2019.06.19

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

低ければ低いほどいい……?「LOWLIFE VW MEETING Cal Loo...

貴重なベース車の味を活かして大胆にスラムド『1955 Type-113・1974 Type-914』

『LOW LIFE』開催の地・伊賀に合わせて、ボディサイドにはさりげなく手裏剣の演出。これはマグネットなのでご安心を。

フロントは8インチナロード、1インチのロングアーム(BUS STOP製)、フロントスピンドルはCB Performance。リアはアジャスタブル・スプリングプレートで、ともに限界までロワード。ホイールはガスバーナーのオリジナル5穴で、FIRESTONEのビンテージタイヤをF: 125R15、R:195/60-15で履く。フロントにはCB Performanceのディスクブレーキキットを装着。

シートや内装生地には、オリジナルの52スレートブルーが綺麗に残っている。ステアリングホイールはポルシェ356 pre-Aのオリジナルを装着。

 日本のスラムドVWシーンを大いに活性化させ牽引してきた『LOW LIFE VW MEETING』が、今年の4月9日の第10回をもって「Final」を迎えた。イベントの様子はP104をご覧いただくとして、会場内でも特に目立っていたマシンたちをピックアップしてここでご紹介しよう。

 京都の中原創さんは、'55年型オーバルと'74年型ポルシェ914の2台でエントリー。オーバルはL227ストラトシルバーがカッサカサにヤレたパティーナなボディ、一方914はL20Eシグナルオレンジが新車さながらの輝きを放つ。共通するのは、ベースとしたボディの味はそのまま活かしながら、限界までローダウンして完成度の高いスタイルを実現していることだ。

 現在33歳の中原さんが空冷VWに目覚めたのは19歳の頃、大阪のVWショップ『FUNNY』の社長が乗っていたスラムドの赤いバハバグを見たときだった。とはいえ当時はバハバグを購入する経済力はなく、『FUNNY』にて'74年型のキャルルック・タイプ1を購入したのが最初のVWとなった。

 しばらくして雨天の事故でその'74は重症を負ってしまったのだが、めげるどころか、それを契機に'74ビートルをバハバグ仕様に改造してしまった。その後、'64年型タイプ1を当時流行り始めていたナロードにしたり、'65年型タイプ3バリアントをべったりとスラムドしたり(こちらは現在も所有)と、スラムド街道を突き進んできて今に至っている。

 本業が某輸入車ディーラーのメカニックということもあり、ガレージにて自分の手でこつこつとカスタム作業を行っているそうで、関西はもちろん、関東のイベントまでローダウンしたVWで自走参加しており、ご存じの方も多いだろう。

 この'55オーバルは2015年に入手したスウェーデンモデルで、この時代ならではのメタリックカラーが絶妙にサビたボディは、独自の風情を醸し出している。ゆえにボディやフレームにはノータッチで、フロントは8インチナロードしてCBパフォーマンスのスピンドルを装着、リアはアジャスタブル・スプリングプレートを用い、前後とも限界まで車高を下げている。表情にアクセントを添えるヘッドライトの黒いサーチライトカバーは、大阪のショップ『Astonish』のオリジナルパーツだそうだ。今回の『LOWLIFE』ではホイールをFuchsからガスバーナーに履き替えて自走で来場し、見事、“Low”と海外ゲストチョイスの、アワード2冠に輝いた。

 もう1台の'74年型914は「京58」の旧ナンを残すだけでなく、'70年代ポルシェのビビッドなボディカラーが美しくキープされた、きわめてオリジナル度の高い個体。こちらもボディには手を付けず、フロントは加工スピンドル、リアはワンオフのサススプリングを用いて限界までロワード。オリジナルのFuchsホイールを装着して、精悍なスタンスとなっている。

 現在はバリアント、オーバル、914と、空冷3台体制の中原さん。どれも大胆なスラムドカーながら、買い物やイベントなど普段から乗り回すことを楽しみとしている、生粋のVWガイなのだ。

