2020.02.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

カラフルでユーモラスな壁画が人気!「台中市 彩虹眷村(レインボー村)」

元々は取り壊し予定となっていた村が、「虹の村」へ

 台中の中心街からクルマで数10分、車窓から流れる台中の風景をのんびり眺めながらドライブしていると、なにやらカラフルな絵が描かれた塀が目に飛び込んできた。ここが今回の目的地となる「彩虹眷村」。

 英語表記ではレインボー・ヴィレッジ、日本語でいえば虹の村となるこの眷村は、元々は第二次大戦後に中国から移住してきた軍人や官僚などの集合住宅で、2000年代に入ると居住者の減少と建物の老朽化などにより、台中市の再開発区として取り壊し予定となっていたという。ちょうどその頃、この村の壁などにユーモラスでカラフルな絵が出現し始める。その絵を描いたのは、この村に住んでいた一人の老人。今では親しみを込めて彩虹爺爺と呼ばれている、黄永阜さんその人。

村を救った、一人の老人の手による色彩豊かな壁画

 黄永阜さんは、香港出身の退役軍人。国民党の兵士として戦った後、香港から台湾に移り住み、何度か居を移したのち現在の彩虹眷村に住居を購入。ところが時が経つにつれ、住む人が減り、村は寂れていき、先の再開発の話が立ち上がることになる。その頃から黄永阜さんは、自分の住んでいた眷村の壁などに絵を描き始めたという。

 当時は再開発による取り壊しが決定していたので、何の気がねもなく自由に絵筆を振っていたそうだが、その絵が近くの大学生や教授の目に留まることになる。また、この場所をインターネットなどで知った人からも支持を集め、保存のための活動が始まることに。その要望を受けた当時の台中市長が自らこの場所を訪れ、再開発計画から外す決断をし、再開発した公園や駐車場の中の一角に残されることになった。

 そんなストーリーを持つ「彩虹眷村」。近隣の駐車場にクルマを停め、カラフルな絵が描かれた塀沿いに進んでいくと、急に開けた広場が現れる。そしてその先には、色とりどりの絵が描かれた建物の前で、写真を撮ったり、皆で歌ったりと、平日だというのに賑やかな観光客の姿が目に飛び込んできた。

平日だというのに、観光客でにぎわっている彩虹眷村。さまざまな世代に人気の観光スポットだ。

インスタ映えで人気の、台中有数の観光スポット

 黄永阜さんの絵のおかげで取り壊しを免れた眷村は、現在では彩虹眷村と呼ばれ、国内外から観光客が訪れる台中でも有数の観光名所になっている。その観光客の目当ては、いわゆる「映え」。黄永阜さんの描く絵のモチーフは人や動物などで、決して技巧的に上手い絵ではないのだが、その味のあるユーモラスな画風とカラフルさが人気を呼び、訪れる人々はカメラやスマホを手に写真を撮りまくっている。

 彩虹眷村と呼ばれるエリアは、通路と壁という壁に様々な絵や幾何学模様が描かれる数棟の住宅からなっている。その中の色彩豊かな通路を歩いていると、ちょっとしたラビリンスに迷い込んだ気分に。

 壁に描かれる絵のテーマはそれぞれ独立したものだが、中にはストーリーのあるものもあるという。絵のほかにも台湾語のメッセージなどが書かれているが、その中にはカップルや結婚する方へのメッセージ(絵と共にだ)などもあり、結婚を控えているカップルがわざわざこの場所に訪れ、そのメッセージと絵の場所で写真を撮ることも多いという。

 そんな絵を眺めながら通路を進んでいくと、お土産などを売っている一角が現れる。その中のちょっとした人だかりになっている場所を覗いてみると、彩虹爺爺と呼ばれる、黄永阜さん本人が。

村の中の壁面と通路には、いたるところにカラフルな絵やメッセージ、幾何学模様などが描かれている。

90歳を超えて、なおも描き続けられる絵の数々

現在90歳を超えているという黄永阜さんは現在でもこの“彩虹眷村”に住み、朝4時に起きて絵を描き続けているという。我々が訪れたその日も、売店の一角に座り、絵を描いていることころだった。この売店の一角で黄永阜さんには出会えるかは運次第ということだが、気さくな方なのでその場にいれば写真撮影にも応じてくれるという。ちなみにお土産屋さんには、黄永阜さんが描いた絵をモチーフにしたTシャツや小物、ポストカードなどのほか、人気だというアイスキャンディなども販売されている。

この方が村の壁に絵を描き始めた黄永阜さん。齢90歳を超えているがご健在、絵を描き続けている。

彩虹眷村の中には、黄永阜さんの絵をモチーフにしたTシャツなどが販売されているお土産屋さんも。

 
 
 彩虹眷村自体は入場料無料の施設となっているが、村の中には支援者が設置した保存・維持のための寄付箱があるので、訪れた際はお気持ちを。また、特に入場ゲートなどは用意されていないが、人が住んでいる場所でもあるので、非常識な時間に訪れるのはやめておこう。

 アクセスは先にも記したが、台中の中心エリアからクルマで数10分。近くに駐車場もあるのでレンタカーでも大丈夫だが、タクシーを利用する方も多いようだ。その他、高鉄・台鉄「台中駅」から彩虹眷村付近を通るバスも運行されている。
 
 
彩虹眷村
 住所:台中市南屯區春安路56巷25號。
 料金:無料
 http://www.1949rainbow.com.tw/

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