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01:伝統を慈しみながらも革新的。「BMW Motorrad」

クルマ、バイク問わずエンジン屋として知られるBMW。だからこそ、EVをはじめとした次世代動力開発および活用方法の研究への余念がない。特にBMWはクルマよりも古くからバイクを製造してきたということもあり、バイク造りに深い愛情を注ぎ続けてきた。
すでに「Cエボリューション」というEVスクーターが市販車ラインアップされているほか、ほかのEVモデルの導入の噂も出はじめている。現在のバイクでは常識となった、テレスコピックフロントフォークを開発したのがBMWだったように、同社が研究して創り出した技術が将来的にすべてのバイクで採用されることも考えられる。常に革新的な技術を生み出し続けてきたBMWは、EVバイク業界の牽引役ともいえる存在なのだ。
02:バイク乗りが憧れる究極のブランドもEVへ。「Harley Davidson」

"キング・オブ・モーターサイクル"と呼ぶにふさわしい、ハーレーダビッドソンが誕生したのは1903年のこと。それから今まで、見ただけでもハーレーだというアイコン的なスタイリングを特徴としてきたが、先だって公開された将来的に発表予定のモデルの中に紛れていたEVバイクは、私たちがイメージするハーレーの概念を打ち砕くものだった。
そもそもハーレーの母国アメリカでは、クルマ・バイクブランドに対して将来を見据えてEVなど次世代動力モデルを開発せよ、という政府からの指示があり、ハーレーもまた2014年に初のEVバイクである「プロジェクト・ライブワイヤー」を発表していた。それから5年の月日が流れ、2019年にライブワイヤーは市場へ送り込まれる。
バイクレースもEVの時代。Moto Eがついに開幕!

世界最高峰のバイクレースであるMotoGPを請け負うドルナスポーツは、2019年度から電動バイクだけのレース「MotoE(FIM Enel MotoE World Cup)」を開催することを発表した。四輪では2014年から「フォーミュラE」が開催されているので、二輪は約5年遅れての開催となるわけだが、これまでもバイクロードレースの世界では、地球環境汚染の観点から、2ストロークエンジンを使用したレースの撤廃しつつ4ストロークレースへの移行を行ってきたという実績があり、すぐにではないかもしれないが、ゆくゆくはMotoEがメインストリームレースとなる可能性も秘めている。
初年度は12チームが参戦し、全18台(※)がグリッドに並び、ロードレース世界選手権の欧州開催時に併催となり、全5戦を行うことが決まっている。現状では決勝レースの周回数は10ラップで争うとされているが、バイクとパワーの進歩次第で、周回数を変更するとされている。
2018年度のロードレース世界選手権の開催時には、ランディ・マモラ、マックス・ビアッジ、コーリン・エドワーズをはじめとしたレジェンドライダーたちがエキシビジョンランを行っていた。軌道に乗るにはそれなりの時間が掛かるかもしれないが、レースで蓄積される技術というのは、ストリートモデルに必ずフィードバックされる。我々が日常で使う電動バイクが進化するための一翼も担うものとなることを期待する。
※ MotoGPに参戦している7つのインディペンデントチームには2台ずつ、Moto2,3から参戦するチームに対して4台を供給
Text:Dan Komatsu, Takeshi Goto, Takayoshi Suzuki