2019.02.08

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

CHANNEL ZERO OUR FAVORITE MUSIC「恋人と一緒に聴く...

カントリーからJAZZ、SOUL、パンクまで問答無用の"超個人的"レコメンドミュージックをお届けします。The Music For Life! 今回のテーマは「恋人と一緒に聴くアルバム」です。

愛する人と一緒に聴きたい1枚

TAMMI TIBETAN「604 (Ladytron)」

 誰かと一緒に聴くアルバムを選ぶのって、とても難しいと思う。しかも、その相手が私にとってもっとも大切な存在だとしたら? その人の意見を尊重したいと思えば思うほど、音楽を共有するのって本当に難しい。

 私にとって音楽を聴くという行為は、ずっとプライベートなことだったから、普段は誰かと一緒に聴くことはないの。だからこそ、当然のことだけれど、恋人と一緒に聴くアルバムというのは本当に特別な1枚でなければならない。そこで今回選んだのは、2001年にリリースされたLadytronの『604』。私とボーイフレンドの(BA Motoの)ネイトが、お互いの音楽の趣味を知るきっかけとなった、ちょっとしたシュールな思い出がある1枚。

 音楽には相当こだわりのある私は、商業的に成功したアルバムをそう簡単に認めるわけにはいかないから、こういう音楽が好きだとは普段言わないの。でも、そんな高飛車な私がガードを弱めたときに、ふたりともLadytronが実は好きだということがわかったの。

NICKE SVENSSON「It’s All Bad (Big Lurch)」

 Big Lurchはテキサス州ダラス出身のラッパーで、本名をアントロン・シングルトンというんだ。Mac Dre、Too Short、E-40、それにRBL Posseなどの名だたるミュージシャンと一緒に活動してきた最高のラッパーさ。

 俺も俺の彼女も、Big Lurchが本当にずっと大好きだった。彼のサウンドにはベイエリア特有のヴァイブスがあって、そのヴァイブスの強さに俺たちは夢中で聴いていたんだ! でも、とても残念なことに、2002年にBig Lurchのミュージシャンとしての危機を向かえたんだ。というのは、彼はPCPドラッグを服用して、同居していたガールフレンドを殺害し、なんと顔と肺の一部を食べてしまったから。

 信じられない出来事だった。というわけで、人食いの罪を犯したBig Lurchは現在、終身刑で刑務所に収容されているのさ。でもこのアルバムが俺たちの大好きなアルバムであることには変わりない。

DEAN MICETICH「Tighten Up (コンピレーションアルバム)」

 このアルバムは、オレと妻のアニー・フェアーがいつも一緒に聴いている、ふたりのお気に入りの1枚だ。スカやレゲエをリリースしてきた伝説的なレコードレーベル、Trojan Recordsのコンピレーションアルバムなんだ。俺たち夫婦がこのアルバムと出会ったきっかけはちょっと変わっていて、しかもそれは旅行中の出来事だったんだ。

 俺たちがイギリスに行ったとき、アニーがロンドンのウィンブルドンのフリーマーケットでこれを見つけた。2ポンドで売られていた。俺はレコードを飛行機でLAまで持って帰るのが面倒だから、「そんなのいらない」と言ってそのまま歩き始めたんだ。でも、その後にひどいことを彼女に言ってしまったと気がついて、本当に俺って最低な奴だって反省したよ。

 すぐにフリーマーケットに戻って、このレコードを買ったんだ。これは最高なアルバムだけでなくて、俺に大切な教訓を教えてくれた1枚だ。それはアニーが欲しいものはすべて手に入れてやるべきだ、ということさ。だって、アニーが幸せでいることが俺にとって何よりも大切なんだからさ……。

JASIN PHARES「So Tonight that I Might See (Mazzy Star)」

 Mazzy Starのセカンドアルバム『So Tonight that I Might See』は、1993年の10月にリリースされた。俺が高校の最終学年がちょうど始まった頃だったから、よく覚えているんだ。発売されてすぐにオルタナ・ミュージック好きのティーンエイジャーの間では、恋人とイチャイチャするときの定番BGMになったんだ。それに、シングルカットの曲がビルボードのトップ100入りしたほど、商業的にも大成功したアルバムなのさ。

