2019.04.04

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

Let's Play VWs Mag Tech Feature「クイックブラスト...

今や、空冷VWもヴィンテージカーとして後世に残していくことを意識する時代。レストアに際しても、ボディへのダメージを最小限に抑える技術が求められる。最先端のボディリフレッシュ現場に潜入してみよう。

 ウェットブラストという言葉をご存じだろうか。その名の通り、研磨剤の粒(メディアという)を水と一緒に噴射して、対象物の塗装やサビやパテを落とす手法で、サンドブラストのような従来の手法に比べてメリットが圧倒的に多かったのだが、これまでは比較的小規模なパーツなどへの使用に限られたものだった。

 近年、これをクルマ1台まるごとの規模で行えるシステム「クイックブラスト」を引っさげた、「パシフィックブラスト」が日本に上陸。VWイベントなどデモを見たことがある人もいるはずだ。

 クイックブラストのメリットは大きく分けて3つ挙げられる。まずは作業効率だ。水と研磨剤を混ぜて噴射することで、サンドブラストに比べて質量が圧倒的に大きくなり、塗装などを落とすスピードは段違い。さらにノズルが届けばどこでも噴射可能なので、曲面や入り組んだ形状の箇所でもスムーズに剥離作業を進められる。

 次に、ボディへのダメージの軽減。サンドブラストが8キロ以上の直圧で対象物にダメージを与えてしまうのに対し、半分の4キロ程度の圧で、水と研磨剤を飛ばして塗装等を落とすので、表面に必要以上のダメージを与えず、刻印も綺麗に残る。かつ、水を使用することで、摩擦熱によって鉄板が変形してしまうことも防ぐことができる。

 そして3つめはサビ対策。クイックブラストでは噴射する水に防錆剤を混ぜて施工する。ウェットブラストのウィークポイントである、錆の誘発に関しても、専用の防腐剤によってクリアしている。デリケートな扱いが要求されるヴィンテージカーにとって、重要なポイントといえる。

 同時に、最後にメディアの粒を抜く(砂抜き)必要があるので、その作業を考慮したうえで、ボディの下ごしらえをしておかねばならない。

 今回『BUG SPOT』の塚本さんが、貴重なヤナセ物23ウィンドウのボディを全身リフレッシュするためにクイックブラストの施工を依頼したのは、今年茨城県石岡市で開業したばかりの『GET OVER』櫻井克之さん。パシフィックブラストの代理店としてアメ車やVWのボディリフレッシュを行っているエキスパートだ。

 23ウィンドウバスのボディがいかに綺麗に整えられていったか、施工前の下準備から、その様子をじっくりご覧いただきたい。

BUG SPOTにて下準備。フロントエプロンなど袋状になっている部分をなるべく切開。

ついにGET OVERにバスを搬入し、クイックブラストによる剥離作業を待つ状態に。

右手前がクイックブラスト本体で、その奥に見えるのがメディアとエアーコンプレッサー。

まずはメディア=研磨剤の小さな粒をクイックブラストに投入していく櫻井さん。

ノズルから高圧の水とメディアが噴出し、みるみる地肌が露出。既存のサビ穴も明確に。

表面のサビと塗装だけが綺麗に落ちて、本体は変形せずそのまま残っているのがわかる。

ほんの数分間でここまで綺麗に! 手作業だと、これだけでも数時間の重労働になるところ。

右サイドパネルは分厚いパテ(黄色い部分)がほぼ全面にわたって入っていて、かなり苦戦。

数日後に届いたミッション完了の写真。ボディ表面を完璧にリセットしてこそ、完璧なレストアが可能となるのだ。

text & photo:Kota-TAKEUCHI 竹内耕太
媒体:LetsPlayVWs 50

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