2019.04.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

SURVIVOR「1957 Type 1/51 Chassis# 1419459...

欧米ではオリジナルコンディションが維持され、走行距離が非常に少ないまるでタイムスリップしてきたような車両を「Survivor: サバイバー」と呼ぶ。今回はオリジナルのインテリアが維持された1957 年型タイプ1 コンバーティブルのヨーロピアンモデルを紹介しよう。

 第2次世界大戦前、ドイツの国家プロジェクト「国民車構想」として、フェルディナンド・ポルシェ博士によって開発がスタートされたフォルクスワーゲン・ビートル。開発過程で誕生した歴代のプロトタイプモデルにはカブリオレモデルが存在しており、ポルシェ博士のビジョンには、カブリオレモデルが当初から描かれていたのである。

 しかしながらビートルにカタログモデルとして正式にラインナップに加わるのは、終戦から4年後となる1949年モデルまで待たされることになる。1949年に登場したカブリオレは、トップが完全にボディ内に収まり、美しいボディスタイルを持つ2シーターと、これとは対照的に折りたたまれたトップがボディリアに鎮座し、その存在感が示される4シーターの2種類のボディスタイルがラインナップされていた。

 2シーターモデルはヘブミューラー社(1953年モデルまで)、4シーターは1980年までカルマン社で、コーチビルドが行われる。ビートルの最上トリムレベルとしてラインナップされていたカブリオレモデルは、セダンモデル同様に毎年細かい変更が加えられていった。

 今回登場願った1957年型のタイプ151は、カブリオレモデル専用カラーに加わったL241バンブーで、内外装はリペイントが行われているが、シートとドアパネルに関してはオリジナルが維持され、実走行が僅か5万5千kmという、まさしくサバイバーと呼ぶにふさわしい非常に貴重な個体である。

 1957年モデルは大変更が加えられた前年型にほぼ準じており、外観上で1956年モデルとの判別は難しい。細かい箇所ではライセンスプレートライトハウジングの位置が若干上部へ移動したことくらいだ。

 現車はカルマンファクトリーをラインオフした後、ドイツ国内にデリバリーされ、その後アメリカへ渡りコレクターの元で大切に維持され、まもなく日本上陸予定のヨーロッパ仕様である。USモデルに見られるダブルバンパーとウィンカーは未装着。依然としてセマフォーが備わり、ヨーロピアンバンパーであるのが外観上の特徴だ。この年式のUSモデルは1956年モデルよりフロントフェンダーにブレットタイプのウィンカーハウジングが装着されていた。
 
 ボディ内外装はオリジナルカラーを忠実に再現しリペイントが施されている。味わい深いK180グリーンのドアパネルとシートはオリジナルコンディションが維持されてり、1950年代独自のカラーコンビネーションが大きな魅力だ。幸運にも実走行が僅か5万5千kmの現車を実際にドライブさせていただいたが、シフト、ステアリングの動作に遊びがなくタイトで、バイアスタイヤを介してサスペンションの動きも非常にまろやかな印象を受ける。ノーマルの36馬力エンジンはセダンモデルよりも70kg重量がプラスにもかかわらず、全くハンデに感じることもなく、軽快にドライブすることができる。

セダンモデルと全く同スペックの1,192cc、36馬力エンジンが搭載される。1953年12月から採用された36馬力エンジンは1960年モデルまで使用(スタンダードモデルでは1965年まで)。オイルフィルターはキャニスターにオイルを入れる湿式。

カルマン製の車両は、ガソリンタンクもボディ同色でフィニッシュされていた。スペアタイヤにはツールボックスがマウントされる。

ヨーロピアンモデルの現車には、依然としてセマフォーが備わる。カブリオレボディはドア背後のクオーターパネルにマウントされる。

ドライバー側のドアパネルには、登録証やマップなどを入れることができるドアポケットが備わる。

カブリオレモデルのシートバックには、通風用のホールが備わる。カブリオレモデルはヨーロピアンモデルでもレザーレットが標準だった。

L241バンブーのボディカラーに、K180グリーンのドアパネルとシートカラーが味わい深い、1957年モデルカブリオレ。L241バンブーは1959年モデルまで採用されたカブリオレ専用カラーだ。樹脂製のサンバイザーもドライバーとパッセンジャーの両サイドに備わる。

text & photo:Shin WATANABE 渡辺慎介
媒体:LetsPlayVWs 51

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