ポルシェ914の足周りは、フロントは加工スピンドルで限界まで下げ、リアもワンオフのサススプリングで限界まで下げ、オリジナルのFuchsホイール(F:4.5J / R: 6.0J Deep)を加工ハブで4穴から5穴にして装着。タイヤはFIRESTONEのビンテージタイヤでF: 125R15、R: 195/60-15。この先、フロントはナロード化する予定とのことだ。

現在は仮のスタンドエンジンを搭載。年式マッチのオリジナルスタンドエンジンも健在で、手元に残している。

関西のVWマニア達の協力で完成した理想のオーバル『1954 Type-113』

 奈良県在住のKuroさんは、ほんの2年前までは1977年型のバケロク・タイプ1に乗っていた。ある日、たまたま大阪のショップ『Garage Vintage』のランチ&クルーズに誘われて、伊賀の『Side Project Cafe』へ。そこで関西のレジェンド達のVWを目の前にしてテンションが上がり、「オーバルのラグトップを探してるんです」とうっかり(?)口にしたところ、トントン拍子に話が進んで、この'54年型オーバルを手に入れることに。かねてより秘めていた夢が現実のものとなった。

 その後は、前頁で紹介した中原さんに整備や車高調整をしてもらい、兵庫のVWショップ『Cal Factory』河野さんに配線を引き直してもらい、デイリードライブも安心なスラムド・オーバルに。何よりのポイントは、オーバル入手の前から三重の『Manny’s』にて手に入れていたCosmicホイールと、『LOWLIFE』のファイナルに向けてオールペイントした漆黒のボディだ。

 多くのVW仲間達の協力によって仕上がったKuroさんのオーバルは、まさしく『LOWLIFE』によって広がったスラムドVWフリークたちの、絆の強さとレベルの高さの結晶といえるだろう。

非常にレアなCosmicのホイールは前後とも15インチ5.5J。タイヤはフロントがコンチネンタル135/70R15、リアがmomoの185/65R15。

非常にレアなCosmicのホイールは、前後とも15インチ5.5J。タイヤはフロントがコンチネンタル135/70R15、リアがmomoの185/65R15。下2点_ビニールレザーの内装はグッドコンディション。今後は内装に少し手を入れつつ、全体のバランスを崩さないように少しずつディテールを詰めていきたいとのことだ。

アクセサリーを満載したスウェディッシュ・ビートル『1966 Type-113』

 『LOWLIFE』というイベントに触発されて、ローダウンの門を叩いてしまったのは、奈良県の中谷康晴さんだ。3年前、地元のVWショップ『1-Style』進藤さんに紹介された、内外装ともにオリジナル状態を多く残した1966年型スウェーデン仕様のタイプ1を購入するや、VWの世界にどっぷりと浸ることに。特に当時物アクセサリーパーツを蒐集してドレスアップするとともに、これもレアなRostyleホイールを履き、エンジンにはJudsonスーパーチャージャーを装着。昨年の『LOWLIFE』では、ノーマル車高ながらスペシャルアワードという、異例の快挙を成し遂げた。

 が、会場で数多くの車高短VWに触れた結果、「低いのもやっぱ格好いいな」とローダウンを決意。『1-Style』の手でフロントは6インチナロード、リアはコマずらしで車高を落とした。さらにタイヤをバイアスからFirestone のラジアルタイヤF560に履き替えて、今春『LOWLIFE』ファイナルにその姿を現した。L360シーブルーの鮮やかなボディにレアパーツの数々が映える中谷さんのマシン。スラムドによって全体の印象が引き締まり、また新たな魅力を放っているのだった。

ほぼオリジナルのインテリアに、EMPI GTステアリングやEMPIクロームシフターが光る。そして手元にはブーストメーターを追加。1,300ccエンジンにJudsonスーパーチャージャー、FRAMオイルフィルター、BOSCH“010”デスビを装備。

text & photo:Kota TAKEUCHI 竹内耕太
媒体:LetsPlayVWs 52

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