのサウンドボードは、レストアを担当した『バグワークス』の林代表がいくつもの候補を色々試しながら、現在のものをチョイスした。

text & photo:Shin WATANABE 渡辺慎介
媒体:LetsPlayVWs 49

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