2019.02.08

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

美しく飼う 伝統の美

古くから、日本で最も身近で、親しまれてきた観賞魚の代表的存在である、金魚。鮮やかで美しいその色彩と豊富な種類、あらためてその魅力を再認識するとともに、金魚の新しい飼育スタイルを提案する。

プロに聞く! はじめての金魚飼育

 基本的には初心者でも飼いやすい金魚だけれど、健康に育てるためにはいくつかの重要なポイントがある。今回は、東京都葛飾区にある金魚専門店「金魚の吉田」のスタッフに、はじめにそろえたい道具や金魚飼育のコツを聞いてみた。

株式会社ニチドウの宮崎克博さん

金魚の吉田、白岩智宏さん

 東京都葛飾区に店を構える、金魚の吉田。店内には国内外の産地別に多くの金魚が揃っている。人気の品種のほかに、珍しい品種も手に入る。屋上には広大なストック場も。

金魚の飼育に必要なアイテムをそろえよう

水槽

 水槽サイズが大きく、水の容量が多ければ多いほど魚にとっては快適。目安としては、できれば1匹最低10リットル以上で、それから金魚が1匹増えるごとに、プラス3リットル容量を増やすイメージで用意しよう。

水槽台

 水槽は、カラーボックスなど不安定なものの上でなく、水平を保てる強度のある台に置こう。できれば、水槽専用の台を用意するのが無難。

フィルター

 魚の排泄物やえさの残りを受け止め、さらには目に見えない水の汚れを分解して、キレイな水を作ってくれる。外掛け式フィルターや底面フィルターなど様々な種類があるので、飼育する個体数や飼育方法によって適度なものを選びたい。

 今回使った「投げ込み式」といわれる水中フィルターなら、エアーポンプに接続して水中に置くだけで、ろ過だけでなく酸素を供給するエアレーション機能も備えてくれる。投げ込み式のフィルターを用いない場合は、フィルターとは別に水中に酸素を送り込む、エアレーションが必要。

エアポンプ

 金魚は水中に溶け込んだ酸素でえら呼吸をしているため、水中に酸素が必要。エアレーション機能を持たない上部フィルターや、外掛け式フィルターを使っている場合に用意しよう。

照明器具

 必須ではないが、観賞用にあれば美しい魚がさらにキレイに見える。水草を植えたときには、育成のために必要。

えさ

 金魚専用の人工飼料は、必要な栄養素がバランスよく配合されている。えさは色揚げ効果が期待できる成分が含まれているものもあるので、いろいろと試してみよう。

粘膜保護剤

 魚を移すときや、水換えをするときの環境変化から魚を守るために使用。水道水に含まれる重金属を無害にしてくれる。粘膜が傷つくと当然病気にかかりやすくなるため、ぜひ粘膜保護剤を使用して、魚を保護しよう。

カルキ抜き

 水道水には塩素や重金属などが混ざっているため、そのまま使用すると金魚の状態や水質が悪化する原因になるため、必ず使おう。

底砂

 底砂や砂利は、水草を植え込むのに必要なだけでなく、バクテリアを繁殖させて金魚の排泄物や残餌を無害な物質に変えたり、照明の反射を防いだりする大切な役割を果たす。底砂は、水質に影響を与えないもので、金魚がケガをしないよう先のとがっていない丸いタイプのものを選ぼう。水槽に設置する際の厚さの目安としては、水草を植えない場合は1~2センチ程度で充分。厚すぎると、魚の排泄物などがたまりやすくなるというデメリットも。

水草

 観賞魚の飼育において、水槽のレイアウトも楽しみのひとつ。水槽に水草があると魚が落ち着くし、えさとしても機能する。ただし、コケが発生しやすくなるのでこまめに掃除しよう。人工の植物もある。

あみ

 金魚を移動させるときにはあみを使おう。人の手でそっとすくっているつもりでも、魚にとっては体表の粘膜への刺激が強かったり、ストレスになったりしている。

掃除グッズ

 金魚を飼っていると、フンやえさの食べ残し、コケの発生などでどうしても水槽が汚れていく。コケ取りの道具と水抜き用のポンプはあると便利。

投げ込み式フィルターのポンプは、必ず水面よりも上に。そうでないと逆流してしまうからだ。水面より下部に置く場合は、「逆流防止弁」を使う。

もっと知りたい! 金魚飼育のQ&A

金魚を買う前に知っておきたい、飼育のキホンを、引き続き金魚の吉田の宮崎さんと白岩さんに聞いてみた。

Q:水槽の置き場所は?

