2019.06.10

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

長く多く、VWに乗り続けてきたからこそ作れる、"VWの集大成"スプリット

 ホッドロッドカルチャーにフィーチャーした北海道唯一のインドアカーショー「PLUG in SAPPORO 2017」。昨年の第1回目に続き2回目が、ゴールデンウィーク最終日の5月7日に開催された。アメ車・バイクが多くディスプレイされる中、1台のVW、'51スプリットがそこに居た。

 現在、世界的に価値ある希少モデルとして注目されているVWだ。そのスプリットをキャルルックにこだわり、このイベントに照準を合わせ仕上げて来たのである。

 オーナーは、小田桐氏。本誌43号の函館ワーゲン村でも登場したVW乗りだ。VW歴は長くこれまで、'736Vルック、'56オーバル、'61ノッチバック、'57オーバル、'71ファストバックと数多くのVWを乗り継いで来た。でも、いつかは、スプリットに乗りたいなぁ……と非現実的な願望は持っていたが、無縁のことと思い、日々VWライフを過ごしていたのであった。

 しかし、その機会は突然やってきた。数年前に地元VW仲間である『箱館空冷製作所』代表・高橋氏が、三重県で開催される『LOW LIFE VW MEETING』に参加した際に、スプリットを譲ってくれる話が飛び込んできたのであった。高橋氏は自分で乗ることも考えたが、大事に乗ってくれるであろう小田桐さんに勧めた、というわけであった。

 予算的にも手が届かない範囲ではなかっただけに、この機会を逃せば二度とスプリットに乗る機会は来ない……即「乗ります!」の一言。納車時には、低い車高に色褪せたボディのスラムドスタイル。ここから自分好みのルックスに仕上げることを前提に、まさかのスプリットオーナーとなった。そして乗り続けてきたVWの集大成とも言えるプロジェクトを、インドアカーショーに向けてスタートさせることとなった。

 小田桐氏の中で自ずと出てきたテーマは、「70's Cal Look」。モールレスにTバーが流行り、キャルルックという言葉が確立した時代だ。そして、小桐氏がVWに乗り始めた頃に最も影響を受けた、本誌『LET'S PLAY VWs』創刊号の1台目に紹介されていた真っ赤なオーバルも、忘れられずにいた。

 海を背景に、低い車高でダブルクワイエット。ワンピースウィンドウにモールレス。オーバルならではのリアビューがクールにキマっていたのだ。それからというもの赤いオーバルの印象は薄れることはなく、このプロジェクトではレッドをボディ色にと考えていたのであった。しかし、この車体は、オーバルではなくスプリット。オーバルには似合っていたが、このクルマが果たして似合うのか戸惑う日々。

 普段は『箱館空冷製作所』でメンテンスを行っているが、鈑金部門の多忙が重なったため今回、ボディワークは小田桐氏・高橋氏ともに古くから交流のある、札幌の空冷VWショップ『メリーメーカー』の寺林氏に託されたのであった。赤をボディカラーに使いたいが、スプリットにはしっくりこない。日々、色の打ち合わせが繰り返し繰り返し、行われた。

 その結果、L354カーディナルレッド、1958~59年型のカルマンギアに採用される純正色にたどり着いたのであった。一見、ブラウン風に見えるが、レッドが絶妙に混じり合っており、このクルマにマッチした落ち着きあるカラーだ。

 また、ボディと並行して試行錯誤されていた、ホイールチョイスも重大なポイントであった。ボディ色に似合ったホイールと車高具合によって、そのクルマの持つイメージが決まってくる。数々のスプリットを参考にし、ヒントを模索していた。国内だけでなく、昔の『HOT VWs』も幾度となく見返した末に選択したのは、程よく下げられた車高に70'sのキャルルックの定番EMPI5スポーク。リム以外をガンメタにペイント。

 フロントにはFire stone F560を履き、CSP製の2インチナロードビームをセット。リアは、Fire stone Wide Ovalを選択。ボディ色同様のラインをアクセントとし、このクルマのスタイルを定めることができたのであった。

 さらにCSPのデュアルマフラーをセットしたことで、スプリットならではの左右対称スタイルをクールに際立たせるアクセントとなっていた。心臓部であるエンジンは、1915cc。どこからでもアクセルを踏めば勢いよく前に出てくれる、パワーあるエンジンとなっている。見事なルックスとパワーを手にし、理想のスタイルへと着々と進化していったのであった。

 イベント当日、数多くのクルマがディスプレイされ賑わう中、VWファンのみならず多くのギャラリーがこのクルマに注目していた。誰もが脚を止めて写真を撮る姿が見られる。このイベントでは、アワードを設けていない。しかしギャラリーの数が賞賛を物語っていたことは間違いない。息子の大晴くんからの「みんな見てるね!」の一言が、小田桐氏が持ち帰ったトロフィーとなった。

モールレス、ワンピースウィンドウ。そして程よく決められた車高に、キャルルックの定番ホイールEMPIスタイル5スポークをチョイス。唯一「HOT VWs」のステッカーだけを張っているあたりが、70'sを感じさせる。

ポルシェ356ステアリングにビンテージなホーンボタン、セイントクリストファーがセットされる 。

リアシートの下にはスピーカーと、厳しい北海道の冬を助けてくれるべバストジーターが備わる。

インテリアは、オリジナルを再現した生地でシートやドアパネルなどが張り替えられている。

ボディはモールレス化され、左ミラーには輝かしいクロームGTバレットミラーを装着。

1,915ccのエンジンには、W120のカムシャフトがセットされ、キャブレターは、WEBER44が備わる。左右2本出しのマフラーはCSP製のステンレスデュアルクワイエットマフラーに、ヘックスTバーを装着。リアビューを一段と印象付けている。

カメラ:Yusuke YARIMIZU 鑓水 雄介
テキスト:Yuji OHSAKO 大佐古裕士
媒体:LetsPlayVWs 52

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