2018.03.22

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

大自然と笑顔、豊かでアナログな日々「ロタ島の暮らし」

ロタ島のオジさん達の足は、大抵がピックアップ。こちらはフォードのF150。オジさんたちと仲良くなると、ヤシの実ジュースを飲ませてくれるかも!

スマホをいつも眺めている生活をそろそろリセットしたい!とお思いの皆様。植物と動物と自然の楽園、ロタ島を訪れてみてはいかがでしょう!のんびり、しかも刺激的でアナログなHUNT的生活に触れ合うことができます。

闘鶏こそが最高の娯楽! -牧場&闘鶏場のとある1日-

大事な子ブタはお供えに

この闘鶏場の中でも、一番貫禄があったオジさん。Tシャツの文字に注目。そう、ロタ島のあるマリアナ諸島こそがすべてだ。自然のあらゆるものがあふれている。

子ブタの皮むき作業現場。奥にかまどがあり、そこでお湯を沸かして熱湯をかけると子ブタの体毛がこそげやすくなる。あとはナイフで黙々と作業をするのみ。

ロタ島は北マリアナ諸島に位置し、サイパンから小型機で30分。ダイビングのメッカとして知られるロタ島。イメージでいえば、白い雲、青い空と海!……だが、HUNT的には、小ブタの解体現場からページがスタートする。なんでも村のお年寄りが亡くなったということで、明日はロタ島の中心ソンソン村で盛大なお葬式が行われる。島民全体が家族のようなロタでは知人が亡くなった際に家畜などを寄付するならわしが残っている。大事な小ブタを丸焼きにし、感謝してみんなでいただくことは、ロタ島では当たり前のことだ。
 
さて、ここはロタ島の中央部にある、シナパロ村の闘鶏場。軍鶏が相手に飛びかかり脚の爪で攻撃する習性を利用し、左足に小型のナイフを装着。生死をかけた勝負で観客は合法的にギャンブルを楽しむ。取材した日は平日のため闘鶏自体は行っていなかったが、毎週日曜に開催されるとのこと。ロタ島の住人も闘鶏用の軍鶏を育てていて、この戦いに参加することを趣味にしている人も多い。コンビニで軍鶏用の飼料も売っているほどメジャーである。
 
柵に囲まれた闘鶏場に一歩入ると、リフトアップされた4WD車が何台も止まっており、ラフな格好のオジさんたちが噛みタバコをクチャクチャやりながら笑っている。そんな中、先述した子ブタの作業は3人で担当。一人が熱湯をかけ、一人がナイフで毛を剃っていくのだが手慣れたもの。お湯がなくなると、もうひとりがお湯を汲みに行く。時間が経つにつれてどんどん子ブタの白い皮があらわれていくのだが、手際が良くて感心してしまう。見た目は子ブタなのだが、感覚としてはすでにウマそうなお肉なので不思議なものだ。
 
闘鶏用のオスは、それぞれ三角の屋根を持つ一軒家?に紐でつながれている。メスは高床式の集団アパート?のような巣に入れられているのだが、このニワトリ小屋がなかなか可愛らしい。この日は闘鶏が休みだったが、みなさんの中でもとくに貫禄のあるオジさんが自分の軍鶏が戦う様子を実演してくれた。ナイフこそつけていないが、二匹の軍鶏を近づけるとバサバサと相手に襲いかかる。この闘鶏での収益は一部を福祉に寄付するために開催されることもあるのだそうだ。
 
HUNT印のロタ島オススメスポットナンバー1は、じつはこの闘鶏場であった。

コンビニでは、上の写真のような軍鶏専用の飼料が販売されていた。高床式の鳥かごではメスの鶏を飼育している。なんとも牧歌的な雰囲気だ。

戦いを心待ちにしているかのような立派な軍鶏たちは、ご覧のように屋根のついた一戸建てが与えられる。好戦的なので距離を保たないとNG。

闘鶏場のスタッフが、近所の牧場にも連れてってくれた。豚のほかに、牛をたくさん放牧。ちなみに、扉ページの子ブタはこの子ブタではない(兄弟かもしれないが……)。

ロタの魅力にとりつかれて移住! -ブルーパームス、高久さんの笑顔に痺れる-

フレンドリーな雰囲気のブルーパームスは、海に面したくつろぎの場所。ハンモックでのんびりしたり、お茶をしたりお土産を買ったり。ロタ島のおすすめスポットも教えてくれる。

