アメリカに数十台しか無く、やっとの想いで手にしたフェラーリ400i。 「インテリアは奇抜いレッドカラーだけど、外観がフェラーリっぽく無いのが良いだろ!」とダスティン。
「子供の時に祖父からもらった古いカメラが、ヴィンテージを好きになったキッカケですね。ボタン式よりダイヤル式の方が好きなんですよ」
と一昔前の刑事映画にでも出てきそうな雰囲気を醸し出しているダスティン。
30代の彼はLAの南にある街、コスタメサで「The Used Camera Store」というショップを親子で営んでいる。名前の通り、一見極普通の中古カメラ屋なのだが、中に入れば店内の半分には中古カメラ、もう半分には自転車が並ぶ。どこか共通性があり、男の心を無性にくすぐらせる2つのカテゴリーだが、なぜカメラ屋で自転車? と一瞬ためらってしまう。
もともと趣味でトラックバイクを買い始めたというダスティン。数台のつもりが、気づけば数えきれない程になり、仕方なく店頭に並べていたら、いろいろなヒトから売って欲しいと頼まれたことから自転車ビジネスもスタートしたということだ。
壁やショーケースに並んだカメラもちろんだが、所狭しと並べられたバイクなどはすべてがヴィンテージものばかり。YAMAGUCHI、PINARELLOのほか1930年代のヴィンテージバイクや見慣れない自転車が並んでいる。
「最近では要らなくなったバイクを引き取ってくれ! なんて人も大勢来るので、店の倉庫と家のガレージはジャンクパーツがいっぱいなんです。何でも集めちゃう癖があるので」
とダスティン。小さい頃から、とにかく古いものを集めるのが好きで、ヴィンテージのラジオ、時計やカメラ、洋服に自転車、そして、クルマもヴィンテージを乗り継いだという。
シートチューブやトップチュープの流線型が美しい、80年代のPINARELLO製ファニーバイク。クランクセットやシートポストなどはCampagnolo。ホイールもこだわりのhed3とリアはmavicのカーボンディスク。
16歳の時に初めて買ったクルマはフィアットX1/9。高校生になると49年式のキャデラックで登校、その後は54年式シェビー、53年式Tバード、そして81年式デロリアンなども所有。最近、アメリカではレアなフェラーリ400iを購入した。
街で走っているのを見かけた時から欲しかったクルマだということで、やっと探して購入したということだ。
「何でもその物のヒストリーを勉強して、知る事が好きなんです。そうすればもっとモノに対しての親近感が生まれるし、集める楽しさが倍増する。ヴィンテージのモノってパーツやメンテなどが大変な事は分かっているんですが、テイクケアーが面倒くさいからこそ、そのモノに愛着が湧くんですよね」
と、何とも今の若い世代に聞かせたいコメントを語ってくれた。
ちなみに、フェラーリのカーステレオはCDやMP3対応のデッキではなく、カセットテープ仕様。交換せずにそのままキープして乗るのもダスティンのこだわりだ。
高級カメラじゃなくても、愛嬌のある形をしたヴィンテージカメラ。機能なんてたいした事無いが、一つ一つのパーツがARTしている。ダスティンがダイヤル好きになるのも分かる気がする。
30代とは思えない風格。ヴィンテージのスーツを着て、このフェラーリに乗っていたら、映画の撮影か? と思ってしまう程ハマりすぎ。
普段着もヴィンテージを選ぶが、サイクルウェアーだってもちろん年代物をコレクション。着て自転車に乗る事はないらしいが、飾っておくだけでもキュートなデザイン。
外壁に掲げられた大きな"THE USED CAMERA STORE"と描かれた看板が目印。しかし一歩お店に入ると自転車がいっぱい。ダスティンのコレクションであふれている。
自宅はまるで博物館。誰が見に来る訳でもないが、ずらりと並んだヴィンテージカメラ達。価値というよりも、集める楽しみ、そしてデザイン鑑賞の楽しみ。自己満足の世界に浸れる空間。
最近はガレージセールやフリーマーケットでカセットテープ、それもクルマと同じ年代に流行ったヤツを物色中。
「服もクルマも音楽も同じ年代にマッチさせて生活してみると、その頃の時代にタイムスリップしたみたいで面白い、でもこだわりすぎると疲れちゃうからほどほどにやってますね。学生時代はまわりから変わってるヤツだって笑われてましたけど、自分の好きなモノに対してのフォカースはぶれてなかった。それは今でも同じなんですよね」
これまでにいろいろなジャンルのモノにお金を投資してきたからこそ、今のビジネスも成り立っているというダスティン。それぞれのアイテムにどんなヒストリーがあり、誰がデザインしたのか? など、一般の人よりも何倍も商品の事ついて把握し、説明できるようにしているとも語っていた。
Text:Yas Tsuchiya
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