2019.08.06

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

名作C2コルベットのオリジン「1959 CHEVROLET CORVETTE S...

 今や、最も美しいアメリカ車の一つと称される二代目コルベット。そのデザイン上の源流となったのが、1959年に発表された試作車、「XP-87」のコードNo.でも知られる「スティングレイ・レーサー」である。

 大人しい直6エンジンでスタートした初代C1コルベットにV8を押し込み、それまで見掛け倒しのプロムナードカーと見なされていたコルベットを本格的なスポーツカーへと脱皮させた最大の功労者、ゾーラ・ダントフが、次世代コルベットを見越して1957年に試作したレースカー「コルベットSS」を直接のベースとする。

 一方、先鋭的なボディデザインについては、戦後GMデザインを牽引したビル・ミッチェルの指示を受けた日系人デザイナー、ラリー・シノダが手掛けたとする文献も多かったが、近年では名匠ピート・ブロックの主導、という説が一般化している。

 1936年生まれのブロックは、まだアートセンター・カレッジ・オブ・デザインに在籍していた57年に、当時最年少となる19歳でGMのデザインチームに加入。この年にクレイモデルが製作された「Q-コルベット」のデザインワークに参画したのち、スティングレイ・レーサーの開発にも密接に関与したというが、1959年にはGMを離れ、かのキャロル・シェルビーが興したばかりの「シェルビー・アメリカン」に61年から加入。ここで伝説のマシン「デイトナ・コブラ・クーペ」をデザインした。

 1965年には自ら「ブロック・レーシング・エンタープライズ(BRE)」を発足。こちらも伝説的な「日野サムライ」やトヨタ「JP6」を開発・製作したのち、ダットサン240Zや510ブルーバードを擁して、北米SCCA選手権で年間タイトルも獲得するなど、日本の自動車メーカーとも深い関わりがあったことでも知られている。

 スティングレイ・レーサーは名作C2コルベットの源流であったに留まらず、レジェンドと称される名匠が初めて手掛けたという点でも、極めて重要な一台なのだ。

1959 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY RACER:
ゾーラ・アーカス・ダントフが、C1コルベットを改良して1957年に製作したコルベットSSをベースに開発された試作モデル。283cu.in.(≒4,683cc) エンジンなどのコンポーネンツは、コルベットSSと共通とされた。このデザインはラリー・シノダの「マコ・シャーク」にも引用され、ともにC2の源流となる。

 
 
Photo:GM
Text:Hiromi Takeda
媒体:『VINTAGE LIFE』 Vol.21

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