ロタブルーと呼ばれる紺碧の美しい海の色。海の透明度は冬で50〜70mと世界トップレベルで、この美しさに魅了されるダイバーたちも多い。神秘的な光が差し込むロタホールや沈没船の松運丸などなど、数多くのダイビングスポットは何度来ても飽きない魅力があるという。今回お世話になったロタ島のダイビングショップ、ブルーパームスの高久さんは、島の海に魅せられて移住。ロタ島の海や自然、人々の素晴らしさを訪れる方に伝えている。
 
美しい海と色とりどりの魚は、シュノーケリングでも楽しむことができるが、一緒にトライしたいのがトローリング。ルアーをつけたトローリングロッドからラインをのばし、鳥山をめがけ船を走らせればすぐにアタリが!ラインが長く引きもあるので、なかなか魚は上がってこないが、ご覧のようなシイラ(マヒマヒ)やカツオ、サワラが釣れる。詳しくは本誌付録の小冊子を見ていただきたいが、釣った魚は村のレストランでさばいてくれるため、旅行先で『とって食べる』を満喫することができる。ロタ島のネイティブをチャモロと呼ぶが、彼らの料理(チャモロ料理)にはケラゲンというレモン果汁を使った料理があり、暑いロタではビールのお供に最高!チキンもマヒマヒのお刺身も、岩で捕まえたカニも、ケラゲンにすると抜群。食材にレモン果汁と塩、ねぎ、唐辛子を混ぜるだけなので簡単だ。

トローリングといえばアメリカはペンの両軸リール。大型のソルトウォーターリールのあだ名をペンという人もいるほど。昔から変わらない無骨なデザインが魅力。

笑顔が素敵なブルーパームスの高久めぐみさん。2015年ダイブ&トラベル大賞の海外ダイビングサービス部門で3位を獲得するほど人気のダイバーだ。

シイラ(マヒマヒ)は別名で万力と呼ばれるほど力が強く、このサイズでも結構なヒキが楽しめる。大きくなると2mにもなるということ!編集部カゲはトローリング初体験で思わず笑顔。

ロタ中心部のソンソン村にあるBBQハウスというレストランで注文したのが、カニのケラゲン。岩場に生息するカニをぶつ切りにして塩とレモン、唐辛子とネギで和えたもの。

この日釣り上げたシイラ(マヒマヒ)2本とサワラ。マヒマヒは見た目のイメー ジより刺身でかなり美味しく食べられる。日本料理でもおなじみのサワラも刺身でよし焼いてよし。

ジャングルでシカ撃って、カニ採って! -名物警察署長さん親子とハントな1日-

ロタ島の警察&消防署長のビル︎さん。普段は冗談ばっかり言っているが島民の信頼はあつい。彼によるとヤシガニはビールが好きで、ココナッツの代わりにビールの缶でもつかまえられるとか。

そして、ロタ島で夜な夜な行われているのが、ココナッツクラブハンティング。用意するのはよく熟れたココナッツ。この中央にナタで切り込みを入れ、ジャングルに仕掛けておくとあら不思議!次の夜に見てみると、大きなヤシガニがココナッツにしがみついて、切り込みからココナッツをチューチュー吸っているではあーりませんか!しかしこれ、かなりデカイ。足を含めて大人用の野球グローブくらいの大きさ。しかも色がエヴァ初号機のようでイカつく、ハサミもかなり巨大で一瞬たじろいでしまう。これをムンズと掴むのにはかなり勇気が必要だが、島民はさっさと背中をつかみ、あらかじめ用意しておいたゴムでハサミごとぐるぐる巻きに固定する。雑食性のココナッツクラブはそのまま食べると臭みがあるので、何日か水槽でココナッツだけを食べさせるのが美味しく食べるコツなのだそうだ。
 
そのほか、ジャングルには鹿も多く生息するので、鹿狩りも盛ん。ほとんど道もない藪をトラックで進み、小高い丘へ。茂みに身を隠して獲物が来るのを待つのである。『とって食べる』のが当たり前のロタの暮らし。動物性たんばく質も自分でなんとかするのが基本である。

ビルさんの息子が、ヤシガニ用の罠を製作中。ココナッツの実に切り込みを入れるだけだが、皮が固いので結構な力が必要だ。これをジャングルにしかけて一晩待てば……。

エヴァ初号機のようなオスのココナッツクラブ。ビルさんの小話の続き。缶ビ ールを飲んで酔っ払ったヤシガニは、頭に缶ビールの缶をはめてジャングル中をあっちこっちフラフラしているとか。

藪をこいで、小高い丘に近づいて鹿を待つ。15分おきに鹿をマネた指笛でおびきよせる。ビル︎さんは迷彩の蚊帳でガード。とにかくここ、蚊がものすごい!もしジャングルに夕方から夜にかけて行く場合は虫除けが必須。

