2018.11.12

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

テスラのバッテリーで進化したEVビートル「1956 Type-1/113 EV」

外観は愛くるしいヴィンテージの1956年型オーバルそのもの。これが電気自動車であることを判別することは不可能である。唯一の判別点はエクゾーストマフラーのパイプが存在していないことくらいだろう。

 とうとう本気で所有意欲を掻き立てられるEV(電気自動車)が登場した……。「EV WEST」が電気自動車にコンバートしたビートルを体験して、カルチャーショックを受けた。率直に「これは欲しい」。

 年月とともにEVを取り巻く環境は想像以上に進化しており、今回取材が実現した1956年型オーバルは、一見ノーマルだが、実は完全にEV化された車両。素人目に外観やインテリアから、もはやこれが電気自動車であることは、全く判別不可能だ。驚異的なのはEV化は全てがボルトオンのキットでコンバート可能なのである。

 搭載されるバッテリーは、走行距離と予算によって数種類から選択可能だが、テスラに使用されているバッテリーを選択することができ、フル充電での走行距離はなんと360kmを実現する。バッテリーはガソリンタンクだった箇所とリアシート背後を使用し、専用で製作されたボックスにきれいに収められている。

 車内の空間で犠牲になるのはリアシート背後のみで、乗車定員は変わらない。EV化にあたって車両の加工は基本的には不要で、外観や内部構造が大幅に変わるような加工は全く行わないのだ。その気になればノーマルに戻すことも可能なのである。

 さて、気になる性能であるが、デュアルモーターが搭載される現車は、エンジン出力に換算するとなんと225馬力に相当、トルクは288Nmを発揮する。トランスミッションはVW(現車は高年式モデル用)を使用しているが、停止している際はモーターも回転していないので、発進の際のクラッチミートの必要ない。

 基本的には2速か3速固定でドライブし、時速120㎞以上の巡航が可能(もちろんシフトチェンジもOK)で、しかも走り出した瞬間から最大トルクが発揮されるので、その加速はまるで高性能スポーツカーのようだ。それこそ1速発進すると、まるでドラッグレースカーのような激しいGを伴う加速となる。

 気になる乗り心地はというと、これが不思議なもので、ビートルそのもの。エンジン音がモーター音になったこと、そして発進方法がクラッチミートを伴わないのでガソリン車ではないことはすぐに意識させられるが、ドライブフィールはいつものビートルと変わらない。

 空冷エンジンが無いビートルなんて受け入れられないと思っていた筆者であるが、正直告白すると、これは大いにアリ。積極的に選びたくなるほど魅力に満ちあふれていたのだ。気になる価格は走行距離160kmのバッテリー込みのフルキットが2万ドル以下となっている(取材当時)。

フロントフード内にはガスタンクだった場所にバッテリーの一部、そしてコントロールユニットと充電ソケットが。

現車は、エンジンリッドのクリアランスを確保するため、小型サイズのモーターを2基搭載。さらにコントローラーとその冷却ユニットも搭載される。モーターの出力もチョイス可能で、サイズも複数ラインナップされている。現車はエンジン出力換算で225馬力、トルク288Nmを発揮し、まるで2リッターオーバーのチューニングエンジン以上のパワーを得ている。部品点数はエンジンよりも遙かに少ない。

車内の目立ったモディファイは、アクセルペダルのみ。電子スロットル化が必要なので、トヨタプリウス用のスロットルペダルに改められている。

インテリアは前述のアクセルベダル以外、まったくノーマルの美しいオーバルウィンドウのインテリア。シートとドアパネルはレザーで仕上げられ、高級感が漂う。

フロリダ州に納品される予定の現車には、エアコンも搭載予定で、すでにコンプレッサーは搭載済み。トランスミッションとモーターはEV WEST製のアダプターを介して接続されている。

室内空間で唯一犠牲になるのがリアシート背後。ここにリチウムイオンバッテリーが搭載される。

text & photo:Shin WATANABE 渡辺慎介
媒体:LetsPlayVWs 50

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