A:直射日光が当たるところは、水温が上がりすぎるためNG。コケも発生しやすくなってしまう。また、人の出入りの多い場所は水温も変化しやすく、振動が魚のストレスになるので、ドアの近くなどはできれば避けたい。

Q:水温は?

A:水温は、18度~25度くらいがベスト。水槽用のファンもあるが、夏でも部屋のクーラーをつけっぱなしにしておけば問題ない。冬は水温が下がるため、ヒーターを導入しよう。

Q:魚を水槽に入れる際の注意点は?

A:金魚を購入したら寄り道などせず、すぐに帰宅して水槽へ移す準備を。魚の入ったビニールにお店の人が酸素を入れてくれても、それは一時的なもの。ただし、金魚をいきなり水槽に入れるのではなく、袋の口を閉じたまま水槽に入れて、水温合わせをすること。30分ほどして水温が一定になったら、魚を水槽に入れよう。

Q:えさの頻度は?

A:えさは朝と夜の1~2回程度、量は3~5分程度で食べきれる量を与えよう。旅行などでえさを与えられない場合は、フードタイマーを使う方法もあるが、2~3日であれば与えなくても問題ない。

Q:水換え方法は?

A:飼育水は、放っておくと魚の排泄物やえさの残りカスなどで汚れるため、定期的な水換えが欠かせない。1~2週間に1度、全水量の半分程度の水を換えよう。水換えの頻度は週に1度なら週に1度、と固定させること。そうでないと、魚が不定期な水質の変化に混乱してしまうからだ。水換えをする曜日を決めてしまうといいだろう。水換えには、専用のポンプがあると便利。汚れは底砂に溜まっているので、底砂を巻き込みながら水を排水することで、掃除にもなる。

Q:どれくらい生きるの?

A:金魚の寿命は長く、大切に飼えば10~15年ほど生きるものも。今後のライフプランも考えた上で、飼い始めるようにしよう。

Q:初心者にありがちな失敗は?

A:えさを与えすぎると水質悪化につながり、魚が病気になりやすくなってしまう。金魚を健康に育てるには、

  1;定期的に水換えを行い、水質維持に努めること
  2;水温をなるべく変化させないようにすること

この2点に気をつけ、健康状態を保つようにしよう。

Q:キレイに育てるためには?

A:栄養があり、色揚げ効果を持つえさは、金魚の鮮やかな色を保つ効果があるので活用するのも◎。観賞面では、照明器具を活用しよう。

Q:金魚の病気について教えて

A:白点虫が魚の粘膜に寄生する白点病や、細菌が魚のヒレに感染する尾ぐされ病をはじめ、魚の病気の種類はさまざま。病気にかかってしまったら治療するのには苦労するので、できるだけ病気の原因を取り除き、予防することが大切。

 まずは、水槽内に病原菌を持ち込まないこと。できるだけ健康的な個体を選び購入しよう。また、水温の急激な変化で病気になってしまうことが多いため、水換えなどの際に注意したい。

 水質を悪化させないため、定期的な水換えや適切なろ過装置やエアポンプの設置も必須。病気になってしまったときは、その個体を別の水槽に移して隔離し、症状に合わせた治療薬で薬浴してあげよう。

Q:混泳の相性は?

A:金魚は比較的飼育の簡単な和金やコメットから、美しく育てる楽しみもあるランチュウやピンポンパールまで、100種類以上が存在する。一般的に販売されているものだけでも30種類近く。せっかく金魚を飼うのであれば、たくさんの品種を水槽に入れて楽しみたいもの。しかし、金魚には品種や個体によって性格があって、相性の善し悪しがある。

 金魚は大きく分けると、和金やコメットのように細身で長い「長もの」と、琉金やランチュウのように丸っこい体の「丸もの」の2種類に大別される。混泳の基本的な考え方としては、長ものは長もので、丸ものは丸ものだけで飼うこと。また、大きさの差がそれほどなく、だいたい同じくらいのサイズのものだけで飼うようにしよう。

初心者に人気の定番品種

コメット/
「コメット」とは「彗星」の意味。彗星のような長い尾がついている

キャリコ琉金/
赤、黒、白の美しい色彩から高い人気を誇る

和金/
日本では最もポピュラーで、古くからある品種

水泡眼/
ほっぺたがゆれる~!

丹頂/
赤いベレー帽をかぶったような姿がキュート

カメラ:横澤靖宏 Yasuhiro Yokosawa
テキスト:藤森優香 Yuka Fujimori、鶴田賢二 Kenji Tsuruta
媒体:AQUA Style 11

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