2019.09.17

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

本当のところは? 買う前に "本音"が知りたい!②「EVオーナー192人に聞きま...

Q4:あえて「不満」を挙げるとすると?

 Q1で「買ってよかった」と回答した190名に、あえて「不満」を聞いてみた(複数回答可)。

 選択肢は「航続距離が短い」「充電が面倒」「急速充電スポットが少ない(混む)」「エンジン音がない」「その他」の5択。その他を選択した場合はその内容を記入してもらった。

 結果は、予想通りではあるが「航続距離」への不満が114名(60%)で最多となった。クルマとしては愛していても、本当は「もっと走れるといいのにな」というのが、偽らざる本音ではあると解釈できる。「エンジン音」を選んだのは2名のみ。すでにエンジン車時代のノスタルジアにこだわっている人は少ない。

 「その他」としては「電池の劣化」(氷上LEAF)「バッテリーの温度管理ができていないこと」(steinchen)「バッテリー寿命と交換コスト」(はつかり583)といったリーフオーナーの実感のこもった要望。「暖房を使った時の航続距離が短い」(tibi)「寒い」(三坪達弥)といったEVが冬に弱い点への指摘。

 「普通充電器が少ない」(みやけん)「屋根のある充電スポットが少ない」(シルビア)「大容量バッテリー(40kW)だと1回のQCで半分しか戻らない」(まにゃ)といった充電インフラへの不満が目立っていた。なかには「会社から通勤費が支給されなくなった」(yomito)という意外な影響も。

Q5:「充電待ち」にはどの程度遭遇しますか?

 航続距離には不満がある。では、EVオーナーの実感として、どのくらい走れればいいのかを探るため「一充電航続距離はどのくらいが『標準』になるべきだと思いますか?」と聞いてみた。距離と理由を記述する回答方法として、距離に幅がある場合(300~500㎞など)は最大値をとって173名の回答平均値を算出。結果は「376.5㎞」となった。奇しくも、この距離は新型リーフe+のEPA基準航続距離に近い。つまり、すでにe+はほとんどの人が満足できる航続距離を実現したと考えることもできるだろう。

 エンジン車並みを理由として500㎞程度を挙げる人が多かった一方で「10分充電で100㎞走れば充分」(でこや)「200㎞に一度くらいは、休憩するべき」(さつき)「標準というより、その人にあった距離を選択できるようになればいいね!」(ken1)「充電インフラが整えば航続距離は問題ではない」(スージー)といったEVオーナーならではの味わい深い意見も多かった。

Q6:友人や知人に自信をもって勧められる?

 回答者の多くは、アーリーアダプターで電気自動車ファンであることを自認。当然、友人や知人にも自信をもって電気自動車を勧められるのかと思いきや。「友人知人などに、自信をもって電気自動車を勧められますか?」という質問には実に38%のEVオーナーが「どちらでもない」、9%が「いいえ」を選択した。「いいえ」と「どちらでもない」と答えた人には、その理由を記述式で回答してもらった。

 中でも多かったのは「相手の使用条件に見合っていなければ勧めない。距離を走れるようになったが、まだ金額が高い」(カシー)「ライフスタイルに合えば勧められる。家族や知人を乗せて遠出をするには想定時間に到着できないなど時間的なリスクがまだある」(たあ)など、相手のライフスタイル次第という意見。また「自宅充電可能か、近くに急速充電器が3箇所以上あるかが条件」(匿名希望)「自宅で充電でできないと不便」(としはる)といった条件。さらに「物事を自分で解決できない人には無理」(photo)「自動車に興味がない人にはEVの魅力を理解することは難しい」(スージー)「せっかちな性格の人には向かない」(しゃかりき桃太郎)など、相手の人間的資質によるという意見もあった。

 「車体価格が高い。航続距離の問題はユーザーが納得していなければ耐えられない」(dekkaino)「不安定な予測航続距離、遠出した際の充電スポットの検索や事前の充電計画が面倒」(いーじゅ)「電池の劣化が深刻。そこさえ解決できれば、自信をもって勧める」(匿名希望)「エンジン車のような使い勝手を想像している人は不満を感じるかも知れない」(ペイペイ社員)など、エンジン車との違いを理解できない人がいることへの懸念。「国産車に勧められるEVはまだ存在しない」(DEN_papa)「選択肢が少ない。特にファミリー向けの車種がない」(どん)など、車種バリエーションの少なさへの指摘も目立つ。

 さらに「台数が増えると充電待ちが多くなるし、たまにしか乗らない人や短距離だけ走る人はバッテリーの劣化も早い」(カタさん)や「これ以上EVが増えたらますます充電渋滞が増えそう~」(かわ)という、現ユーザーのちょっと切実(わがまま?)な意見もあった。

Q7:次に購入するマイカーも電気自動車を選ぶ?

