2019.04.09

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

15年の歳月を費やして完成させたSixty Sevenは原点回帰のCalifor...

 カリフォルニア州には現在でも至る所でローカル空冷VWクラブが存在し、クルーズやミーティングなどのVee Dub活動が積極的に行われている。その中でもCal Lookに焦点を当てたVWクラブとしてDKPに次いで長い歴史を持ち、現在でも20台以上のクラブメンバーがアクティブに活動しているのが「Der Kleiner Kampfwagens(DKK)」だ。オレンジカウンティで1977年に設立され、今年で40周年を迎える南カリフォルニアを代表する伝統のCal Look VWクラブなのだ。

 1979年にDKKに加入し、以来クラブの活動を支えてきたHenry Mayeda。彼が15年の歳月を費やして遂に完成、2016年の暮れにデビューを果たしたCal Lookがこの1967年型タイプ1である。その出で立ちはCal Lookというキーワードが生まれた1970年代後半から1980年代に定番であったカスタム手法が多く取り入れられ、まさに原点回帰という言葉が相応しい仕上がりである。

 ボディカラー、インテリア、パーツのチョイスなど、そのディテールのひとつひとつを観ていると、まるでCalLookが誕生した当時にフラッシュバックしたかのようだ。やはりCal Lookが誕生した当時をVWで過ごしたMayeda-sanだからこそ成し得たリアリティがそこから滲み出てくるのだ。

 現車は15年前に東海岸のノース・キャロライナ州に短期移住していた際に偶然出会ったプロジェクトカーだった。当時破格の値段でこのロクナナを手に入れたMayeda-sanは、オレンジ・カウンティに戻ってからDKKメンバー達のヘルプを借りながらコツコツとガレージで作業を進めてきた。モール類は全て取り外され、ベントウィンドウも取り外しワンピースウィンドウ化。伝統的なCal Lookの教科書に沿ったカスタム内容となっている。

 前オーナーによるノンオリジナルのラグトップは、スタンダードモデル(当時ロクナナのSTDモデルにはラグトップの選択が可能だった)を意識してあえてそのまま残している。非の打ち所のない仕上がりを誇るポルシェ純正オリーブカラーも自宅ガレージでペイントされたと言うから恐れ入るばかりだ。

 インテリアに目を移すと、ダッシュセンターには長年暖めてきた1980年代アルパインのヘッドユニットNOSを迷わずダッシュをカットしてインストール。シートも80年代の定番、Scatのプロシートをベースにヘッドレストを取り払い、VW純正のバスケットウィーブで張り替え、ノーマルとは明らかに違うが純正オリジナル感に溢れる雰囲気を醸し出しているのだ。

 こうして2016年に遂に完成したMayeda-sanのロクナナ。トラディショナル臭がぷんぷんしながらも、それでいて何か新しいオレンジカウンティ屈指のCal Lookに仕上がったといえるだろう。

Mayeda-sanのロクナナのエクステリアには、1970年代までにポルシェの純正カラーだったオリーブをチョイス。同年代のVWにも素晴らしいマッチングだ。Mayeda-sanは現在息子さんが1966年型タイプ1を所有。親子で空冷VWをエンジョイしている。週末には息子さんと一緒にガレージで過ごすのが至福の時なのだ。将来はこの1966年型もレストア予定。

ホイールは1967年純正をブラックでパウダーコート。前後オフセットと幅をモディファイしてハイパフォーマンスタイヤの装着を可能にした。ブレーキはフロントにCBのワイド5ディスク、リアはタイプ3用のブレーキにアップグレードしストップパワーを確保している。ラグナットは12ポイントのチタン製をチョイスした。

配線類を極力隠してシンプルなディテールに拘ったエンジンは、94mm × 82mmの2,276cc、圧縮比10:1、Scat Chromoly Crank、Scat Rod、Engle FK89カムシャフト、Scat Chromoly 1.4:1ロッカー、CB 44 × 38ヘッド、Italian Weber 48IDA、A1 1 3/4"マージドマニフォールド、6" Magnaflow マフラー。

シートはScatのProCar 90をベースに純正バスケットウィーブのブラック張り替え。まるで純正シートのような仕上がりを実現している。Mayeda-sanはさらにシートヒーターも追加してウィンターシーズンの快適性も確保。

ゲージ類はAutoMeterのSport Compで統一。センターにはモンスタータコを配置し、速度、油圧、油温、電圧、燃料計がレイアウトされる。

1978年に初めてVWを手に入れて以来、空冷VW一筋。1979年にDKKに加入して以来、中心的メンバーとして現在まで活躍しているHenry Mayeda-san。ご先祖は和歌山出身の日系4世。現在は奥様に加え4人の子供と2人の孫に恵まれ、オレンジカウンティのVWライフをエンジョイしている。

text & photo:Shin WATANABE 渡辺慎介
媒体:LetsPlayVWs 51

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