2019.03.20

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

父親が80年代に製作したCal Lookを、完全再現。

 1960年代後半から1970年代にかけて、VWビートルの販売が爆発的に増えたアメリカ。新車販売が増えると当然中古車市場にもVWが増え、ビートルは誰もが手軽に購入できるエントリーカーとして絶大なる支持を得る。しかもドライブして楽しい、イジっても楽しいビートルは、手軽にカスタムを楽しむことが出来るクルマとして、アメリカン・ホットロッドと並ぶ文化として一気に定着していった。VWのカスタムは年代ごとの様々なトレンドの変化を経て、現在でも世界中で多くの人たちに楽しまれている。

 こちらのCal Lookは、1980年代のカスタムトレンドがふんだんに盛り込まれた1台。まるで当時製作されたカスタムが永い眠りから覚めたかのようなリアリティ感にあふれている。

 それもそのはず、現車のオーナーであるGary Stellが、父親が1980年代に製作したCal Lookビートルのカスタムを丸々再現。父親に青春時代を過ごした当時にフラッシュバックして欲しいという想いから製作を決意したそうだ。

 そのカスタム内容は1980年代をリアルタイムに過ごした人にとっては涙腺ものの仕上がりだ。当時のVWショーでトロフィーを獲得するためにはマストアイテムであった、ウィンクミラー、ビタローニ・ベビー・トルネード・サイドミラー、モール&クロームレス、ワンピースサイドウィンドウ、バケットシートなど、そのパーツのチョイスの一つ一つが1980年代のトレンド最先端アイテム。パーツの多くは当時ものにこだわり、オーディオユニットも当時トレンド最先端だったCDユニットがあえてチョイスされいる。

 40代以降には80年代にフラッシュバックする懐かしいカスタムであるが、当時を体験していないニュージェネレーションにとっては、現代のトレンドとは全く異なるスタイルが逆に新鮮に映るかもしれない。

 まさに1980 年代に製作されたかのような雰囲気のカスタムVW であるが、車両カスタムにあたっては現代のトップレベルのクオリティでディテールまでキッチリと手がかけられている。製作を担当したのはアリゾナ州フェニックスのトップビルダー、Buddy Hale率いる『Type One Restorations』。ヒット歴のない程度のいい1968 年型をベースにボディは総剥離し、パンオフされ、ボルト一つまで世界トップビルダーのディテーリングが及んでいる。

 それにしても現在、欧米では1980年代から1990年代初頭までにトレンドだったカスタムスタイルが密かにリバイバルしてきている。数年まではもうあのスタイルは2度と戻ってこないだろうと筆者自身も思っていたが、不思議なことにやはりVWのトレンドは何年かごとにサイクルしているのかもしれない。

1980年代の定番アイテムだったウィンクミラー。5つのミラーが違った方向にセットされており、見た目のインパクトはもちろんだが、後方視界も最大限確保することが出来るのだ。

搭載されるトランスミッションはBerg 5スピード。シフターももちろんGene Berg。インテリアカーペットのマテリアルも1980年代の雰囲気を重視したものを選択。

Paradise MotorsportsのJason Laufferが組み上げたエンジンは、ボア94mmxストローク84mmの2,332cc。ボディカラーで仕上げられたキャブレターはWeber 48IDF。マフラーも当時の定番だったデュアル・クワイエット・パック。ルーバーファイアーウォールは当時憧れのパーツ。

オーディオユニットは純正系ではなく、アルパインやソニーなどのCDユニットを装着するのがトレンドだった。

インテリア周りも、1980年代カスタムのフレーバーが至る所に散りばめられている。ゲージ類はVDOのコクピットシリーズで統一。純正のスピードメーターもフェイスをブラック、ニードルをオレンジでカスタム。

text & photo:Shin WATANABE 渡辺慎介
媒体:LetsPlayVWs 52

NEWS of IN THE LIFE

ARCHIVES

RANKING

POPULAR TAG

NEWS

SEARCH