2018.09.11

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

EVの遊び方から災害時の活用まで!「ジャパンEVラリー白馬 2018」前編

 EVの普及を促進する団体、日本EVクラブ/白馬EVクラブが毎年主催し、今年で5回目を迎える「ジャパンEVラリー白馬 2018」に参加させていただいた。開催地の白馬村は、電力の97%を水力によって発電しているということで、その電力によりEVを走らせれば、交通のゼロエミッション化が可能なのだとか。

 ちなみに、スイス・マッターホルン山麓にあるツェルマットという高級リゾートは、すでに自治体の条例によりEVと馬車しか走っておらず、それを観光資源としてPR。排気ガスのない綺麗な空気が自慢のラグジュアリーリゾートは、一年を通じて観光客に人気ということで、白馬EVクラブではこのツェルマットをイメージしてEVの普及活動につとめているのだそうだ。

 1日目は、参加者が自宅から白馬東急ホテルを目指してEVやPHEVで走破するというもの。日本EVクラブ代表理事の舘内氏によると、今でこそ充電設備が整い、EVの航続距離が伸びているため、誰でも白馬村に到着すことは可能だが、2012年のプレ・ラリーでは手作りのコンバージョンEVで京都から一週間、上越から1日かけて白馬まで到着するなど、今とは環境が全然違ったということ。この日は、集まった参加者は47名。到着後に愛車の前で記念撮影をし、シンポジウムの会場へと向かって行った。

災害時におけるEVの給電機能について考える

 シンポジウムのテーマは「災害時におけるEVの給電機能について考える」というもので、東北大学災害科学国際研究所、柴山明寛准教授が講演をしてくださった。災害時に停電が起こった場合でも、EVの電力を活用して隣近所で分け合うほか、避難場所に送ることもできるという内容を実例とともに解説。バックアップ電源的な役割、給電機能をEVに持たせることで、個人の移動手段であったクルマが、社会に欠くことのできない半公共的なクルマになるとお話しされていた。

 ただ、他者を助けるためには、まず自身の安全が確保されることが第一ということで「地震の時にはただ机の下に入ってもだめで、必ず机の脚を持つように」など、実践的な内容にも踏み込んでいた。まさか、このシンポジウムの5日後に北海道で地震が起き、停電が続くなどとは思いもよらなかったが、昨今の台風や地震など、とかく災害の多い日本列島だけに、とても参考になるシンポジウムだったように思う。

荻原氏と舘内氏のトークショー「V字ジャンプと日本のEV覇権争い」

 ビュッフェパーティでは、参加者全員に送られるEV普及アンバサダー認定証授賞式や特別賞表彰式、白馬村オカリーナ工房森の音の横澤氏と愛好家グループによるオカリーナの演奏といった内容のほか、スペシャルゲストとして’92年アルベールビル、’94年リレハンメル五輪スキーノルディック複合団体戦で金メダルを獲得した、荻原健司さんが登場。舘内氏とともにEV関連のトークショーが行われたので、一部内容をお伝えしたい。

(以下、荻原健司さん、トーク内容より)

 実は私、今でも青年Bっていうカテゴリーで、冬は国体に出てるんです。やっぱり本番があるっていうのは、普段にはない緊張感があっていいんですが、昔、現役のときに「日本って、こういうことをちゃんとやらないといけないな」って感じたことがあって、この出来事はEVにも通じるのではないかなと思っています。

 具体的にいうと「これから日本が世界に向けて、EV覇権をどうやってとっていったらいいのか?」がとても重要だと思うんですが、国際ルールを作る場に、日本人がきちんといるのかが気になっています。モーターもバッテリーもいいものを作れる。ただ、技術や能力があっても負けることはあるんです。たとえば、プラグインのソケットはどの国の規格が世界で標準を獲得していくのかとかなどはとても重要だと思うんです。

 なんでそういう話をするかというと、私現役のときに、V字ジャンプっていうのをやってまして。前半をジャンプでリードして後半クロスカントリーで逃げ切るってスタイルで勝っていたら、その後ヨーロッパ勢がルールを変えたわけです。V字ジャンプをやっても前半でリードができないように、後半のクロスカントリーに比重を変えるという。

 ルール変更の場に日本がいなかったので、勝てなくなっちゃった。水泳の鈴木大地さんがバサロで金メダルとったあとに禁止になったり。スポーツではよくあることですが、結局これは産業でも同じだと思うんです。

 というのも、国会議員時代に経産省の政務官をやったことがありまして、エネルギー関係とか、それこそ当時はハイブリッドカーなどの担当をして、試乗にいったりもしました。環境分野含めていい経験させてもらってよかったと思ってますが、EVは日本が国際標準化などを世界で勝ち取っていかなければならない分野だと本当に思います。だからルールの場にいなければならないんですよ。

クルマ、EVはファッションとアイデンティティー

 こないだ、息子をつれてサンディエゴにサーフィンをしに行ってきたんです。西海岸っていうと、スタバがプラスチックのストロー廃止をスタートするとか、環境にうるさいところだと思うんです。あっちこっちにテスラが走っていて、所得の高い人なんでしょうけど、乗っている感じもキマっていてなんかカッコイイ! それを目の当たりにしたっていうか。

 ああいうカッコよさってあるなと思うんです。クルマもある種のファッションで「俺ってこういう人だからね」っていう、それぞれのアイデンティティーを表現するのに有効な名刺みたいなものですよね。

取材協力/日本EVクラブ
http://www.jevc.gr.jp/

text&photo Soichi Kageyama

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