2019.01.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

CHANNEL ZERO「OUR FAVORITE MUSIC」

カントリーからJAZZ、SOUL、パンクまで問答無用の"超個人的"レコメンドミュージックをお届けします。The Music For Life!

自分で初めて買ったアルバム

LEE BENDER「Master of Puppets (Metallica)」

 子どもの頃、親が外出している時に俺の面倒をみてくれていたのは、近所で有名ないじめっ子たちだった。そのいじめっ子の中に、80年代初期のパンクとメタルにはまっている兄貴がいた。

 俺は当時、その兄貴がやっていることは何でもクールに感じていて、その兄弟の影響でかなり小さい頃から「正しい」音楽を聴けていた。Ramones、Social D、Sub Humansとかね。とくにRide the Lightningのテープをコピーしてもらってからは、もっともっと音楽を聴きたくなった。

 『Thrasher Magazine』を読み出したのもちょうど同じ頃。スケートボードと激しいラウドミュージックのコンビネーションが、俺に火をつけたのは間違いない。この時代がその後の俺の人生の行先を決定づけたと言ってもいいさ。87年か88年あたり、俺は小銭とよれよれの札を10ドル分やっと貯めて、Fred Smith Alvaのボードに乗って近所のデパートへ行ったんだ。そして、今回紹介しているこのアルバムを自分の金で買ったのさ。それがメタリカの3枚目のアルバム、『Master of Puppets』。

JEFF DECKER「Live at Budokan (Cheap Trick)」

 ラジオ局106.7 KROQと出会うまで、そこまで特定の好きなラジオ局があったわけじゃなかった。それまでは、AMラジオでKiss、The Sweet、Suzi Quattro、Aerosmithなどが流れている環境で俺は幼少時代を過ごした。Cheap Trickの『Live at Budokan』は友達と物々交換して手に入れたんだと思う。しかも、本当は友達の兄貴の物なんだけど、そいつが勝手に持ち出したんだ。

 "Mom and Dad are rolling on the couch. Rolling numbers, rock and rolling. Got my Kiss records out."って部分をよく覚えている。このアルバムから俺のすべてが始まったんだ。

ERIN O'CONNELL「Stick Around For Joy (Sugarcubes)」

 このアルバムを買った1992年、私は13歳だった。Sugarcubesは子どもみたいな歌声のBjorkがボーカルの、アイスランド出身のポストパンクバンド。今まで聴いたことがないタイプのBjorkの声に私は魅了されたの。テレビがない家庭で育ったから、友だちの家でMTVのPVをビデオに録画させてもらって、お母さんが仕事から帰宅する前にこっそり見たりしていた。

 MTVの『120 Minutes』という番組で新曲"Hit"のPVが初公開された翌週、私はお小遣いを握りしめてお姉ちゃんのトラックに乗せてもらい、レコード屋に行って新アルバム『Stick Around For Joy』のカセットを手に入れたの。家に帰ってきてすぐさま、私はカセットをデッキに入れてA面を聴いて、続けて裏面を聴いた。そしてこのアルバムに恋に落ちて、完全に夢中になってしまったの。まだ13歳で恋に恋していた頃の幼い私を、新たなレベルに連れて行ってくれた特別なアルバム。

MAX SCHAAF「Pink Moon (Nick Drake)」

 『Pink Moon』がリリースされたのは、1972年の2月。旅に出るときには必ず持って行くこのアルバムは、俺にとってずっと大切な1枚なんだ。Nick Drakeはイギリスで生まれ育ち、たった26歳で亡くなった。死因はオーバードーズだった。生涯リリースしたアルバムはたった3枚。俺が買ったのは3枚目、つまりラストアルバムという訳だ。そこまでヒットしたアーティストじゃなかったけれど、俺が好きになったのはそれが理由だったのかも。

 ライブ演奏もビデオ収録も嫌いだったから、アーティストとしては成功するのは難しかったはずさ。でも聴いてみると、彼の悲痛さと孤独さを感じられる、素晴らしいアルバムなんだ。パワフルで突き刺すような感じさ。『Pink Moon』だけが北米でリリースされたアルバムで、これはスタジオミュージシャンなしで、Nickがひとりでギターとピアノを弾いて制作したアルバムなんだ。頭をゆっくり休めて、リラックスしたい時には最適なサウンド。

