LIFE STYLE

2020.12.23

年末は自宅でシュリンプ!  癒しの「小型シュリンプ」写真で分かる飼育水槽の立ち上げ方!【アクアスタイル】

シュリンプを飼育する上で必要となるものは、基本的に熱帯魚飼育に必要なものと大きく差はない。

ただし他のアクアリウムジャンルに比べて、「ワンランク上の装置」のアドバンテージはあまり必要としない、もしくは直接的に効果がないとされるのがシュリンプ飼育の不思議なところであり、かつトータルバランスの重要性を物語っている。

つまり、日々の管理を含めてじっくりと水槽環境を作り上げて安定させることが成功のポイントとなるのだ。

今回はシュリンプ飼育の経験がないことを躊躇せず、どうせならブリーダーを目指すくらいの気持ちで一歩を踏み出していただくために、長期的なビジョンで参考にしていただけるようなポイントをお伝えしてみたい。


水槽目線のシュリンプ飼育


シュリンプ自体は非常に小型のため、飼育することだけを考えれば水槽サイズも15㎝角の水槽からボトルアクアリウムまで対応させることが可能である。

ただし水槽が小型になるほど、日々与えるエサの量や水質のコントロールがシビアとなり、こまめな手入れを要求されることになるだろう。

たとえば、蒸発ひとつとっても超小型水槽ではかなりのスピードで蒸発による水位の低下、水量の低下に繋がる。

その時、蒸発によって水量が単に減少することだけを考える方がほとんどかなと思うが、重要な問題は蒸発により水槽内の濃度が上昇することを理解していただきたい。

つまり同じ汚れであっても水量が減ることにより、汚れの濃度が増加することが注意点となる。

水換えによる水質の安定も含め、やはり超小型水槽での管理は特有のテクニックが必要となるだろう。

ここでオススメしたいのが30㎝キューブ水槽(水量約25ℓ)、と60㎝レギュラー水槽(水量約50ℓ)である。

オススメは30cmのキューブ水槽

30㎝キューブ水槽は、とくに飼育する匹数が10匹以下から始める場合に推奨したい。

理由の一つに、シュリンプ飼育・繁殖のポイントとして、水量あたりの収容匹数がある。

熱帯魚の飼育経験者からすると、水量は多くあったに越したことはないと考えるのが常であるが、シュリンプ飼育では、たとえばエサを食べている時間以外にも底床をかき混ぜ、残餌や藻類、付着生物などの間接的な捕食を絶えず行っている。


さらに、餌は食べつくされてなくなっているように見えても養分は残留している場合がほとんどであり、固形フードが形をなくした後でもエビたちの間接的な摂取は随時行われているのがポイントだ。

それら一連の動作の中でバクテリアや微生物、藻類を含めた食物連鎖が成り立ち、エビを頂点とする環境の連鎖が噛み合うと、いわゆる爆殖モードにまでなるケースもある。

複数を同じにセッティングした水槽であっても、見事に結果が違うのは上記のことが大きく関連しているからといえよう。

つまり、床面積に対してのシュリンプの数が妥当であるほうが、エビに適した水質環境が構築されるいという特有の考え方になる。

また、60㎝水槽では比較的複数、10匹以上の数から収容することが多いレッドビーシュリンプの飼育ケースにオススメである。

レッドビーシュリンプ飼育では豊かな光量を基盤にした水草育成スタイルで飼育・繁殖を狙う場合が多く、たくさんの水草飼育関連機材がリリースされる60㎝水槽は周辺機材の面でもアドバンテージがあるといえるのだ。

フィルター目線のシュリンプ飼育

水槽サイズや飼育スタイルによってもフィルターの選択は変わってくるが、現在シュリンプ飼育・繁殖でオススメできるのがメインフィルターとサブフィルターを併用したシステムだ。

互いのメリットとデメリットを補うことが最大の利点かつ、作用すべきポイントが分かれているからだ。

まず、メインフィルターとして選考されるのが外部式フィルターおよび底面式フィルターの2種類である。

外部式フィルターは、ろ過材と呼ばれるフィルター内に投入するバクテリアの住処を使って効率よく汚れを分解する効果が期待できる。


また、底面式フィルターはシュリンプの場合、各種ソイル製品を敷いて使用されるケースがほとんどで、ソイルが持つイオンの吸着効果を利用して汚れの吸収や水質の安定に結び付ける考え方のフィルターである。

このことからまず、水質コントロールの上で影響力の高い外部式フィルターか底面式フィルターかのどちらをメインとするかがポイントとなる(外部式フィルターと底面式フィルターのコンビ使用が不可能という意味ではない)。


そして、サブフィルター的な存在としてよく取り入れられるのがスポンジフィルターと投げ込み式フィルターであるが、底床で利用されるソイルの特徴や使用するソイルの分厚さでスポンジフィルターか投げ込み式フィルターかを選択する場合が多い。

底床としてソイルを比較的厚く敷いて飼育する場合は、吸盤タイプのスポンジフィルターを選択、ソイルを少量しか使用せずに薄く敷いて飼育する場合は、投げ込み式フィルターを使用するケースが多くなってきていると考える。


もちろん各種フィルターを1つだけ使用して飼育することも十分可能であり、多数のろ過器を導入することによるアドバンテージよりも、1種類のフィルターだけのほうが意外と繁殖に成功するケースもある。

