2019.08.29

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

西海岸を代表するランブレッタ専門店「Scooters Bellissimo」

 アメリカン・モーターサイクルカルチャーの中心は間違いなく、ハーレー・ダビッドソンである。それは時に「The Heart of America」と形容されるほどに、彼らの生活そして人生の一部と解釈されており、老若男女を問わず、今も多くの好事家が唯一無二の魅力に取り憑かれている。

 そんなハーレーをマジョリティとするのであれば、彼の地のマイノリティは、対極に位置する欧州スクーターを指すだろう。大排気量、大トルクを好物とする彼らにとって、華奢な車体に小排気量という組み合わせは、ハーレーを軸に築き上げられたセオリーからは、残念ながら逸脱している。

 それでも洋の東西を問わず、変わり者が存在するのは世の常。我々はカリフォルニアにて、ヴェスパやランブレッタなど欧州スクーターに傾倒する好事家に運良く巡り会うことができた。

 そこはロサンゼルス北部に位置するパサデナの住宅街。特徴がないといえば失礼だが、ごく普通のアメリカンハウスのガレージに、ランブレッタ専門店の「Scooters Bellissimo」はある。まるでプライベートビルダーのようだが、これでもれっきとしたショップ。カスタマー所有車のメンテナンスはもちろん、エンジン、トランスミッションのO/Hなど、なんでもこなす凄腕の専門店だ。

 店の主はマーク・コフマン。高校生の時に観た映画『さらば青春の光』に影響され、欧州スクーターの世界に入ったという。当初は趣味に過ぎなかったというが、いつの間にか自らのショップを開設するまでに至った。

 「アメリカだからお客さんは少ないけれど、みんな真剣で情熱的。僕を必要としてくれるのは嬉しいよ」と恥ずかしそうに話すマーク。ハーレーが正義とされる米国モーターサイクルインダストリーの片隅に、こよなくマイノリティを愛するシャイな男が存在している。

1958 Lambretta TV 175 Sr.1:170cc(実際に175ccとなるのはSr.2から)の排気量を持つランブレッタの高性能モデルTV。同車はその最初期型であり、サイドパネルのエンブレム前方にダクトを設けているのが特徴のひとつだ。VIGANOのクロームパーツをフロントに奢り、サイドパネルもクロームで統一した、ランブレッタの華やかさを存分に感じる ことのできる1台。

1964 Lambretta TV 175 Sr.3:新設計のクランクケースと大型シリンダーを採用したTV175 Sr.3。フロントにはディスクブレーキが採用され、外観も丸みを帯びたSr.2とは対照的に、直線を基調とするシャープなデザインに一新されている。歴代ランブレッタの中でも非常に人気の高いモデルであり、同車もショップの主であるマークが最もライドするお気に入りなのだとか。

1959 Lambretta TV 175 Sr.2:こちらはマークの主戦闘機。レオパードのシートにクラッシュバー、そしてVIGANOのキャストパーツと、ランブレッタならではのアクセサリーパーツをふんだんに奢っているのがポイントだ。

Scooters Bellissimoを切り盛りする店主のマークとその奥様。1995年からマークが表に立ち、奥様が経理を担当して二人三脚で約25年間、店を運営してきた。

 
 
Photo:Ken Nagahara
Text:Kota Engaku
媒体:『VINTAGE LIFE』 Vol.21

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