2018.04.16

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

紳士達のガンクラブ、ROYAL HUNTING CLUB

ロイヤルハンティングクラブは、人々に狩猟の魅力を伝え、健全な狩猟文化の育成を目指す狩猟愛好団体。今回は、彼らの考える狩猟の在り方について伺った。

スポーツハンティング界を担う、紳士達のガンクラブ

ロイヤルハンティングクラブ(以下RHC)は、大日本猟友会会長である佐々木洋平さんの声掛けに端を発し2013年に発足。健全なスポーツハンティングを愛する20名が会員となっている。その活動としては、各々の腕を磨く射撃会に始まり、ジビエ料理教室、一般の方に向けた狩猟の認知拡大など多岐にわたる。その活動の中で、我々HUNTが気になったのは、毎年11月頃、北海道の標茶町に佇むマナーハウス「ヘーゼル・グラウス・マナー」に集って行われるエゾジカハンティング。そう、彼らが多くの日本の猟師達と逸しているは、英国流のロイヤルハンティングの精神に則っている点にある。

今回はRHC副会長の内海さん、事務局の溝淵さん、浜田さん、山田さんの四名に話を伺った。

―クラシックなジャケットや、フィールドコートを着て猟に出られるそうですが、そこにはどんな理由があるのでしょうか?

内海さん「まず、誤解がないように申し上げておきますが、別に私たちは英国かぶれでも、いい恰好しいでもありません。確かに英国のオヤジのような側面もありますが、それが主たるものではないんです。英国では規律と格式を持って狩猟に取り組んでいるので、それに敬意を払っているというのが正しいですね。我々は、猟をやるためにキチッと手間と時間、それとお金をかけるようにしています。生き物の命を頂くからというのも大前提としてあるのですが、猟場までの工程から猟場での会食、そして撤収まで、全ての人生の愉しみとしてやっていますから、ただサッと行って、ただ獲ってしまえば良いという考えとは違います。」

浜田さん「秋に北海道に集まるときは、英国式のマナーハウスに宿泊し、皆でゆっくりと食事や会話を楽しんで過ごします。そうしていると、やはり環境というのは人を変えるんでしょうか。猟に対しても、自ずと紳士的に向き合おうと思ってくるんです。これを強制するわけではないですが、こういう楽しみ方もあるのだと我々は提案したいのです。」

溝淵さん「猟に入る人の多くは、山に入るから汚れてもいいような服を着ています。それはとても合理的な選択で良いのですが、趣味として狩猟を嗜み、命を奪うのですから、獲物に対して敬意を払うべきだと感じます。猟は自分の情熱の矛先なのですから、それなりの格好をすべきだと、ごく個人的に、そう思います。」

英国のハンティングに倣っているというのは単に恰好だけではなく、野生動物とフェアな勝負をするというスポーツハンティングの精神自体にある。

心を律するハンティング

―日本において、スポーツハンティングという言葉は一般に馴染みが薄いと思うのですが、実際のスポーツハンティングとはどんなものなのでしょうか?

溝淵さん「鹿を獲るには、試行錯誤しながら鹿の性質や性格、癖を研究しないといけません。その駆け引きがあって初めて獲ることができるのです。獣が撃たれてかわいそうだという論争がありますが、私はそうは思いません。牛や豚、鶏などの家畜は元々数か月、数年後には命が無いと決まっています。そう考えると、野生鳥獣は生き延びるチャンスは絶対的にあります。注意していれば寿命まで生き延びられる道はあるはずなんです。私は所謂トロフィーハンターで、大きな角を持った雄鹿以外には弾を発射しません。角の大きな雄鹿は、長く生き延びているだけあって用心深い。そんな強敵と真剣勝負、これの駆け引きこそがスポーツハンティングたる所以なのです。」

内海さん「スポーツや男の子の遊びごとは狩猟か戦闘の模擬体験である場合が多く、格闘技はもちろん、球技の中にもそのようなものがあります。しかし、狩猟は疑似的なものではありません。私はこれまでスポーツを色々やってきましたが、その中でもハンティングが一番エキサイティング。獲る方と、獲られる方の戦いという実体験があるからでしょうか、そこには感動が待っているんです。」

浜田さん「30年以上狩猟をしていますが、獲物を手にすると未だに申し訳ない気持ちになります。それならば猟をしなければ良いのでは?とも思いますが、猟をすることで太古から続く人間の営みの原点を感じ取らざるを得ません。私はもっぱら鳥しか撃たないのですが、当たり所が悪くて半矢になってしまった時、胸を圧迫しなければなりません。そういった時、特に命の尊さを感じます。こういうのを感じられるのは、狩猟だけでしょう。我々が紳士的な態度で獲物と向き合う理由は、命に対する敬愛に他ならないんです。」

HUNT vol.11

英国のマナーハウスを模して造られた北海道の「へーゼルグラウスマナー」は、カヌーやフィッシング、乗馬等、アウトドア・アクティビティーも提供してくれるホテル。写真は、同ホテルのオーナーである内海副会長の提案によって始まった、毎年恒例のオリエンテーションの様子。『野生動物とフェアな勝負をし、時の利があれば恵みをいただき、夜には自然を想う』という、彼らが考えるプレミアムハンティングを体現するイベン トである。
2泊3日の間は、皆で食事を楽しんだり、エゾジカハンティングに行ったりと、優雅なひと時を過ごす。普段はそれぞれに活動している会員が一堂に会するこの時には、日本の狩猟界が抱える問題など、熱の入った意見交換が行われることも。RHCは、大日本猟友会の会長である佐々木洋平さんと参議院議員の尾立源幸さんが共同会長を務めるだけあり、ここでの意見は、日本の狩猟環境改善の肥やしになっているという。

photo:ROYAL HUNTING CLUB/text:Junpei Suzuki

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