2019.01.16

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

1951 Porsche Italmeccanica

 ノルウェーはオスロからPetermaxラリーにエントリーし、かつ主催メンバーの一人であるØystein(オイスティン)・Aspjell。普段はポルシェやVW、ヒストリックレースカーなどを中心とした、ヴィンテージカーのレストレーションを行うメタル職人として活躍しているが、周囲からはØysteinのその造詣のあまりの深さに、ヴィンテージカー考古学者といわれる程だ。

 今回ØysteinがPetermaxラリーに持ち込んだのは、美しいフォルムが魅力的な1951年型ポルシェ356プリA・スプリットウィンドウである。現車は、新車当時から北欧へ渡ったヒストリーを持っている個体で、1951年に3台フィンランドへデリバリーされたうちの1台。VWの25馬力エンジンと共通の2ピースケースブロックに、ポルシェヘッドとツインキャブが組み合わされた1,300ccエンジンが搭載されていた。

 ØysteinはこのプリAを2002年に購入する。自身がボディワークの職人なので、作業の時間はさほど要さなかったが、やはり初期モデルのポルシェの常で、パーツの収集にはかなりの時間と忍耐を費やしてしまった。実際にレストレーションの作業に取りかかることができたのは2012年に入ってからだった。レストアに関してはもちろんオリジナルを忠実に守りながらヴィンテージ・スピード&パフォーマンスの要素を所々に取り入れることを主眼に置いていた。今回Øysteinがチョイスしたエッセンスは、イタルメカニカ製のスーパーチャージャーとマグネシウムホイールの投入であった。
 「Italmeccanica(イタルメカニカ)」は、イタリアのトリノに拠点を置いていた、ターボ・コンプレッサー(スーパーチャージャー)のブランドである。1950年代、フィアットやシムカ、ルノー、フォード用などのルーツ式スーパーチャージャーキットを幅広く手がけ、人気を博していた。しかしこれがポルシェ用のキットとなると話は別で、発見できたこと自体が奇跡に近い。しかも現車に搭載されるイタルメカニカIT100ブロワーは、年式マッチの1951年製であるのだ。オリジナルケースをベースに組まれたポルシェエンジンは60馬力を発揮する。

 そして、この1951年型プリAのキャラクターを決定付けているのが、マグネシウム製の16インチホイールである。ノルウェーのNorsk Lettemetall社製で、1950〜56年にわたって製造されたというこのホイールであるが、当時このメーカーの製品は乗用車用がメインではなく、農業用や空港輸送車用などの工業用途車のホイールの製造が主力であったため、ほとんど流通することはなかったという。

 極めてオリジナル度の高いレストレーションが施されたこのプリAのキャラクターを、ホイールだけでここまで変えてしまうNorsk Lettemetallホイール。さらにエンジンリッド下のイタルメカニカのレタリングが、見る者を惹きつける。ヴィンテージカー考古学者Øysteinのセンスが際立つ1台といえるだろう。

 貴重な1951年型ポルシェ356スプリットウィンドウは、ボディは至ってノーマルにも関わらず、ホイールのチョイスでここまで雰囲気を変えた。さらに、エンジンのパフォーマンス化にはイタルメカニカのコンプレッサーをチョイス。この辺のセンスは、造詣の深いØysteinだからこそできるマジックといえるだろう。

イタルメカニカ IT100ブロワーで組まれたポルシェエンジンは、60馬力を発揮。マニフォールドはインダストリアルエンジン用を使用。

VWスプリットウィンドウ世代と共通のラジオを搭載することができるダッシュには、VEIGEL製のクロックがセットされている。

 シートは貼り替えられたが、ドアパネルは当時のオリジナルが大事にキープされている。ダッシュ回りのペイントはオリジナルだ。ステアリングはPetri製バンジョー。

媒体:LetsPlayVWs 49

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