2020.02.02
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大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

ブッシュクラフターJeremy Randallの朝 【LIFE with FIL...

いつの時代も変わらず、質実剛健なアメリカンプロダクトを作り続けている「フィルソン」。『LIFE with FILSON』は、アメリカの最新のファッション事情や、ローカルで人気の店、フィルソンを愛するアウトドアズマンを紹介する連載企画。北欧発祥のアウトドアスタイルであるブッシュクラフトだが、北米独自のスタイルも存在している。今回はユタ州のブッシュクラフターの一日を取材した。

北米のブッシュクラフトを探求する男

この日やってきたのは、ソルトレイクシティの北の山間にあるユインタ国立森林公園。松林を抜けてひたすら山道をクルマで登ると、だんだんと白い樹皮の白樺の木が目立ち始めた。

ブッシュクラフターのジェレミー・ランドルさんと落ち合ったのは、この山の中。10月半ばの取材の朝、気温は0度近くまで冷え込んでいた。

彼はアメリカやカナダを中心としたローカルメイドのアウトドアギアを使ったブッシュクラフト遊びを発信していて、インスタグラムでは1万を超えるアウトドアズマンが彼をフォロー中。また、Mountain Manlyという名前のウェブショップも手がけ、彼の選んだ北米のギアも販売している(現在ページ改装中)。

立派なひげをたくわえたジェレミーさんは、見るからにアメリカのアウトドアズマン。彼はソルトレイクシティ郊外に住んでいて、この山はよくブッシュクラフト遊びをしにくる場所なのだという。

彼は我々とのスモールトークを終えると、ピックアップに積んでいた道具をコンパクトにまとめて森の中を進み始めた。すでに初雪が降り薄く雪が残った道無き道をワシワシと歩いていく。いつも通り愛犬のズースと娘のセーリーさんも一緒だ。

道路脇にクルマを停め、我々を待っていてくれたジェレミーさん。山の男にはFILSONのビーニーがよく似合う。C.C.F. Acrylic Watch Cap Beanie 4400円

歩き始めてすぐに、遠くで「タァン!!」 という銃声が聞こえてきた。

「ハンティングシーズンに入ってるからね、ハンターに打たれないように気をつけないと」
彼は冗談っぽく言ったが、来る途中にオレンジのウェアを着たハンターとすれ違ったから真面目な忠告なだろう。

10分ほど進んだところで焚き火に良さそうな場所を見つけると、ジェレミーさんはバックパックからタープを取り出し、木立にガイロープを括った。日が高くなる前に庇を作っておき、後で火を見ながらゆっくり寛ぐのがいつものパターンなのだ。

ちなみにここユインタは国立森林公園だが(時期や場所の条件付きで)直火で焚き火もして良いそう。数日前に降った雪のせいで濡れた枝木が多かったので少し手間を取られたが、ウェットで山火事の心配も少ないのは好都合だった。

ブッシュクラフトとは、北欧で生まれたカヌーをしながら生活した人たちの野営スタイル。サバイバルが過酷な状況でも生き残る術だとすれば、ブッシュクラフトは自然での生活の術。人によってスタイルは異なるが、基本的には最小限の道具と自然のものを使って、外で過ごす遊びと認識していれば良いだろう。

「ブッシュクラフトっていうのはただの名称さ。アウトドアを楽しむ行動に名前をつけただけ。僕の外遊び歴は子供の頃のボーイスカウトから始まって、その延長でずっと焚き火やキャンプをやっていた。だけど、それがブッシュクラフトと呼ばれる類のものだって知ったのは、10年ぐらい前の話なんだ」

型にはまらないことこそがこの遊びの面白さで、火起しのやり方1つとっても様々なスタイルがあり、どの方法を選んでどう過ごすかは人の好き好き。

「僕のパターンは朝早くから山にきて、焚き火をしてモーニングコーヒーを淹れてゆっくりする感じ。昔はキャンプもやったけど、最近は朝から半日森の中にいて、自然を感じ、お昼にステーキを焼いたりしたら帰っちゃうことが多いね。頻繁にくることもあれば月に一回ぐらいしか山に入らないこともあるし、気ままに楽しんでるんだ」

森で過ごす親子の時間

学校が休みの週末は、よく娘さんが同行する。

最初ばジェレミーさんが連れてきていたけど、ここ数年はアウトドアに出かけるのが好きになり、自発的に一緒に山に入ることも多くなったそう。父親としても自然を感じることは精神衛生的に良いことだと思っているそうだ。

「自分自身、子供の時には感じてなかったけど、大人になるに連れ自然の中にいると心が洗われることに気がついたんだ。だから多感な時期にこそ。こういう機会を作るのは良いことかなと思って」

父の言葉を聞いた娘さんはちょっと恥ずかしそうな顔をして、林の奥に乾いた小枝を集めに行った。

ファイヤービルディングに見る、北米のローカルギア。

焚き火に使う白樺の倒木を、北米の伝統的な折りたたみ式ノコギリで切断。

ノコギリは「Bear Essentials Outdoors Co.」のもので、ハンドメイド・イン・カナダ。

小枝はハチェットで細かく。焚き火の規模は小さくしてのんびりやる方がお好みだとか。

ジェレミーさんのSNSには、日々のブッシュクラフトの様子が美しい写真でポストされている。撮影はフォトグラファーである彼の妹や、アーティストとして活躍する彼の長女が行っているそうで、眺めているだけで楽しい。

