2018.03.07

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

狩猟の達人に聞く「ハンティングと万年筆」

スタイリング、サイズ、書き味、全てにおいてマイフェイバリットな万年筆、 モンブランのヘミングウェイ・モデル。

文豪アーネスト・ヘミングウェイ同様、本当に良い物をご存じの小澤さん。 今回は自身の趣味である万年筆とハンティングについて、 興味深いお話を伺うことが出来た。

万年筆を使い始めた理由

狩猟をなりわいとする私。しづは、筆不精で昔は苦労していました。それで、筆記具を良いものにしたらそれが少し直るんじゃないかと思って、万年筆を買ったんですよ。それがきっかけでコレクションが始まって、数十年経った今は何十本も集まってしまいました。
 
その中でも一番のお気に入りは1992年に発売されたモンブランのヘミングウェイ・モデルです。これはモンブラン社が彼をイメージして作ったもので、後に続く作家シリーズ第一弾。買ったときは10万円しなかったんですが、生産終了した途端に市場価格が高騰して、デッドストックなら80万円の値が付いたこともある、人気の高いモデルなんです。

ヘミングウェイ・コード

ヘミングウェイ・モデルを買って何年かしてからですかね、同じモンブランの作家シリーズで、アレクサンドル・デュマをイメージして作られたものも購入しました。それはクリップ部分が三銃士の剣をモチーフとしたものだったんです。そこで、おやっと思うわけですよ。これ、ヘミングウェイのモデルにも何か意味を持たせていたんじゃないかって。これを私はヘミングウェイ・コードと勝手に名付けたんですが、確かに言われてみれば少し変わった形をしています。モンブランの定番、マイスターシュテュックとも見比べたりして、じーっと見ていると、気が付いたんです。
 
彼はマンリッヘルのショウナワーというライフルを愛用していました。そのボルト槓杆は独特の形をしていて、通称「バターナイフ」と呼ばれているんですが、それにそっくりなんです。著書を見てもわかるとおり、彼はハンティングが好きだったので、その可能性は十分にあると思いました。

文豪はハンティングを好んだ

ヘミングウェイは鉛筆とタイプライターで文章を書くことが多かったそうですが、万年筆にも造詣が深いんですよ。先のものは、モンブラン社が彼をイメージして作っただけで、実際彼が持っていたわけではありません。彼の遺品にもあって、晩年使っていたのはパーカーの51というモデルです。聞くところによると、ヘミングウェイはパーカーの雑誌広告にも出演していたんだとか。また、ヘミングウェイはイタリア、モンテグラッパ社の万年筆のアドバイザーを務めていたという有名な話があります。やはり彼は万年筆が好きだったんですね。
 
またここでもヘミングウェイ・コード。直接関係あるか分かりませんが、モンテグラッパ・レミニッセンスに見られる彫銀。これはラーメン丼に見られるような、中国伝統の文様、雷文と酷似しています。そして、モンブランのヘミングウェイ・モデルの朱色。これも私の仮説でしかないんですが、どこかシノワズリ(中国趣味)の匂いを感じませんか? 彼の中にそういう思想があって、こういう所に表れているんじゃないのか。そう思えてならないんです。
 
ヘミングウェイは第二次世界大戦中には私兵隊を作って軍法会議にかけられたり、若い時は捕っちゃいけない鳥を捕って検察官から執拗な追求を受けたりと、野蛮な事をやっていたりするので嫌な奴だなーと思うところも多いのですが、やはり彼のモノの選択眼というのは唸るところがありますね。私の欲しい銃をみんな持っていますし(笑)。
 
とまあ、今回も散々くだらない妄想をお話しさせて頂きましたが、私が言いたいのは、ハンティングはすべての趣味とのハブ(中心点)であるということ。もし私が銃を知らなければ万年筆に隠された謎も解けなかったでしょうしね。

HUNT vol.9

著書「ヘミングウェイ・ガンズ」の中には愛銃Mannlicher-Schoenauer Riflesの姿が収められています。

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