2019.09.25

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

米自動車文化の発信拠点。PETERSEN Museum ②「アメリカン・ドリーム...

1908年の“ブラウニーカー”、1927年のブガッティ・タイプ52“ベイビー”から、2017年のジュニ ア・ドラッグスターなど、様々な子供用エンジンカー、電気自動車もコレクションされる。

自動車の国、アメリカ。世界のどこよりも早く沢山自動車を消費し、その発展に貢献してきたこの国はまた、早くから自動車を"文化"として捉えてきた国でもある。そのアメリカにある自動車博物館の中でも、ロサンゼルスにある"ピーターセン・ミュージアム"は比較的新しい部類に入る博物館といえるだろう。

 ピーターセン・ミュージアムには常設展、特別展を含め、テーマごとに常時100台以上のクルマが展示されている。しかしそれは彼らの所蔵するクルマのホンの一部、いわば氷山の一角に過ぎない。

 なぜなら一般公開されていない建物の地下には200台以上のコレクションが保管されており、追加料金を支払うと参加できる限定の見学ツアーは、毎回大盛況となっているからである。

 そのひとつひとつを紹介できないのは残念だが、中でも戦前のドライエ、ヴォアザン、シトロエンなどのフランス車のコレクションは貴重な物が多く、一見に値するものだ。

 そしてもうひとつ彼らのコレクションを特徴づけているのが、お膝元・アメリカ車だ。2015年のリニューアル前はアメリカ車と西海岸のカスタム・カルチャーをテーマにホットロッドなどを積極的に展示していたこともあり、ジョージ・バリスら伝説のカスタムビルダーたちが手がけたホットロッドなども多数保管されている。これらは定期的な入れ替えで常設展にも展示されるという。
 

1953 DODGE STORM Z250X BY BERTONE:クライスラーのエンジニア、フレッド・ゼダーが製作したスポーツカーのスタディ。面白いのは、チューブラーフレームのシャシーに写真のベルトーネ・デザインによるノーマルボディと、FRPのレース用ボディをボルト4本で交換できるようにしていたことだ。エンジンははダッジ・ピックアップ用のV8ヘミ・ユニット。

1955 MERCURY D-528 CONCEPT:新世代のサルーン像と安全対策のために作られたプロトタイプ。ボディはオールFRP製で、テールフィンの片側にスペアタイヤ、片側に燃料タンクを内蔵。"ローリングラウンジ”と呼ばれたインテリアにはエアコンを完備していたほか衝撃吸収フレーム、Yブロック・エンジンなど数々の新機軸が採用されていた。

1973 AMC Jeep CJ-5 Super Jeep:若者向けの派手なグラフィックを纏ったスーパージープ・プロモー ショナル・パッケージ。73年のみの生産。

 
 そうした中、現在行われている展示で特に興味深かったのが"DREAM CARS"と銘打たれた、1950〜60年代のアメリカン・コンセプトカーたちのディスプレイだった。アメリカン・デザインが世界の自動車シーンをリードしていた時代に生まれたスタディは、どれも野心と生気に溢れる作品ばかり。そのいずれもがピーターセン・ミュージアムでしか見られない貴重なものだ。

 このほかにもハリウッド映画で使われた劇中車(これもこのミュージアムの名物だ)やカスタム・バイクなどが、解りやすい解説、見やすく整理されたディスプレイで展開され、豊かな"アメリカン・ドリーム"の一端を垣間見ることができる。
 

1954 PLYMOUTH EXPLORER BY GHIA:クライスラーがイタリアのカロッツェリア・ギアにデザインを委託したクーペのスタディ。1954年型プリムス・サヴォイのシャシーにギアのディレクター、ルイジ・セグレがデザインしたボディを換装。同年5月のモータートレンドでデビューした。80年代後半にスウェーデンで発見され、オリジナルの状態にレストアされている。

1976 Chevrolet Cosworth Vega:1970年に登場したシボレー・ベガのハイパフォーマンス版として75〜76年に生産される。英国コスワース社の手がけたDOHC16バルブヘッドを搭載した2ℓ直4は260hpを発揮。オンボードコンピュータを搭載するなど、最新技術を投入した当時のアメリカ車の中では意欲的なモデルであった。

1950 Chevrolet Styleline DeLuxe:アメリカのアート雑誌『JUXTAPOZ Magazine』の企画展に展示されていた、ギルバート・ルヤンの"Our Family Car"。

自動車とカルチャーがテーマのミュージアムゆえ、収集展示されるものは実車だけにとどまらない。中でも充実しているのが、世界の自動車デザインをリードしてきたカリフォルニアに所縁のあるデザイナーの貴重なレンダリングやモックアップモデル。また地元の名門、アートセンター・カレッジ・オブ・デザインのブースも用意されている。

下記は、自動車電話のコレクション。そのほかバニティミラー、チャイルドシート、カーラジオなど、珍しいものも展示されている。

 
 
PETERSEN Museum  https://www.petersen.org/
 Address:6060 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036 USA
 営業時間&料金:月〜金=6時〜8時 $20/8時〜23時 $16/土、日 6時〜23時 $16
 
 
Photo:Sochi Kageyama
Text:Yoshio Fujiwara
媒体:『VINTAGE LIFE』 Vol.21

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