またその一方で、彼のフォロワーは彼の使っている道具に特別関心を向けているのも事実。そんじょそこらのアウトドア屋に売っていない、アメリカやカナダのハンドメイドギアをメインに使っているので、アウトドアギアオタクも興味津々なのだ。

いわゆる普通のキャンプ道具と違って、道具が最小限になるブッシュクラフトだからこそ、1つ1つのアイテムにこだわりを持っているのだろう。

左2つは炭素鋼のブレードを持った「Malone Knifes」のナスマックナイフ、続いてケファートナイフ、右手のものがハワイのメーカー「Da Hawaiian Viking」のハチェット。

「僕のような北米のブッシュクラフトを志向する人がいるんだけど、僕らのスタイルを語る上で欠かせない2人の人物がいるんだ。1人はジョージ・ワシントン・シアーズ。もう1人はホレイス・ソワーズ・ケファート。2人とも19世紀後半に活躍した自然派作家で、アメリカの自然保護活動家としても知られている」

ジョージはナスマックというペンネームで活動し、現代の超軽量キャンプの父とも言われている人物。その名前は薄刃のスライス能力にフォーカスした中型の狩猟用ナイフ”ナスマック”と呼ばれる様式のナイフにも残っている。特徴は刃先が鋭く、ブレードの背がコブのように突き出ている点。人間工学に基づいた持ちやすいハンドルとともに、バランスよくカッティングができる設計になっている。

また後者も同様に、ケファートナイフというスタイルのナイフに名前が残されている。これは彼が愛した4.25インチの刃を持つまっすぐなナイフのスタイルで、フィールドや調理、鹿の皮を剥ぐことにも適した万能ナイフだ。

親子の共同作業。娘さんは女子高校生なのに格好も動作も様になっている。

ナスマックナイフを使って焚き付けに使うフェザースティック(木や枝をナイフで薄く削り、先端を羽毛のようにしたもの)を作って見せてくれた。

「僕は特にナスマックの考え方が好きで、彼が書いた文献を探しては勉強しているんだ。彼の使っていた道具やウッドクラフト、キャンプのやり方は1つの完成形だね。僕の使っている鹿のバックスキンで仕立てられたバッグはネバダ州の友人が作ってくれたものなんだけど、これもナスマックにインスパイアされたもの。狼の牙やミュールディアの角を飾って、ナイティブアメリカン風にしているんだ」

フェザースティックを使わない時は朽木の樹皮や麻布を揉んで綿状にしたものや、パインの木の脂肪分の多い部分のチップスを焚き付けにしているそう。

木屑から小枝、枝木、薪へと、火を少しずつ育てて行く作業は、見ているこっち側も楽しい。

焚きつけアイテムは自作のレザーポーチの中に収められていた。「The Whistling Woodsman」のトラディッショナルなファイヤーストライカーとメノウ石。樹脂の多い松の木のスティック、ミツロウ、麻紐、チャークロスなどがあり、気分に合わせて様々な方法で火が起こせるようにしている。

アルミ缶の中に小さなコットンの布を入れて火にかければ、チャークロスという炭化した布の出来上がり。これも優秀な焚きつけツールになる。

ブッシュクラフトをやればやるほど自分で何でもやりたくなるそうで、最近では革小物も自作してミシンと格闘していることもあるらしい。基本的に冬の道具や命に関わるようなものは覗いて、天然素材のものを好むジェレミーさん。身につけるものの多くはウール、キャンバス、&レザーだ。

ギア同様、ブッシュクラフトを志向するとクラフトマンシップを感じさせてくれるアイテムに惹かれ、自ずと道具も自然のものになるのかもしれない。

彼が考えるMountain Manly "山の男らしさ"とは

山に入るときは決まって使っているという「Meandering Maker」のワックスドコットンのデイパック。堅牢なブライドルレザーとのコンビが男らしい。

焚き火をしながら、午前中いっぱい取材につきあってくれたジェレミーさん。道具についてもたくさん説明してもらったのだが、最後に彼なりのブッシュクラフト論を語ってくれた。

「このバッグに付けている、パイプを加えたウサギのワッペン。これはスモーキング・ラビットというネイティブアメリカンのマレサイト族に伝わる伝説をモチーフにしたものなんだ。ウサギは天敵が近くにいたとしても木の上でタバコを吸ってリラックスできた。なぜなら、どのようにしたら生き延びれるか、その知識と技術を持っていて自分のスキルに自信があったから。僕はこれこそがブッシュクラフトの真髄だと思っていてね。そのように僕たちも技術に自信があれば何も恐れることはないし、自然をより楽しむことができると思うんだ」

【Information】
 Jeremy Randall
 Instagram:@mountain_manly
 Youtube:Mountain Manly

☆FILSON商品の問い合わせ
 Filson Tokyo Store
 Tel:03-6416-0768
 Website :https://filson.jp/
 Instagram:@filsontokyostore (リンクはコチラをクリック)

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