2018.06.14

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

中目黒の地で、野生の肉を食べる「Koma Bar 3039」

シックながら親しみやすい雰囲気の店内。田中さんオススメのボトルワインを頼んで仲間とワイワイするもよし、上野さんオススメのウォッカをチビチビやるもよし。

東京・中目黒の路地に佇む一軒のバル。物腰柔らかなジェントルと才色兼備な看板娘に誘われて店内へ進むと、 壁一面に物騒な(!?)銃の写真。ここはカジュアルにジビエ料理を楽しめる話題の店だ。

 ちゃんと処理されたジビエは美味しい。そういった猟師達の声を弊誌でも幾度となく掲載してきた。しかし、いざジビエと聞くと、高級フレンチに行かないと食べれない、ちょっと敷居の高いイメージをお持ちの方も多いかと思う。しかし、昨今では手軽にジビエを楽しめる店が増えてきているのだ。

 「コマバル サンマルサンキュー」は、手頃な値段のジビエ料理とワインが楽しめることで人気となっている一店。例えば主力のハウスワインは一杯ワンコイン〜。ジビエ料理も本州鹿なら1,400円〜。高くても2,000円程度、ちょっと嗜む程度なら一人数千円で済んでしまうのだ。
 
 店内はカウンター10席、立ち飲みが数席設けられ、テーブルには空の薬きょう。そして壁一面には銃の写真が隙間なく貼られていた。

 「先日まで好きなロシアの銃の画像が壁に貼ってあったんですけど、この前ニューヨークに行って感化されちゃって、アメリカンなものに変えたんです。あと、ハンティングトロフィーに王冠を被せて"自由の鹿"にしてみました!」

とはアカネチカの愛称で親しまれているシェフの上野さん。うら若き乙女の言葉とは思えないが、彼女は射撃競技及び猟銃の専門誌「ガンズ&シューティング」で表紙も務めている、れっきとしたハンター。最近にわかに増えているという、狩りガールの人気を牽引しているうちの一人で、猟銃の練習会やジビエ協会取材のイベントなどに講師として参加し、ハンティング業界の振興に尽力している。

 「僕が駒場で店を始めた当初は、普通にスペインバルとしてやっていたんですけど、ある時自分でとってきた肉を出したら、それが人気になっちゃって。途中からジビエ料理がメインになりました」
 
そう話す店主の田中さんもやっぱりハンターで、神奈川県の害獣駆除員も務めている。そんな濃い人達が店に立っているためハンターのお客さんも少なくないという。……とはいえ場所は中目黒。狩猟に興味が無くても絶品ジビエやお酒を求めてグルメな人々が大勢やってくる。
 
 ジビエは限りなくオーガニックなので身体に害がなく、鹿は高たんぱく低カロリー。そしてイノシシや熊の脂には良質なコラーゲンがあるので、食べればお肌つるつる。だから女性にもお薦めなのだと上野さんも太鼓判を押す。
「日本人には季節のモノを楽しむというのが根底にあるので、お肉も魚の延長として『冬はジビエの季節だね』といった認識が広がっていって欲しいですね」
 
 季節もそうだが、飼育された動物と違って、野生の動物は食べ物が違う。その為、気候によってそれぞれ個体差が出るというのもジビエの興味深い所である。

 新しいジビエのガイドラインが整備され、より安全なジビエを提供しなければならない方向に向かってきているジビエ業界。食肉処理施設が少なくて現実的に自分たちで捕った肉を提供出来なくなった等の問題を抱えているが、変な肉を食べて、ジビエにマイナスイメージを持たれることが無くなるのは良い傾向だという。

 「全国各地で害獣が増えてしまっている現状で、狩猟免許を持っていない人に出来るのはジビエ料理を作ることか、食べることです」
 
そんな言葉に背中を押され、日本の野山を守るんだという大義名分のもと、美味しいジビエを食べに行ってみては如何だろうか。

HUNT vol.9

屋久鹿のロティは赤身の繊細な肉が柔らかく芳醇な旨みが口に広がり、思わず酒に手が伸びる 一品。スモークや生ハム等、他の料理もほとんど一から自分たちで調理しているそう。

address:東京都目黒区上目黒1-6-7/tel:03-3760-7620/営業時間:18:00-24:00/日曜定休
photo:Soichi Kageyama/text:Junpei Suzuki

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