2019.07.29

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

創立30周年「ケアーズ」川瀬さんと選ぶヴィンテージウォッチ①

東京は森下、六本木、表参道に店を構えるヴィンテージウォッチの老舗「ケアーズ」は2019年で30周年。会長である川瀬さん自ら選び抜いた時計を紹介していただきながら、ケアーズの歴史や、ヴィンテージウォッチに対する熱い思いを語っていただいた。

 「この時計、ご覧ください(画像下)。チェコ軍のものなのですがインナーベゼルが回るんです。ベゼルがついていないモデルはよく出てくるんですけど、これはすごくレアなんですね。このロンジン(さらに下の画像)はというと、機械の内容、デザイン、ケースの作りと3拍子揃った1930年代のもので、私はロンジンと出会ってからますますヴィンテージの時計にハマったので、そのきっかけの時計なのです。古い時計は4~5年前から値段が上がりだしましたが、今紹介した時計は、安く手に入っていた時代に少しずつストックしていたうちのひとつです。そのうち、こうした珍しい時計を集めて、ミュージアムをやってみたいんですよね」 

 地元の古い建物を改装して、時計ミュージアムを作りたいと語る川瀬氏。そこには、レアなミュージアムピースだけではなく、変わったものも並べたいのだそうだ。「当時は不人気ですぐに終わってしまい、構造上量産に向いておらず短命だった時計っていうのも実はたくさん持っているんです。例えば、SEIKOがスイスのDOXA(ドクサ)っていうメーカーから訴えられて回収したいわくつきの時計など、メーカーが出してほしくないような時計も並べたいですね」今年、創立30周年を迎えるケアーズ。川瀬さんの新たな夢がスタートする。
 
 

1930’s LONGINES AVIATOR MODEL:
ラージクッションケースのミリタリーモデル。チェコ軍に見られる回転ベゼルに加え、12 時位置のリューズでインナーベゼルも操作できる特殊モデル。インナーベゼルの数字が彫り込まれた大変手の込んだ造りが見事。Cal.15.94 、素材:SS、サイズ:40.5㎜。参考商品

(左)1940’s LONGINES CHRONOGRAPH:
ロンジンらしい重厚なステップケース×スクリューバックのクロノグラフ。名機13ZNを搭載し、トレタケと呼ばれる三つ爪の裏蓋はマニア垂涎の逸品。12、6が入った内寄りのダイヤルにタキメーターとテレメーターのプリント。Cal.13ZN、素材:SS、サイズ:37.5㎜。参考商品
 
(右)1940’s LONGINES CHRONOGRAPH:
シルバーのツートーンダイヤルにスパイラルプリントが入ったダイヤル。ステップベゼルのスクリューバックケースとの組み合わせも珍しい個体。Cal.13ZN、素材:SS、サイズ:37.5㎜。参考商品
 

空前の腕時計ブーム、「ポール・ニューマン」モデルはなんと、20億円!!

 弊誌で毎号紹介させていただいている、古いクルマや時計の数々。2011年、創刊当初の頃と比べ、その相場は毎年驚くほど上がっている。最近のヴィンテージウォッチの高騰ぶりを川瀬さんはこう語る。

 「2018年、ポール・ニューマンのミュージアムに飾ってあったロレックスがオークションに出て日本円で約20億円で落札されました。腕時計のオークション落札価格では過去最高です。今は昔と違って、オークションに出た時計がいくらで落札されたかネットでわかる時代です。かつてはお店に行ったり、時計のカタログを見ないと値段がわかりませんでしたが、リアルに価格がわかるようになったので、
今はオークション会社が相場をリードしているんです」

 ヴィンテージウォッチが高騰している現代、古い時計はコンディションさえ良ければ、価値が下がらないというモデルが増えているため、ケアーズでは、お客様に売買のタイミングもアドバイスしている。また日本では、ロレックスやオメガなどメジャーなブランドの時計でないと売れなかった時代が続いたそうだが、3~4年前からクロノグラフブームが来たこともあり、文字盤のテイストがいいなど、コンディションと雰囲気が良ければ無名メーカーでも売れるようになってきたと語る。

 「弊社はドイツとアメリカで時計の買い付けをしているのですが、海外に行くと競争相手がすごく多いので、安くていいものが買えない時代になってきています。逆に国内では、相場が安かった時代に、コンディションの良い時計をたくさん買ったお客様が年を取ってきて、手放す方が増えています。今の相場で買取りをさせていただけば、お客様にも喜んでいただけますし、弊社も助かるので、Win-Winですね」

 最近「なんでも鑑定団」で大友康平さんのロレックス・デイトナを鑑定したという川瀬さん。13~14年前に当時は100万円以下で購入したデイトナに、川瀬さんは650万の鑑定をしたという。
 
 

(左)1972 IWC AQUATIMER:
インナーベゼル付きのダイバーウォッチ、アクアタイマーの1stモデル。ダイヤルに合わせてカレンダーもブラックで統一されている。オリジナルブレス付き。Ref.R812AD、Cal.8541B、素材:SS、サイズ:37㎜。210万円(税別)
 
(右)1967 OMEGA SPEEDMASTER:
スピードマスターの4thモデル。パープルがかった色に退色したベゼルが良い雰囲気を醸し出している。オリジナルのキャタピラブレス付き。Ref.145.012、Cal.321、素材:SS、サイズ:37.5㎜。160万円(税別)
 

(左)1940’s JAEGER LECOULTRE TRIPLE CALENDAR:
月、日、曜日機能を備えたトリプルカレンダーモデル。ティアドロップデザインのラグもこの年代のジャガールクルトらしい意匠。Cal.P484/Abr、素材:SS、サイズ:35.5㎜。110万円(税別)
 
(右)1950’s JAEGER LECOULTRE GEOPHYSIC:
大変稀少なジャガールクルトのクロノメーターモデル"GEOPHYSIC"、こちらはさらに数の少ないピンクゴールドタイプ。Cal.P478/BWsbr、素材:PG、サイズ:35 ㎜。270万円(税別)
 

ミッドセンチュリー時代が好きな川瀬さんの趣味で、店内はアンティークの椅子やショーケースがレイアウトされる。ロンジン、ロレックス、ブライトリングなどスイスの黄金期に作られた腕時計もセンスよく配置されている。

 
 
CARESE
 Tel:03-3635-7667 Fax:03-3635-7684
 営業時間:平日 10時~19時/土曜・日曜・祝日 11時~19時
 定休日:毎週水曜日(祝・祭日を除く)
 
Text:Soichi Kageyama
媒体:『VINTAGE LIFE』 Vol.21

NEWS of VINTAGE LIFE

ARCHIVES

RANKING

POPULAR TAG

NEWS

SEARCH