2019.03.29

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

どんなメダカを育ててますか? 「改良メダカ 愛好家訪問 vol.2」

手軽な飼育から本格的な選別交配まで、初心者でも上級者でもさまざまなスタイルで飼育を楽しむことができるのが、改良メダカ飼育の大きな魅力だ。そんな改良メダカ飼育にどっぷりと熱中してしまった、愛好家のみなさんの飼育ライフをご紹介。軒先で、ベランダで、室内で。あなたのライフスタイルにピッタリの飼育スタイルが見つかる!

REPORT 05「品評会で賞を取るのが目標! メダカ交配に励む(静岡県・竹島康一さん)」

竹島さん自作のハウス内。お仕事が大工なだけあって、そのクオリティも高い。

 「昨年初出展した観賞メダカ品評会(主催:日本メダカ共同組合主催)で賞を取るのが、目下の目標です」と語る竹島康一さん。

 改良メダカ飼育キャリアは約5年、知人からクロメダカを譲り受けたのがきっかけだったという。以来、自宅の庭など屋外飼育でメダカの育成、繁殖に励んできたが、大切に育てていた親魚たちを鷺に一網打尽に食害されてしまったことで、専用ハウスの立ち上げを決意。2017年の夏に現在のスタイルでの飼育をスタートさせた。

 職業が大工を営んでいるということでハウスの制作はお手の物。さながらプロ、という素晴らしいハウスで、オフの際にはメダカ三昧な暮らしを送っている。

 現在では関西を中心にメダカ愛好家のみなさんで作られたコミュニティグループ「関西めだか倶楽部」に在籍し、メダカ仲間たちとの情報交換、共有も楽しんでいる。ハウス内に目を移すと、ところどころにスポイトやコケ取り用品、足し水用の容器などが1つのルーティンとして楽に作業できるよう配置されており、そのおかげか、飼育水の透明度が非常に高い。

 作業を効率化させ、より美しく観賞も楽しめるスタイルに、竹島さんの強いこだわりを垣間見ることができる。現在飼育する品種は約40種。基本は累代飼育はメインで現在は黒黄幹之、麒麟、各種オーロラ系の品種を中心に力を注いでいるが、異種交配で新品種の作出にも挑戦していきたいのだそうだ。

 竹島さんの強いこだわりを持ってすれば竹島さん発の新品種の登場もそう難しい話ではないだろう。

メダカの魅力は模様や色彩を選別して作り出せること、と話す竹島康一さん。

植物とともに美しく飼育される選別漏れの個体たち。選別漏れした個体を観賞で楽しむスタイルのよい手本だ。

産卵床は自家製で制作している。品種に応じて上部部分のカラーを変えている。

三色ラメ幹之/
朱赤や黒、白の色のりが明瞭な美しい個体。累代飼育で作出したF1個体。

麒麟/
種親として購入した光や色彩の乗り方がとても美しい個体。

REPORT 06「累代飼育を信条に品評会を目指す(静岡県・榎本雄太さん)」

 元々、川魚を採集しては飼育を楽しんでいたという榎本雄太さん。偶然、採集した魚の中にメダカの姿を発見し、メダカ飼育をインターネットで調べているうちに改良メダカの存在を知り、そのバラエティー豊富な色彩に一気に魅了され、改良メダカの飼育をスタート。

 奥さまのお父さまのご友人の好意で、現在の大型ハウスを借りて本格的にメダカ飼育を取り組みだしたのが、2年前。前項で紹介している竹島康一さんとはメダカの愛好会で偶然知り合い、自宅も程近くだったことで現在ではメダカ仲間として交流を深めている。

 そんな榎本さんのメダカ飼育の目標は、竹島さん同様に品評会で賞をとること。竹島さんより一足先に、昨年の観賞メダカ品評会では理事長賞を極ブラックで受賞しており、今後は更なる上の賞を目指しているのだという。

 交配においては異種交配は行わず、累代飼育にこだわっているのが榎本流。また管理面においても効率化を図り、独自の設計で集中給水や排水を行えるシステムを構築中なんだとか。

 あくまでも個人の趣味で楽しむ範疇としてできるだけ管理を簡素化し、こうした利便性も計ることは数多くの品種を管理すれば管理するほど大きな意味を持ってくるだろう。

 メダカ飼育者であれば誰もが羨むほどの広大なハウス内でより多くのメダカを管理する榎本さんだが自宅ではなく、車で飼育ハウスまで来なければならないという条件は、システムの構築をすることよって手間を大幅に省き、より個体の選別に費やせる時間が増えることを意味するのだ。

