2019.07.09

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

"また渋滞……(ため息)"ももう終わる!? 実は結構本気な「空飛ぶ、Eタクシー計...

「Uber Eats」では現在、自転車や原付バイクを使って注文者の元に料理を届けているが、これぞまさに自動運転が本領発揮する仕事ではないだろうか。

交通渋滞には日常で、連休の帰省や人気観光地で、誰もがうんざりした経験があるのでは? でも、もし空を飛べるなら……? もはや空想ではない!!

 ドローンを利用した"エアタクシー"の実現に取り組む企業が増えているという。この手のニュースに現実味を感じることができず、いまひとつピンと来なかったのだが、ドイツで取材したドローンベンチャー「Volocopter(ボロコプター)」から直接話を聞くにつけ、その認識を改めた。ドローンはヘリコプターとはまったく違う乗り物だということを理解したのだ。

 ヘリコプターは、ガスタービンエンジンでひとつのローターを回して飛ぶ。エンジンはパワーがあるが、内燃機関であるがゆえ出力の制御が難しい。複雑で大がかりなトランスミッションで、エンジンをなだめすかしながら走ってきたエンジン車の歴史を見ればわかるだろう。

 ひるがえってドローンはどうかというと、電気でモーターを回す仕組みだ。出力は電子制御によって"ミリ単位"の制御が瞬時に可能である。複雑な変速機は不要だし、いわゆる"バイワイヤ"で繋ぐだけなので、ローターを複数持つことが簡単にできる。例えばボロコプターは18個もの静音ローターを持ち、それぞれを緻密に制御することで段違いに安定する。

 ボロコプターはよほど自信があるのか、同社に出資しているインテルのクルザニッチCEO(当時)を搭乗させた有人飛行テストを、体育館のようなホールの中で行っている。

Volocopter:
ドローンベンチャー「Volocopter」は、インテルが出資したことでも知られるドイツの企業だ。18個のローターを持っており、すでに飛行実験を繰り返している。インテルのCEOを乗せて屋内で飛んだり、ドバイで屋外の飛行実験を行うなど、飛行実績は随一だ。
 
例として空港と市街地を結ぶ近距離のエアタクシーの利用方法をアピールしており、バッテリーを充電するのではなく交換する仕組みも同時に構想されている。

 世界でも有数のVIPを載せて、狭い室内を飛行するなどという芸当ができるのがドローンなのだ。安定して飛行するだけではなく、冗長性からくる安全性もメリットだ。

 ヘリコプターが墜落する主な原因に、ローターのトラブルが挙げられる。ひとつしかないメインローターにトラブルが生じれば、飛行が維持できなくなるのは自明だ。一方ドローンは複数のローターを持つ。前述のボロコプターなら18個のローターを持つので安全性も高い。

 このほかにも、ヘリコプターと比較して静粛性が高いこと、低コストであることで、エアタクシーの現実味を理解するまでになったのだ。

 では逆に短所は何だろう。最大の課題は飛行時間だ。現在のリチウムイオンバッテリーでは、ヘリコプターほどの長距離飛行は望めない。

 ゆえにドローンベンチャー各社は、近距離飛行の利用シーンを想定し、またボロコプターにおいては、電池を充電するのではなく、素早い電池交換のシステム込みでサービスを設計し、例えば空港から市街地まで等近距離の移動を想定している。

 安定飛行、冗長性、静粛性、低コスト、これらの特性を理解すれば、ヘリとは違う乗り物だということがわかるだろう。同時に、エアタクシーに対する見方も変わるはずだ。

BELL×Uber Air:
BELLは世界有数のヘリコプターメーカーであるが、近年ではティルトローター機「V−22オスプレイ」の実用化に成功したことで知られている。その技術を発展させたのが、4つのティルトローターと電動ハイブリッドのパワーソースをもつ「Nexus」だ。CES2019で発表され、その巨大さと派手な外観で大いに注目を集めた。この機体はUberのエアタクシー「Uber Air」での利用も想定して作られている。

Aurora FLIGHT SCIENCES:
ボーイングが買収した「オーロラ・フライト・サイエンシズ」も、エアタクシーの実用化を進めており、2019年1月には有人の飛行テストを実施している。固定翼を持った独特の形状で、飛行距離とスピードの向上を狙う。

 
 
Text :Koichi Sato
媒体:『E MAGAZINE』 Vol.2

NEWS of E MAGAZINE

ARCHIVES

RANKING

POPULAR TAG

NEWS

SEARCH