 ほかの2枚のアルバム『Five Leaves Left』と『Bryter Layter』もチェックアウトしてほしい。

SCOTT STOPNIK「Pokinatcha (MXPX)」

 初めて自分の金でアルバムを買ったのは、11歳だったと思う。俺は一度も学校に通わずにホームスクールで教育を受けたから、学校の友だちからの影響っていうものがなかったんだ。何人か近所に知っている子どもはいたけれどね。まあ、子どもの頃は親が運転中に聴く音楽を俺も一緒に聴いていたよ。

 ある日、俺は母親と一緒に行った教会系の書店でこのアルバムを発見した。古本コーナーで見つけたんだ。聴いてみると、超速くてシンプルなサウンドで、これがパンクロックなんだな、って俺は思った。聴いた瞬間に外に飛び出してスケートボードかサーフィンをしたくなった。それからもう20年経ったけれど、今でもこのアルバムを聴いたらその頃と同じ気持ちになる。

JASIN PHARES「Paint it, Black (The Rolling Stones)」

 俺が初めてこの曲"Paint it, Black"をラジオで聴いたのは、1982年。7歳だった。この曲を聴いて初めてrock-n-rollに目覚めたんだ。もっと小さい頃からずっと音楽は何となく聴いていたけれど、そこまで気になる音には出会ってなかった。でもこの曲を初めて聴いた瞬間に完全に心を奪われて、何度も聴きたくなったんだ!! ラジオで聴いたから、バンド名もこれがどういう音楽なのかもよくわからなかった。これは俺が覚えている限り、初めて「音楽から影響を受けた」体験だったと思う。

 その曲をラジオからテープに録音しようとして、それが流れるまでずっとラジオをつけっぱなしで待機していた。数日後、やっとオープニングギターの音が流れてきたので、俺は急いで「録音」ボタンを押したんだ。ラジオを膝に抱えて、録音しながらその曲のすべてを俺は体内に吸収しようとした。曲が終わると、テープを巻き戻して、ちゃんと録音されているかドキドキしながら確かめた。よし、バッチリ!! これが俺にとっての初めてのロックのアルバム……みたいなもんだろ? 

 たった1曲だけしか入っていないし、音質もひどいけれど、これは俺だけの特別なアルバムだ。そして俺の人生を変えたんだ! その後はどんどん音楽にはまっていって、ちゃんとレコード屋でアルバムを買い始めた。音楽への情熱は一瞬たりとも止まることなく、今に至る。

CHOPPER DAI「…And Out Come The Wolves (RANCID)」

 前回のレコメンドにおいて、ドナルド・トランプよろしく暴言を吐きまくった結果、当店ブログのコメ欄が荒れる事態になったのだが、ダレノガレ明美のような炎上商法を狙っている訳ではないので、誹謗中傷は自重していただきたい。

 仕切り直して、テーマが初めて買った盤ということで、安室奈美恵の『DANCE TRACKS VOL.1』を紹介したい。SUPER MONKEY'Sの名が外れ、安室単独名義になった、歴史上燦爛と輝く、記念すべき1stである。アルバムの構成は……と、ファンとしてはウンチクを垂れたい訳だが、本誌に相応しくないということで、改めて紹介するのがRANCIDの3rd「…And Out Come The Wolves」だ。J-POPしか聞いたことがなかった頃に、レコード屋でたまたまRANCIDを発見した時の衝撃は忘れない。

 モノトーンジャケットに写るタトゥーだらけのメンバーの恰好よさに。その日から片時も聴いていた位ハマっていた。しかも当時住んでいた大阪では、パンクス、ロッダー等をモチーフにした西海岸ファッションが流行り、勿論オレも真似し、先の事など考えずタトゥーを入れまくっていた。今ではディッキーズは履かなくなりPunkも前ほど聴かなくなったが、心の奥底にある精神はPunk Attitudeって事は変わらない。オレがChopperに乗ってスタバになんか行く事は絶対にないだろう。言ってる事がわかるか? クソポーザー共。

text :Tsuyoshi Matsuno
媒体:ROLLER magazine 22

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