 他人に自信をもって勧められるのは54%だけだったけれど、「次に購入するマイカーも電気自動車を選ぶ?」という質問には192人中164人、85%のEVオーナーが「はい」と回答してくれた。前問同様、まずは「いいえ」と「どちらでもない」と回答した人の理由を紹介しておこう。

 傾向は大きく2通りで、ひとつは「欲しい車種に電気自動車がない」(ゴロゴロピー)「車両価格、ボディタイプなどの今後がわからない」(リーフ2台目)という車種選択肢の不足を指摘する意見。もうひとつが「旅行先などでの充電待ちはやっぱり苦痛」(てんぱんち)「航続距離の問題」(7K)など、性能や充電環境への懸念を理由とする意見だった。

 「はい」と答えた人の理由は「乗ってて楽しい」(匿名希望)「今現在の最高の選択だから。世間の人達が電気自動車を選ばない理由がわからない」(中瀬衛空)など熱くて多彩。なかでも「100%満足しているのでエンジン車に戻る理由がありません」(さつき)など、EVに慣れると「もうエンジンには戻れない!」という意見が圧倒的に多かった。

Q8:20年後、日本は電気自動車が中心になる?

 20年という期間設定を「まだまだ先」と感じるか「もう目の前」と捉えるかでも違うだろうが、EV好きである回答者は過半数が「はい」を選択。その理由は「ガソリン車はなくなると思う。水素自動車は設備にお金がかかり過ぎる」(kumi)「環境問題を考えると化石燃料車は存在できない」(shilver484)「20年なんて先の話ではなく、5年後ぐらいからEVにシフトしていくと思う」(SATO HIDEKI)「技術進歩の必然と考える」(電気好き)「結局、乗り物としてEVのほうがエンジン車より優れていると思うから」(たこさん)など、熱烈で深い意見がたくさん寄せられた。

 一方「いいえ」「どちらでもない」を選んだ人の理由は「インフラ整備が国家的プロジェクトになるか不明」(steinchen)「充電インフラ、課金制度の整備状況による」(Yoshiaki)など充電インフラ整備の課題。また「EVを叩く連中が多い」(KOKOBIT LEAF)「ガソリン信仰が異常でそうそう変わらない」(まにゃ)「ガソリン税収が少なくなるのはお上が黙っていない」(ラーメンマン)といった社会の風潮や制度への懸念。「トヨタがハイブリッドで頑張るから」(シーザー・ミラン)「トヨタ次第だと思う」(一本松)など、トヨタをはじめする国内メーカーの姿勢次第であることを指摘する意見が多かった。

 次に買うのもEVと思っているが、今、欲しいEVは「まだない」というのもオーナーたちの切実な声。欧州や中国に負けず、日本メーカーもEVに注力してほしい。

概論:高速道路SAPAの複数台設置が緊急課題、急速充電インフラが整えば航続距離なんて関係ない。

 Q4でも70名(約37%)が「急速充電スポットが少ない(混む)」を選択したように、ことに首都圏など都市部に近い高速道路SAなどで、充電待ちが深刻な課題になりつつある。Q5では、充電待ちに遭遇する頻度の実感を聞いてみた。ひとつを選択する方式で、結果は「頻繁に」が8%、「しばしば」24%で、充電待ちすることの多さを実感しているオーナーは約32%となる。急速充電は1回30分が目安とされており、充電待ちになった場合の時間のロスやストレスはとても大きい。

 EVがさらに普及し、また急速充電可能なプラグインハイブリッド車が増えると、状況はますます深刻になる。チャデモ協議会では充電速度が速くなる高出力規格策定を進めているが、すでに普及しているEVは高出力に対応できない車種がほとんどだ。「高速道路の急速充電器の数が少なすぎる。5台分は必要。200Vの普通充電機も設置してほしい」(みつ)というように、高速道路SAPAなど利用頻度が高く混雑期の利用者集中が予測できる場所には、5台以上をメドとした急速充電器の早急な複数台設置が望まれている。
 
 
 「EVや充電インフラについて広く世の中に知らしめるべきことは?」という記述式の設問でも、「スポットを増やすだけでなく複数化を検討すべき。全充電器のオンライン化(満空・充電経過時間など)や24時間化を望む」(かなそにっく)「充電インフラの数はかなり多くなった。複数台設置や時間短縮に向けた高出力化ができればもう問題ない」(i3ユーザー)「15分程度で満充電になるような充電規格を実現してほしい」(パールジョンジュニア)など、充電インフラに関する意見が多かった。現状の最大出力50kWhで1回30分という急速充電のス
タイルは、2010年に登場した初代リーフ程度の性能をもったEVが基準だった。

 欧米ではすでに350kWでの整備が始まっているように、大容量電池搭載車の増加に対応する急速充電の高出力化は、もう待ったなしの切実な課題といえる。混雑するスポットへの複数台設置や、大容量に対応する高出力化など、急速充電インフラの整備が進めば、電池容量が小さい短・中距離EVの利便性も向上する。ただし、これはメーカーやユーザーだけでは解決しきれない課題でもあり、社会全体のEVへの理解を広げる必要がある。

 
 
Text:Yoshinori Yorimoto
媒体:『E MAGAZINE』 Vol.2

NEWS of E MAGAZINE

ARCHIVES

RANKING

POPULAR TAG

NEWS

SEARCH