2019.06.24

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

EVベンチャーはやっぱり自由だ!!「COLLECTION① XING Mobil...

 2015年に台湾で設立されたEVメーカー『XING Mobility Inc』は、創業4年目の新鋭EVベンチャーカンパニー。社長のRoyce YC Hong(ロイス)氏と元TESLAのエンジニアAzizi(アジジ)氏の2名で設立した会社である。

 今回は『XING』が開発したオリジナルユニットを搭載したクルマの取材のため、台北市内の高層ビル群にある本社を訪問した。社長室で我々を出迎えてくれたのは開発モデルの『Miss.E』と同じシャシーにシボレーのV8を搭載したモンスターマシン。

 社長室とドア一枚隔てた隣室には開発室があり、ここでは、車のサイズに応じて最適なユニットを組めるコンバージョンキットのプロジェクトが進められていた。『XING』ではこれらのキットを世界中に販売もしているという。

 実は『XING Mobility Inc』車にこだわって開発をしているという訳ではないようで、モーターサイクル、船舶などにも搭載可能な技術力を誇る。EVカー製作のきっかけは、代表のロイス氏とアジジ氏が趣味で作ったエンジンを搭載した前記の「モンスターマシン」がベースとなっている。強固なカーボンファイバー製シャーシに自転車のパイプフレーム技術を応用した、パイプフレームシャシーを開発。

 エンジンはシボレー、コルベット用LS3エンジンを搭載させた。この極限まで軽量化されたレーシングマシンにモーターを搭載したのが開発モデルの『Miss.E』だ。この『Miss.E』の誕生によって『XING Mobility Inc』はEVカーとして進化していくことになる。

1969年生まれ、クルマが大好きなCEOのロイス氏。世界に向けてユニットを発売、"夢のあるEV化"実現の野望を持つ。

元『TESLA』社のエンジニア・アジジ氏。彼が基本設計と、細部にわたるメカニカルを担当する。

 『XING』のEVカーの開発コンセプトは"簡単・シンプル"。特にモジュラーバッテリーシステムの開発に時間を割いており、EV特有の熱対策「冷却システム」には膨大な時間がかかったという。誰でもレゴのような感覚でユニットを組めること。この技術は彼らが得意とするコンバージョンにも充分生かされている。

 幾度とないテストの末、現在のユニットにたどり着いたが冷却のほかもう一つのテーマが「いかにコンパクトにするか」ということ。約1年の歳月をかけ、ハニカム構造にもヒントを得る等してオリジナルバッテリーは完成し、ハイパフォーマンスモーターはもちろんのことコントロールユニット、パワーディストリビュートユニット、そしてソフトの開発は成功した。

 2017年12月、『Miss.R』は1メガワット(1,341馬力)を誇る新星モンスターマシンとしてシェイクダウンした。パワーや走行時間は変化させることが出来、0-60マイル加速は2.8秒を記録した。このテストにより、バッテリーモジュールの冷却に成功した『XING』チームは、EVカー、ユニットの商品化に踏み切った。

 ご存知の通りEVカーの部品点数は約半分、すぐそこにあるミライの環境等を考え、このEV事業に活路を見出す。『Miss.R』はレーススペックの『Miss.E』から進化しオフロードにも対応。

 EVにとって最大のネックとなる、水と埃対策を万全に施し、限りなく市販車に近いスーパーカーとなった。特筆すべきは、フロントに設けられたラジエターでバッテリーユニット(セル)を水冷式にしたことである。バッテリーチャージ方式もボディーとセパレート式のバッテリーシャシーを採用、バッテリー交換はすぐに行うことが出来る。

 『XING Mobility Inc』では、この『Miss.R』の販売はもちろんのこと、将来的にはヴィンテージカーにユニットをコンバートし、末永く愛車とのカーライフを楽しめるよう“コンバージョンキット”の製作なども行っていくという。

 代表のロイス氏いわく「時間はコストと直接の関係があるのでシンプルなシステムを構築することが重要。我々のこのユニットで世界中のカーラバーが楽しんでくれることを願っている」と語る。

 日進月歩でバッテリーなどの開発が行われているEV業界、2名でスタートした会社は、現在50名のスタッフにより技術を提供している台湾発注目のEVメーカーである。

XING Miss.R:
Miss.Rは受注生産タイプの次世代モビリティとして開発。2018年3月にオンロードにてシェイクダウン。オフロード走行も可能としている。各車軸にモーターが搭載され、単独で制御するシステムを搭載する。現在、テストの結果を得て特許を取得中。
 
モーター最高出力/1,341hp バッテリー容量/1MW 0-60mph加速/1.8sec

ファクトリーにあるミニは、名古屋の『セーフティーライフ』によるリクエストで、このユニットを積んでEVカーとして納品する予定。シンプルなシステムのため、約2か月でコンバージョンを完成させる予定だ。

 
 
Text:Jun Ishihara
媒体:『E MAGAZINE』 Vol.2

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