 優しいトーンと美しい歌詞が、10代の恋愛のロマンティックなムード作りにぴったりだったんだろう。もちろんキスするとき以外に聴いても、すごくいいアルバムなんだ。俺は今でもよく聴いている。聴くたびに高校生の頃に戻ったような、切ない気分になる特別な1枚なのさ。

HIDEAKI MOCHIZUKI「Israelites (Desmond Dekker)」

 うちのカミさんが、大好きな曲(もちろんロンドンのスキンヘッズたちにも大人気)。カミさんの車に乗るとよくこの曲がかかっていて、幼いマイサンもこの曲がかかるとノリノリだ。そんな愛するマイファミリーが大好きな曲を、あなたも愛する人と是非一緒に聴いてほしい。しかしそんな大好きな曲なのだが、今まで歌詞の意味がわからないまま聴いていた(カミさんも知らないらしい)。特に気にはしてなかったけど、今回良い機会なんで訳してみた。

"朝起きて、奴隷のように働く。家族の食い扶持のために。カミさんも子供も出て行ってしまった。
シャツはボロボロ、ズボンはない。一体誰のために働いてるんだろう。ああ、可哀想なオイラ。"

 えっ!? 何これ!? 父ちゃんめっちゃ愚痴ってるやん……。なんか全然愛する人と一緒に聴く歌詞じゃないけど、素敵な曲なんで良かったら聴いてみてください(苦笑)

GONZ「LUNATIQUE (Takkyu Ishino)」

 ジャンル問わず、情念的な音楽を好む傾向がある。RockでもJazzでも、その世界に否応なしに引き込まれるくらいの情念がほとばしる、逆説的にいえば"BGMに全く適さない"類のものに目がない。

 しかし女性と共に過ごす際のバックグラウンド・ミュージックとなればハナシは別だ。デート中に彼女をないがしろにしてマイワールドに突入するなんて独りよがりは愚の骨頂。かといって、ラブホテルで彼女がシャワーを浴びている間にそそくさと有線のチャンネルを"ブラック・コンテンポラリー"にセットして、その後の行為へ移行するためのムードを演出するような、そんな安直な思考は、10代で卒業すべきだ。

 例えば深夜のドライブデートなら、石野卓球の最新作はパーフェクトにフィットするだろう。エロスをテーマとするこのアルバムはベットルーム・ミュージックとして試してみる価値もあると思う。愛し合うふたりを未知の世界へ誘ってくれるかもしれないよ、山田君。

MAKO AYABE「Without a Sound (Dinosaur Jr.)」

 ほかの投稿者たちも書いているけれど、「個人的に聴く音楽」と「パートナーと一緒に聴く音楽」は違うことが多い。スケーターの彼は特に好きな音楽のジャンルはないといいつつも、iTunesに一番多く入っているのはヒップホップ。私はインディーロック・ポップが好き。"けだるいインディーロック"+"スケートボード"=Dinosaur Jr.という式が成り立つこのバンドは、めずらしくふたりの趣味にぴったり。

 彼らは90年代のオルタナシーンを代表するバンドのひとつだし、フロントマンのJ.マスシス自身もスケーターであることから、スケーターたちに絶大な支持を受けている。特に1994年にリリースされた『Without a Sound』は一番お気に入りのアルバムで、収録されている名曲"Feel the Pain"の素晴らしいPVを制作したのは、泣く子も黙るスパイク・ジョーンズ。

 そして嬉しいことにニューアルバムを出したばかりのDinosaur Jr.が8月に来日する。これは(どちらかが妥協するのではなくて)珍しくふたりとも心待ちにしている貴重なライブだ。そして“Feel the Pain”を生で聴いたら私は絶対に泣くだろう。

媒体:ROLLER magazine vol.20

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