2019.06.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

太陽光とEVで楽しむ、サスティナブルな暮らし①

 中国の大手ソーラーパネルメーカーの日本法人となるインリージャパンが提案する、EVを活用した"セミ"オフグリッドハウス。"セミ"というのは、電力会社等に接続した状態で、自立電源も確立するもの。その蓄電池としてEVを活用する。

 ソーラーパネルで発電した電力を家庭使用・EVに充電・売電に振り分けられるこのシステム、今回撮影したデータ収取用のテストハウス(個人邸)では、様々なモードの切り替えが可能な三菱のV2Hを設置し、その設定を行っているという。

 費用は約6kWのソーラーパネルを設置し、V2H等を含むシステムで約250万円程度(EVは含まず、設備の規模によっても価格は変動)。インリージャパンの試算では、節電分と売電で年間19万円、12~13年でプラス運用が可能だという。

 そしてもう一つ経済面以外でのポイントは、災害時などのEVからの電気供給。同社の試算では、60kWhのEVで最大5日間の供給が可能だという。こういったシステムを同社はソーラーパネルメーカーとして単にパネルを販売するだけでなく、エンドユーザーに近いビルダーと協力して開発・テストを進めている。

 ここまでが、インリージャパンの"セミ" オフグリッドハウスの概要だが、実際に住んでいる方にお話をうかがってみると、さらなる魅力やライフスタイルによる活用方法の可能性が見えてきた。
 
 

太陽光で発電された電気は、直流から交流にインバートされ、家庭やEVに供給され、売電も行える。電力会社等にもコネクトするので、公共の電気も使用可能。

 設置費用の約250万円はEVを使用しない4kWhの蓄電池を使用したシステムとほぼ同様の金額だということで、EV(のバッテリー機能)を含まない金額としては、割高と思う人もいるかもしれない。しかしだ、EVにしても蓄電池にしても長期使用で性能低下が考えられるが、蓄電池は費用面を考えても定期的に交換するのは難しい部分も。ところがEVは、蓄電池ではなくクルマである。

 クルマは一定期間で買い替えする人も多く、さらに進化の激しいこのジャンルでは、バッテリーサイズや容量などの進化の可能性が大いにある。つまりクルマ(EV)を買い替えるたびに、家に供給できる電気の容量が増える可能性もあるという訳だ。これがEVを蓄電池として使用するもうひとつの魅力だろう。

 ちなみに写真のリーフは24kWhのモデルで、すでにバッテリーの劣化が始まっているそうだが、この冬のヒーターを多用した生活環境の中で、家族5人で約1日分の電力供給が可能だったという。

 このテストハウスは、電気経路などでさまざまなモードが設定できる三菱のV2Hを使用しているが、オーナーは家庭使用・EVに充電・売電の順にプライオリティを設定したモードを使用しているという。取材時はあいにくの曇り空だったが、室内でお話を聞いている際の発電量は2.4kW、充電を含めた消費は0.3kWで2.1kWの売電が行われていた(注①)。

 "セミ"オフグリッドハウスの場合、クルマを蓄電池として使用することにプライオリティを置いている方は、やはりソーラーパネルが発電を行っている昼間にクルマが家にある環境のほうが、使用電気料金を抑えるという意味では有利だろう。

 ただし昼間にクルマがない(充電できない)場合も、その分は売電に回されるので損をするという訳ではない。この辺、"セミ"の良い部分で、三菱のV2Hはプライオリティの設定や、発電した電気の行き先を自動切換もしてくれるそうで、ライフスタイルに合わせた設定が可能なのが"良い部分"だとオーナーもおっしゃっていた。

 何度も言うが、この"セミ"オフグリッドハウスのポイントはやはり、EVを蓄電池として利用するということだろう。日常の電気代というランニングコストを抑えるのはもちろん、クルマとしての燃料代を抑え、家に電力を供給できるという点で、災害などの緊急時にも大きなメリットがある。さらに、避難の際などもそのままクルマとして使用できる。

 「様々なメリットと安心感はありますね。緊急時も家に電気を供給できるだけでなく、移動して困っている方に電気を分けることもできますから」。

 最も印象的だったのは、オーナーのこの言葉だった。

ソーラーパネルで発電された電気は、三菱のV2Hにより、家庭使用・EV充電・売電に分配(各種設定可能)される。もちろんEVからの電力供給も可能だ。

当日の曇りの状況で、発電量は2.4kW、充電を含めた消費は0.3kW、2.1kWの売電となっていた。モードによりプライオリティの設定も可能だという(注①)。

 
 
Text :Hiroyuki Kondo
媒体:『E MAGAZINE』 Vol.2

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