2019.06.03

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

Cal Look誕生前のOC Lookとは?「1967 Type-115」

 「自分が生まれてわずか3日目に、父親が'74年型のスーパービートルのコンバーティブルを運転していたから、物心ついたときからVWと共にいるのが当たり前だったんだ。親戚もみんなVWをドライブしていて、叔父は'71年型の1302、叔母も1958年以来、VWの新車を何台も乗り換えてきているしね。自分が免許を取って最初のVWは1996年に購入した'73年型のスーパービートル・コンバーティブル。自分も以来、VW一筋なんだ」

 こう話してくれたのはイタリア、ミラノ郊外のベルナレッジョから'67タイプ1でシメイまで自走でやってきたCarlo Comi。現在は9台のVWを所有し、これまでの車歴もVWオンリーで20台以上。こちらもイタリア人のくせに相当ぶっ飛んだVW馬鹿なのである。

 「とにかくロクナナモデルが大好きで、いつかは自分で所有したいと夢見ていたんだよ。このロクナナは2005年に放置されていた個体を譲り受けてレストアしたんだ。1970年代初頭にカリフォルニアのオレンジ・カウンティでトレンドだったカスタムスタイル、Orange County Lookを追求して仕上げているよ」

 1975年2月号の『Hot VWsマガジン』でCal Lookのキーワードが誕生する以前、エンジンをスープアップして、フロントの車高を落とし、バンパーレス、カスタムホールやモールレスなどにしたスタイルをOrange County Lookと呼ばれていたことを知る人は、南カリフォルニアでもあまり多くはない。しかし、カリフォルニアから発信されたVWカルチャーに強い憧れを抱いているCarloは、Cal Look以前のOrange County Lookにシンパシーを感じていた。

 モールレス&ディクローム、ナーフバー、アメリカンレーシング・トルクトラスト・ホイール、ラリーバケットシートなど、Carloが仕上げたこの'67は、まるで1970年代初頭のオレンジ・カウンティからフラッシュバックしてきたようなリアリティのある完成度を誇っている。

 「VWが大好きで、1日中この'67のことばかり考えているよ。街中ではどこかにVWが走っていないかいつも探し回っている。我ながら相当なVW馬鹿であることを認めざる得ないね」

 EBIにも毎回エントリーしているCarloの'67は、これまでピュアCalLookアワードなど数々のトロフィーを獲得。2017年は5月にベルギー、ブリュッセルで開催された1967年モデル生誕50年記念イベントにも参加しており、今回のEBIでイタリア、ベルギー間を自走で2往復目。まだまだCarloのVWの旅は続きそうだ。

イタリアから自走でシメイにやってきたオーナーのCarlo Comiは、現在40歳で9台のVWを所有。

フロントシートはファイバーグラス製のSimcaラリーシートを、VWのフレームとカスタムフィット。ファットビスケットマテリアルで統一している。

ホイールはアメリカンレーシングのトルクトラストのレプリカ。ブラウンマットメタリックでペイントして、リムはポリッシュ。ホイールキャップはアメリカンレーシングオリジナル。

シフターは1970年代物のハーストSafe T-Triggerシフター。ステアリングも70sのモトリタをチョイスした。ダッシュにマウントされるタコメーターはSpeedwell。ラジオグリルにセットされる電圧、油圧、油温系もSpeedwell製だ。

エンジンは1,500ccのストックサイズを維持しているが、圧縮比が8.6:1、そしてカムをEngle W110に変更、キャブレターはEMPI"Blueprinted"34ICTを2基搭載。ディストリビューターはボッシュ010。約80馬力を実現している。マフラーは70sオリジナルのAnsaカリフォルニア・グラスパックだ。

text & photo:Shin WATANABE 渡辺慎介
媒体:LetsPlayVWs 52

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