2018.04.02

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

英国、純正パーツと米国パーツのコントラストで魅せる、1951 VINCENT S...

ガードローリック・フォークを装備するSerise-C Black Shadowは、公道仕様のVincentとしては最速のスペックを誇る。 「Vincentの特徴である特異なフレーム構造の恩恵でしょう、走行時のライドフィールは低速から高速まで極めて安定している」とはオーナー滝沢の弁。

黒い影の魔力。

 ライバルの追従を寄せ付けない圧倒的な走行性能を実現したBlack Shadow。1948年の発売と同時にその噂は世界中のスピード狂の間を駆け巡り、バックオーダーを抱える人気機種となった。50度VバンクのOHV機構を踏襲するミッション一体のユニット式空冷エンジンも、そのエンジン自体がフレームとして機能する前衛的フレームも、カンチレバー式リアサスペンションも、Vincentにしか見られない時代の先をゆくハイメカニズムだった。
 
 発売時には完成の域に達していたと言われるSeries-BのBlack Shadowだが、1949年に足回りの剛性向上を目指し、航空技術の鋳造ジュラルミン技法からなるガードローリックフォークが採用。新設計のフロントエンドを装備したアップデート版はSerise-Cとされた。ここで紹介するBlack Shadowは1951年式のSerise-Cで、細部を味付けした滝沢の通勤快速である。「50年代、カリフォルニアのスピード狂の目に止まった機動力の高い英車は、アメリカ人ならではのセンスでカスタムされた。当時のH-Dと同様にカットダウンされ往時のアフターパーツでアップデートされたそれらは、英国内では生まれ得なかった“カリフォルニア・スタイル”と呼べる軽快なアウトフィットが特徴だった」。
 
 例えばハンドルひとつにも滝沢の深いこだわりが潜む。Flandersのライザーにセットされたハンドルは、なんとHydra-Glideに採用されたH-D純正Speedster Barというボーダーレスな選択で、前後ファンダーもH-D用をカットして装着している。マフラーは往時のカリフォルニアで人気を博したSuperiorのトランペットで歯切れ良いサウンドも特徴。ライセットのシートとOld BatesのPパッドのコンビも米英両国のモーターサイクルに精通する滝沢ならではのセンスだろう。

 「H-DやIndian、Triumphとも異なるエンジンのフィーリングは実に印象的です。基本的には低速から高速まで淀みなく加速するコントローラブルな特性ですが、ひとたびアクセルをワイドオープンすれば暴力的な加速が味わえる。その一方で高速走行時のパーシャルスロットルはジェントル。相反する2面性があり走るほどその魅力に取り憑かれる。Vincentはそんな魔力を持つモーターサイクルです」。

ROLLER magazine vol.18

かのMarty Dickersonを標榜した“Cal. Look”のVincent。前後フェンダーをカットしたH-D用に換装し、1950sの米国アフターレーベルのアクセサリーで味付け。ちなみにシートからマフラー上に連結するパイプはその実マウントスプリング。使い勝手の良いセンタースタンドは 大沢俊之の自信作である。

英国製の純正パーツと米国産パーツのコントラストで魅せるBlack Shadow。アマルのGPキャブをシリンダーごとに装備しているため、始動はちょっとした勘どころの習得が必須だが、それを踏まえれば始動性は良好。ただしコンプレッションは高く、キックの踏み心地はストローカーのショベルに近いフィーリングだった。

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