2020.02.26

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

RM的台湾・台中鉄道見聞録 その2「いよいよ史跡指定の台中駅へ」

台湾屋台の洗礼にノックアウト寸前?

 前回は出国から入管通過までのレポートに終わってしまったが、ここからいよいよ台中レポートのスタートだ。到着ゲートを抜けていよいよ台中の地に足を踏み出した僕だが、まずは現地コーディネーターさんと通訳さんと合流しなければならない、というミッションがあった。するとゲート前に、待ち人がいつまでたっても出て来ない様子の二人組が……。しかも急遽手書きで書いたような僕の名前のプラカードまで持っている。いやぁ、お待たせして本当にすみません!

 こうして現地コーディネーターのOさん、通訳のSさんと無事合流。Oさんのクルマに同乗して、台中の街へと向かった。車内で改めてお話しすると、コーディネーターのOさんは地元台中出身の台湾人だが、通訳のSさんは生粋の日本人であることが判明。そしてなんと、僕と同じ飛行機でやって来たらしい。同じく宿泊のホテルは知らされていなかったらしいのだが、さすがは台湾訪歴200回を超えるスーパー通訳Sさん、巧みに入管をクリアしていたそうで……。

 とにもかくにも、Sさんが生粋の日本人ということで、「通訳さんに細かなニュアンスが伝わらなかったらどうしよう」という不安も、無事解消された。時刻は17時過ぎ。間もなく日没となるので、今日はおすすめの夜市で食事をして、そのあとは明日からのツアーに備えてゆっくり休むというスケジェールとなった。こうして向かった台湾最初の訪問地が、豊原区の廟東夜市だ。

 Oさん曰く、ここは外国人観光客はほとんど来ることはなく、地元民御用達の昔ながらの夜市だという。なるほどたしかにアジア感満点の、実に台湾らしい雰囲気だ。ここでOさん、「台湾に来たらまずこれを食べなければいけません」と、夜市付近の実に香ばしい香りのお店へ。そう、噂に聞いていた臭豆腐だ。香りはまさにアレ(ご想像にお任せします)。日本のクサヤ的な食べ物だそうだが、口に入れてみると意外や意外、クサヤのように味まで臭くなく、むしろ美味しい。抵抗なくパクパク食べる僕を見て、ちょっとガッカリした感じのOさんの表情が面白かった。

 その後廟東夜市に戻って屋台を3軒ハシゴし、蝦仁肉圓(エビバーワン)、鳳梨冰(パイナップルスムージー)、牡蠣のお好み焼きやパイコー麺を食し、上陸初っ端から台湾屋台グルメを大いに堪能して初日を終えた。びっくりする量に思えるが、美味しくて入ってしまうのが、台灣グルメ。皆さんこの美味しさを堪能しに、ぜひ夜市には運ばれることをオススメします。

豊原区の廟東夜市。あふれ出る"アジア感"。そして、「臭」の文字がなんとも強烈……。

これがウワサの「臭豆腐」。実に、実に香ばしい香りです。

このあと抵抗なくパクパク食べる僕を見て、この満面の笑みのOさんが、ちょっとガッカリします(笑)

市場モーニングで腹ごしらえして、過去と未来が同居する台中駅へ

 翌日は台中駅へ向かい、そこから徒歩圏内で行ける観光スポットめぐりだ。まずは朝の腹ごしらえということで、Oさんが地元の朝市を案内してくれた。場所は、台中駅から徒歩7~8分ほどの第二市場。台中市民の台所のような活気あふれる場所で、元は日本統治時代の日本人市場だったということだ。市場入口のお店で大根餅と卵、もち米を腸詰めにした米腸とスープをオーダー。3品合わせるともの凄いボリュームだが、これでも値段は60台湾元(約210円)と格安。このためにホテルの朝食を抜いてお腹ペコペコだったが、全部食べるのにはけっこう難儀した。でもOさんとドライバーさんはあっという間にペロリ。

 そしてそばで食べていた地元家族の子供もペロリ。通訳のSさんによると、台湾人は自宅で料理することはあまりなく、こちらのご家族のように3食外で済ませることも少なくないという。そのため屋台が発達し、リーズナブルな値段で提供する文化が出来上がったそうだ。そして各店がボリュームも競い合い、市民の胃袋も合わせて拡張していったらしい。でも周りを見渡しても、Oさんやドライバーさんをはじめ、大きなお腹の人が目に付かないのが何とも不思議である。

 続いて訪問したのは、鉄道ネタである台鐵(台湾鐵路管理局。いわゆる在来線)の台中駅。「台中駅」は高鐵(台湾高速鐵道。通称・台湾新幹線)にもあるが、高鐵側のほうは台湾高速鉄道の開業に合わせて新設された駅であり、台中の中心地からかなり離れた場所(台鐵の新鳥日駅に併設)にある。よって台鐵側が本家本元の台中駅、だ。現在の台鐵台中駅は、2016年の西部幹線台中市内高架化事業によって新築された3代目で、未来的でダイナミックなデザインが光る。しかし今回紹介したいのは、高架化によって使命を終えた2代目駅舎だ。実は2代目駅舎は、この3代目駅舎のすぐ隣に保存されており、将来的にはこれを含めた駅前を、「鉄道文化園区」として整備する計画だという。

台中駅駅舎。高架化によって使命を終えた2代目。辰野金吾の意匠が取り入れられた、なんとなく既視感のある建物。

2代目駅舎と共に保存される、旧第1ホーム。繊細な装飾が施された、青銅色の上屋支柱は、なんとも言えぬ美しさ。

 そもそも台中駅は、日本統治時代の1905年に誕生。鉄道・駅舎ともに日本人の手によって作られたもので、100年以上の歴史を誇る。そして2代目駅舎は、同じく日本統治時代の1917年に竣工したもので、バロック様式のモダンなデザインが施されている。その容姿は、どこか東京駅丸の内駅舎を彷彿とさせるものがある。それもそのはず、この駅舎のデザインには、東京駅をデザインした辰野金吾の意匠が取り入れられているという。赤煉瓦造りの外壁や中央ドーム部周辺の造形など、たしかに東京駅と同じ匂いを感じ取ることができる。

 これら文化的価値により、1995年に内政府より第二級古蹟に指定された。さらに2005年には、増築などの手が加えられていた外観、建設当時の姿に修復復元したことで国定古蹟にも指定され、現在に至る。駅舎と共に、味わい深い第一ホームも保存される予定で、日本時代の遺構を大切に扱う台湾の姿勢には、感謝と尊敬の念を抱かざるを得ない。

 今回はここまで。次回は台中駅から徒歩で手軽に回れる観光&グルメスポットを紹介したいと思います。

旧台中駅舎と同様、辰野金吾の意匠を用いて建てられた、旧台中市役所。

 
 
Text:Takeshi Ito

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