シカを獲ったら、シカ肉パーティ -アーティスト、ケビン・アタリグさん家で飲めや歌え-

北マリアナで超有名なシンガーであるケビンさんがハントした巨大な鹿。狩猟シーズンは9〜11月で、子供とメスは狩猟禁止。

ロタ島のジャングルにいる野生の鹿は、味も絶品!「今夜、家で鹿肉パーティをするから、よかったらおいでよ!」というのは、ロタ島のミュージシャン、ケビン・アタリグさん。マリアナの自然やカルチャー、伝統を軽快なテンポで歌い大ヒットしたチャモロミュージック(YouTubeでChamorro Music-Kevin Atalig-DUIをチェック)は彼の作品である。ケビンさんは、歌もうまいが、釣りと狩りの名人。そして奥さんのサンドラさんはマリアナ政府観光局で日々ロタの魅力を発信しつづけており、チャモロ料理の達人だ。
 
親戚や友人を招いてのホームパーティは、鹿肉のスープに、鹿頭の煮込み、鹿の生レバーのケラゲンなどなど、狩りで獲った獲物でしか味わえない料理がズラリと並び、どれも絶品。家の前にテントと机を並べ、子供達がはしゃぎ、オジさんが歌い女の人が笑う。そして、誰かがギターを持って常に歌っている。どこか懐かしく人間的で素朴なスタイル。そんな素晴らしい夜であった。

鹿の煮込みを作っているサンドラさん。家の外にちょっとしたポー チを作り、シンクとコンロを設置した素敵なキッチン。

完成した鹿のスープ。ジャガイモのようなサトイモのような芋と鹿肉をシンプルに塩こしょうで煮込んだ絶品料理。

鹿頭のスパイシー煮込み。これ、真ん中を切って脳みそをスプーンでいただきました。 癖がなくトロッとして美味。

ケビンさんのご自宅には今までハントした鹿たちの角がズラリ。狩猟と釣りの腕前は息子さんにも受け継がれている。

鹿の生レバーのケラゲン。こちらもなかなか貴重な部分で、レモンと唐辛子がアクセントでクセになる味わい。滋養強壮に効く!

ケビンさんの息子さんが捕まえた鹿の頭が庭の木に。このまま放っておくと虫が食べて白骨化するということだ。

ケビンさん&サンドラさんのご自宅。マイボートで釣りにでかけ、裏庭では鶏を育てるほか、水耕栽培で野菜も作っている。

なんでも治すチャモロメディスン -エリザベスおばちゃん直伝、野草で薬を作りましょう-

ノニの花やザクロの葉を使ったチャモロメディスン。これらを煎じると赤ちゃんの歯が生えてくるときにムズムズするのを沈静化する働きがあるらしい。

次の日は、サンドラさんのお姉さんの家へ。彼女はチャモロメディスンという、自然の草花を使った伝統的な民間療法の達人なのである。ロタ島にはノニなど薬効の高い植物が自生しているが、そうしたメディカルハーブは、彼女の組み合わせ次第でさまざまな薬に変身する。さっそく気管支に効くというハーブティーをご馳走になったが、とくに苦いということもなくとても飲みやすい。また、彼女の旦那さんが同行したスタッフの足を見るなり「その傷はどうしたんだ?」と座るように指示。足に手を当てて目をつむり、時折息を吹きかけるという事態に!なんでも彼はおじいさんの代からのヒーラーで、傷に霊的なものを感じたのだそうだ。診断結果はとくになんでもなかったのだが、霊的なパワーや自然の力を取り入れての生活にもロタの伝統が根付いているのである。

HUNT vol.11

シブカオという木の幹とヌヌという木の根、そしてオレガノの葉を沸騰したお湯に入れて煎じたものをコップに注ぎ、ココナッツビネガーを入れると肺炎や咳に効くハーブティーの完成。

この緑色の液体の中にいる褐色の物体はムカデ。日本でもごま油にムカデを入れた火傷用の薬があるが、ここロタ島では咬傷の解毒剤に使用する。

ハイビスカスのつぼみは、細かくして湿布にすると打ち身に効くのだそうだ。ロタにはさまざまなメディカルハーブが自生して、まさに医者いらず。

ロタ島の家々には、よくこうしたチャモロテリア(勝手に命名)が放し飼いにされている。ミックス犬なのだが、なんとも申し訳なさそうで可愛らしい。

ロタ島のクルマシリーズ、その2。このボロボロ加減がいい味を出しているトヨタタコマの4WD。とりあえずファットタイヤにするのがお約束。

取材協力:マリアナ政府観光局 
http://japan.mymarianas.com/rota

text&photo:Soichi Kageyama

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