2019.01.23

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

見た目は旧車、中身は最新!! 改造電気旧車なら「OZ MOTORS」

製造から年月が経ち、パーツの欠品等で年々その維持が難しくなっていくヴィンテージカー。 しかし一方、最近の技術の進化により新たな維持救済策が増えている、という。 ヴィンテージカーへのEVコンバージョンは、いま熱い注目を集める"救済策"のひとつだ。

ヴィンテージカーを蘇らすEVコンバージョンの可能性

「Messerschmitt KR200」。仙台バスが長年所有していた、パーツ不足で故障していたエンジンを直せず不動だった個体を、OZ MOTORSがEVコンバートで再生!

 「OZ MOTORS」が手掛ける"EVコンバート"は、その名の通り「エンジン車をEV化する」メニューで、OZ MOTORSではそれを旧車に特化して行っている。その考え方や手法はエンジンスワップと共通だが、EVコンバートはそのユニット構成がエンジンよりも小さいため、今までエンジンスワップが難しかった小型車でも作業がしやすいという特徴がある。

 また、エコカー減税が適用されるという税制上のメリットがあるのも、EVコンバートならではだ。

 OZ MOTORSは元々、クルマの改造申請を得意とする会社が母体で、NOx規制の適合作業を手掛けていた流れで"クルマと環境"を意識するようになったという。そして2010年に日産からリーフが、三菱からi-MiEVが登場したタイミングで、シティ・カブリオレをベースにしたEVを製作。これが大きな話題となったのを機に、2011年にOZ MOTORSとしてEVコンバート事業を本格的に開始した。

 メカニズムの構造がシンプルなことも、旧車がEVコンバートに適している理由のひとつだが、「最初からエアコンが付いていない」ということも、大きな理由のひとつだ。全てをバッテリーからの電力で賄うEVにとって一番電力を食うのは、実はエアコンなのだ。現在各自動車メーカーが謳うEVの最大航続距離は、実はエアコンを付けっぱなしにすると半分になるといわれているほどで、エアコンに電気を食われるのは、EVの大きなウィークポイントとなっている。

 とはいえ、EVコンバートには独自のノウハウも必要で、重量バランスを考慮したバッテリーの設置場所や、EVユニットの制御などはクルマごとにしっかりプランニングする必要がある。古川氏曰く「EVコンバートは自作パソコンを作るようなもの」らしく、求めるスペックに応じて様々なパーツを組み合わせ、作り上げていく作業なのだという。機械だけでなく電気に関しての最新の知識が必要となるEVコンバートは、今までの"クルマ整備"の世界とは地続きではない、新しいフィールドの話でもあるのだ。

EVコンバートはバッテリーがキモ。音とニオイを手放し、スタイルと走りを手に入れる

VWタイプⅠをEV化したコンプリート車両「e-Bug」は、後席部分にこのようにバッテリーを搭載するので、乗車定員は2名となる。バッテリーモジュールは1つ4㎏ある重量物なので、車体の重量バランスを考えて配置場所を決定。効率の良い配線作業も、ノウハウが生きる部分だ。

VWタイプⅠから、空冷エンジン特有の「バサバサ」という音が聞こえないのは一瞬戸惑うが、旧車の音やニオイが苦手な人には、これがまさに理想形のはず。航続距離は最大で100~120㎞程度だが、趣味グルマとしては充分だ。

Photograph:Ken Takayanagi, OZ MOTORS
Text:Takayoshi Suzuki

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