2019.07.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

ついにメーカーとして蘇った名門の、渾身の第一作。「Automobili Pini...

 前世紀後半以来、長らくイタリアのカロッツェリアの盟主として君臨してきたピニンファリーナが、インドのマヒンドラの庇護のもと、ついに自ら自動車を開
発・製造するメーカーとして名乗りを上げた。

 その名も「アウトモビリ・ピニンファリーナ」。そして初の市販モデルとなる「バティスタ」が、今年春のジュネーヴショーにて、堂々のワールドプレミアを飾り、そして来月2019年8月に新仕様の公開を発表した。

 「バティスタ」のネーミングは、1930年にカロッツェリア・ピニンファリーナを創業した開祖、バティスタ"ピニン"ファリーナから採ったもの。新生アウトモビリ・ピニンファリーナがこのクルマとともに新たな一歩を記そうと志す、強い意志の現れといえよう。

 老舗でありながら未来を見据える彼らが選んだのは、完全電動のハイパーカー。そこで、この分野では既に確たる実績のあるクロアチアのEVスーパーカーメーカー、ポルシェとも関係の深いRimac(リマック)社と技術提携を結び、同社が昨年発表した市販ハイパーEVカー「C-Two」とパワートレーンを共用するという手法を採った。

 4輪それぞれに独立したモーターを搭載し、最高出力はこれまでのガソリンエンジン車の常識を遥かに超える1,900㎰。最大トルクも2,300Nmを実現したという。

グリルやエアスクープを要さないEVゆえに、スムーズな面で構成されるノーズ。海外誌の情報によると、ヘッドライトは古典的なリトラクタブル式も検討されたという。

 そしてピニンファリーナ社のリリースによると、0-100㎞/h加速は2秒以下。0-300㎞/h加速は12秒以下。最高速度は約350㎞/hを標榜するとのことだが、これらの数値はいずれもリマックに準拠するものと思われる。

 ただし、バッテリーなどのレイアウトやチューニングによって、クルマとしてのキャラクターが大きく変わってしまうEVゆえに、海外の報道で語られたピニンファリーナ側の弁によると、リマック「C-Two」との技術的な共通点は40~50%程度に過ぎないとのこと。

 さらに、マヒンドラを母体としてフォーミュラEに参戦する「マヒンドラ・レーシング」との提携によって車両開発が進められることで、より独自性が高められているとのことだ。

 とはいえ、ピニンファリーナ・バティスタで何より注目すべきは、創業以来90
年近くに亘ってピニンファリーナが構築してきた「エレガンツァ」を見事に体現した、優美なボディスタイルにほかなるまい。

 1950年代から綿々と継承されてきたフェラーリとのパートナーシップを、いささか不本意なかたちで終えざるを得なかったピニンファリーナだが、かつてフェラーリでデザインコンサルタントを務めた経験もある現ピニンファリーナのデザインディレクター、カルロ・ボンザニゴ氏の率いるチームは、ある意味現代のフェラーリ以上にフェラーリらしいデザインを、完璧なまでに表現したといえるだろう。

 偉大なる開祖の名を掲げるとともに「これまでにイタリアで設計・製造された中で、最も強力なロードカー」を自認する新生ピニンファリーナのハイパーEVは、いつか現れるかもしれないマラネッロ製EVに叩きつけた先制パンチ。筆者には、そう映ってしまうのである。

熱源たる内燃機関を持たないことから、リアも極めてシンプルな造形となる。またテールエンドのパネルは、速度やブレーキに応じて立ち上がるアクティブエアロを採用。

外観同様にシンプルな印象もあるインテリアだが、一説には200万ドルを超えるというハイパーEVだけに、顧客の要望に応えたオプションも数多く用意されるだろう。

 
 
Text:Hiromi Takeda
媒体:『E MAGAZINE』 Vol.2

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