もっとも好きな品種は? の問いに極ブラックだと即答する榎本雄太さん。

それぞれのケースには投げ込み式フィルターを導入して、ろ過とエアレーションの効果をもたらしている。

榎本さんがもっとも熱中したという極ブラックは、多くの個体を管理している。

禅/
昨年の登場直後に入手した個体を親に、選別交配した榎本さん自慢の個体。

青幹之ヒカリ体型/
禅からの選別交配で作出した美しい個体。ヒレにまで乗る光が自慢。

REPORT 07「自分だけのオリジナルの品種作出を目指して(埼玉県・鈴木健太郎さん)」

自慢のハウス内。現在は大幅に管理する品種を絞って、選別交配を行っている。

 弊誌『コーラルフリークス』にはメダカ愛好家として2度目の登場となる、鈴木健太郎さん。埼玉県日高市の人気ショップ「花小屋」が中心となって構成された「めだか大好き愛好会」の初期メンバーでもあり、その人懐っこい性格と屈託のない笑顔で関わる人々に癒し? を与える好青年である。

 前回の取材時には約25種類ほどの品種を管理していた鈴木さんだが、現在は品種数を半分以下に減らし、特にカブト、三色ラメ幹之、紅帝に絞った選別交配と異種交配による、新品種の作出に情熱を傾けている。前回の取材時にも抱負を語ってくれたように目指すは品評会、そして新しい品種の作出だという。

 前回取材した際の個体のその後や昨年の品評会で姿が見えなかったことを訊ねると、途端の明るい笑顔から表情が曇りだす鈴木さん。

 「実は昨年の夏はあまりの暑さにメダカではなく、僕自身が負けてしまいまして……、しばらくの間はハウスはおろかメダカを見ることも怖いような状態に陥ってしまいました」と話す鈴木さん。たしかに真夏のハウスの中は暑い、鈴木さんの体型ならなおさらだ(人のことをいえないふくよかな体型の編集者だが)。

 というわけで気持ちもメダカも一新して再挑戦を目指して頑張っているのだ。そしてこの秋、開催される観賞メダカ品評会において鈴木さんの名前があることを期待している。(夏負けしないように水分はたくさん摂るようにお願いしますよ、鈴木さん)

 そしてその先の結果はいまはまだ神のみぞが知ることだろう。

普段の明るい表情が一転、メダカと向き合うと真剣な眼差しとなる鈴木健太郎さん。

2016年春に完成したビニールハウス。メダカ飼育者の憧れだ。

ハウス内には貯水タンクも完備して、常時こなれた水で換水ができるようにされている。

カブトヒカリ体型/
選別交配より作出された、上見でも横見でも素晴らしい美しさを表現する自慢の個体。

ブラックパープル/
より黒く、パープルの色彩も強い個体の作出を目指して種親として迎えた個体。

REPORT 08「異種交配に力を入れて新しい表現の作出を目指す(栃木県・新井淳夫さん)」

住居に隣接して建てられた自慢のビニールハウス。

「異種交配に力を入れて、まだ誰も作出していないような表現のメダカを作り出したい」と話すのは新井淳夫さん。

 元々、少年時代から熱帯魚を飼育して楽しんでいたという根っからの生き物好きである新井さんだが、改良メダカの世界に魅了されたのは今から約10年前、楊貴妃だるまを見たことがきっかけだという。新井さんの選別における基本ルールは曲がりを使わないこと、そしてオスの色や体型にも重視しているという。

 そうしたこだわりや選別交配を繰り返して作出されたのが新井さん作の品種である月夜だろう。月夜は黒ラメメダカのヒカリ体型で全身に散りばめられたラメがとても美しい横見でも楽しめる品種だ。

 新井さんのビニールハウスはお住まいの住居に隣接する形で建てられ、またハウス内だけにはとどまらず、ハウスの周囲やら住居の周囲も含めて多くのメダカ飼育ケースであふれかえっている。

 ほとんどのケースにエアレーションを施している点にも、新井さんのメダカに対する愛やこだわりを感じる。現在最も力をいれて取り組んでいるのは、体外光の異種交配で新しい表現の作出に向けて、日夜選別交配に精を出している。そんな新井さんの目下の目標は多くの愛好家のみなさんも目標に掲げる品評会だ。

 「昨年の観賞メダカ品評会ではダルマ部門で2席、横見部門で3席をいただきました。今年はさらに上を目指してます」と語ってくれた。

 新井さん作の新しい品種を目にするのも、そう遠い将来のはなしではないだろう。

異種交配を中心に新たな品種の作出に力を入れる新井淳夫さん。

屋外に設置されたケースには雨による増水対策も施されている。

ケースのほとんどにエアレーションも完備。水の劣化も防ぐ効果も見込める。

月夜/
新井さん作出の品種。全身に散りばめられたラメがとても美しい。

三色ヒカリだるま/
「第4回 観賞メダカ品評会」でダルマ部門2席を受賞した新井さん自慢の個体。

カカメラ:佐々木浩之 Hiroyuki Sasaki
テキスト:鶴田賢二 Kenji Tsuruta、藤森優香 Yuka Fujimori
媒体:AQUA Style 11

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