2019.06.25

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

Wonderful Life with Volkswagen「Case 2 : ...

フォルクスワーゲンって素晴らしい! モデルごと、個体ごと、オーナーごとに個性は千差万別なのだけれど、不思議と共通していることがある。それは、誰もがついついVWを大好きになってしまうことと、そんなVWと一緒にいる人生は楽しくてハッピーで仕方ないということ。みんなの笑顔を見てみよう!!

黄色いビートルで出張修理するカメラのチューニングショップ

カメラ修理の道具を満載したツールボックスを牽引トレーラーに載せて、出張修理に出向くこともあるそうだ。

カメラマンの間で今、評判を集めているカメラ修理職人がいる。仕事の相棒は黄色いビートルだ。

カメラの世界にチューニングの概念を広めるべく、精力的に活動を広げている山下亮さん。

 クルマ雑誌の撮影でよくご一緒しているカメラマンから「ビートル乗りのカメラ修理職人が大阪にいる」との情報が入ってきた。しかも聞けば「キヤノン専門」かつ「プロカメラマン専門」なのだとか。いかにも働くクルマ然としたタイプ1の佇まいに惹かれたのも事実だが、「そこまでニッチな仕事で果たして成立するのか?」という好奇心も手伝い、さっそくアポを取って、取材班は大阪へ向かったのだった。

 「昔はサニトラに乗ってモトクロスをしていたんですが、10年ほど前にカサカサのラットな雰囲気のビートルに乗りたくなって。ネットオークションでなるべく外観のボロいのを探して、10万円で手に入れたんです」。

 そう語ってくれたのが、ウワサのカメラ修理職人、山下亮さんだった。おそらくオリジナルカラーという黄色い1976年式タイプ1は、ボディにサフを吹いただけの状態ながら、くたびれた雰囲気はなく、日々の足グルマとして健在であることが窺われる風情。ドアに記されたショップのマークは、空冷VW乗りならわかる人にはわかる、カルマンギアのグローブボックスに貼られたステッカーをアレンジしたものだ。

 『PDA GALLOP』というのが、山下さんの営むカメラメンテナンス・ショップの名前。聞けばこの会社は元々、キヤノンの下請け修理で20年以上も続いてきたのだという。一職人だった山下さんが経営を引き継ぎ、5年ほど前に脱・下請けを図って掲げたのが、日本では初の「プロカメラマン専門チューニングショップ」という看板なのだった。

 「クルマやバイクでは当たり前の"チューニング"という概念ですが、カメラ界にはこれまでありませんでした。量産品である以上、メーカー出荷時の精度には自ずと限界がありますし、使っているうちに微細なズレが出てきます。純正の状態からポテンシャルを引き上げ、より精度を高めることは可能です。しかしカメラがチューニングできるということは、プロでもまだ知らない人が多いのです」。

 ボディやレンズごとのクセを調整するだけでなく、なぜそうなっているのかを顧客に伝えて、相互にフィードバックしていく。そのために手書きのカルテを必ず使うようにしているのも山下さんのこだわりの一つだ。

 脱・下請け後も『PDA GALLOP』はれっきとしたキヤノン正規修理代行店なのだが、まだ誰も知らないスタイルのビジネスであり、肝心の顧客であるプロカメラマンたちに認知度を広めるためには、並々ならぬ工夫が必要となった。そこで最新の口コミメディアであるSNSを中心に情報を発信するとともに、四国へ修理ツアーに出かけたり、出張修理も積極的に行った。そこで記憶に残りやすいアイコンとして活躍してくれたのが、黄色いビートルだったのだ。

 「顔が見えづらい時代ですが、積極的にビートルで出張することで、自分のカメラをイジる人の人柄がわかると好評でした」。

 コミが口コミを呼び、着実にビジネスが軌道に乗ってきた『PDA GALLOP』は、2015年末に箕面の広いオフィスビルに移転し、さらに関東のプロカメラマンたちの要望に応える形で、2016年末には東京サテライトを中野坂上にオープンしたばかり。黄色いビートルが福を呼んだのだと思いたいのは、VW専門である小誌の牽強付会に過ぎるというものだろうか……。

ネットオークションにて10万円でゲットしたという、76年式ビートル。以来10年にわたって山下さんのプライベートでもビジネスでも相棒として活躍。

『PDA GALLOP』のオフィスには、カメラ関連アイテム以外にバイクや自転車などがディスプレイされていて、チューニングショップのような雰囲気。カメラのチューニングショップならではの演出だ。

山下さんの愛車と同じペイントのミニカー、実はテスター。

精密機器を扱うためか、室内はとてもクリーンだ。

ドアに書かれた『PDA GALLOP』のマークの形に見覚えのある人は多いはず。オリジナルペイントにサフを吹いただけというボディは、一見カサカサながら、深刻なキズやサビは無い。

フロントフード内には簡易なカメラのメンテナンスアイテムも収容。HAZETのオカモチに機材を入れて出張修理する。

元はインジェクションだったという1,600ccエンジン。その後シングルキャブを経て、今はツインキャブ仕様に。

ダッシュパネルも黄色のペイントが綺麗にキープされる。デイリーカーとして綺麗に乗られている様子が窺える。

カメラ:Hidehiro Tanaka 田中秀宏
テキスト:Kota Takeuchi 竹内耕太
媒体:LetsPlayVWs 51

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