ここで代表的なフィルターとその特徴をまとめておこう。


外部式フィルター



水槽内の空間面積を広く残しながら、容量の多いフィルター部によって水質浄化のアドバンテージは髄一。

フィルター内に投入するろ過材の特性で水質バランスをコントロールしたり、ろ過材の形状を変化させることによってバクテリアの付着面積とメンテナンス性を考慮することが可能。

水草を飼育する場合にも光合成に必要とされるCO2の放出を最小限にすることができるため、水草と一緒にシュリンプを飼育する場合には特に重宝される。

フィルター能力が高いとはいえ、フィルターのサポート力を過信すると一気にバランスを崩すこともあるため油断は禁物。

定期的なメンテナンスを心掛けたい。

また、給水口はストレーナーになっているため、数社から発売されている吸い込み口に取り付けるタイプの目の細かいスポンジを併用して稚エビやパウダーフードなどのフィルター内混入を避けるようにする。


底面式フィルター


スノコ状になった基部の上に底砂を敷いて、エアーリフトによる揚水力を利用し、流動循環で起こる物理ろ過を行うのが底面式フィルター。

それをシュリンプ飼育の場合には砂利ではなくソイルを使用し、ソイルの吸着能力や栄養素を効率的に効能させるスタイルでシュリンプを飼育・繁殖させる。


ソイルにはろ過の意味として不純物の吸着効果があるのと、水草の育成や微生物の繁殖を助長する栄養素の供給という2つの相違する目的があり、底面式フィルターでそれらの効果を発揮させる場合、製品によるそれぞれの効果が顕著にあらわれるかわりに、増減するソイルバランスをイメージしたい。


素早くソイルがもつ効果が発揮できるため、ビギナーにもベテランにも手早く環境を組み上げることができ、現在最も出番の多いフィルターといえるだろう。

水槽が複数にのぼるブリーダーの場合にもコンセントの数やコスト面で有利となるからだろう。

ただし、底面式フィルターはどうしてもその構造上、長期間使用している場合にソイルの粒子崩れや水草の根張りの影響でリセットを余儀なくされる場合が多い。

調子がよい水槽ほど泥化してリセットを迫られるケースがあるので、シュリンプの調子や経過時間を対比してリセット期間を判断したい。


スポンジフィルター



小型水槽でのメインフィルターとして、また中型水槽から大型水槽までのサブフィルターとして活躍することが多いスポンジフィルター。

基本的にメンテナンスが楽で、直接的な影響がないフィルターであるため、日々変化する環境の中でゆっくりろ過能力を固めるフィルターと考えてよいだろう。


構造のシンプルさと素材の質素感から効果を疑いたくなるが、きっちりとバクテリアが付着したスポンジフィルターは即席の外部フィルターや底面フィルターよりもベテランブリーダーに重宝されている。

ろ過材やソイルの直接的影響を受けずにあくまでも飼育水をもとに組み立てられるサスペンダー的フィルターである。

メンテナンス時はスポンジを飼育水でもみ洗いするのだが、想像以上の汚れと同時に微生物の付着を実感することになろうだろう。

簡単にエアーリフトで使用できるので後付けでも気軽にアップデート可能である。


外掛け式フィルター



外掛け式フィルターを幹としたシステムで、小型水槽で手軽に使用できるために開発された、ほかのフィルターの歴史に比べれば比較的新しい部類に入るフィルターである。

30㎝までの水槽では小型の外部式フィルターを使用した場合、配線の取り回しや水の引き込みに苦労するケースも少なくないため、小型水槽で外部式フィルターを使用するケースは稀だ。

しかし、外掛け式フィルターは外部式フィルターと上部式フィルターをドッキングさせて小型化したようなスタイルであるため、シュリンプ飼育においてもうまく使えば能力を発揮することができる。

メンテナンス性に優れるため、付属のカートリッジに工夫を凝らしたり、オリジナルでろ過材を変更すればまさにお手軽外部式フィルターになれるといえるだろう。


落下口からの戻り水が多少ソイルを散らしてしまう場合もあるが、流量調整機能の付いたモデルであればソイルを舞わせない、シュリンプに適した水流で使用することができるだろう。

循環ポンプでくみ上げる仕組みとなっており、こちらもやはり吸い込み口には別途、目の細かいスポンジでシュリンプ用に変更することが望ましい。

活性炭を使用した純正フィルターは立ち上げ初期にスムーズなろ過に結び付けてくれるため、栄養系のソイルとのコンビやアクアリウム経験のない方が初めてシュリンプを飼育される場合にも簡単に立ち上げることができるため、チェリーシュリンプ飼育にも気軽に使用していただきたい。逆に大型水槽に対応するモデルが皆無に等しいため、割り切って使用するのがよい。


投げ込み式フィルター



最近脚光を浴びるようになったのがこの投げ込み式フィルターである。理由はソイルの使用方法の変化により必要性が上がったことが挙げられる。

現在のブリーディングスタイルは大きく2つに分かれていて、一つが水草を繁茂させ、ソイルと水草のバランスを組み立てて水質の安定を図る飼育方法。

当然水草が茂るためのソイル量が必要で、活着水草のみで飼育する場合以外には底砂を分厚く敷く必要がある。この際は外部式フィルターか底面式フィルターが取り入れられている場合が多く、フィルター能力と水換えのサポートで水質をクリーンに保つことがポイントとなっている。

もう一つがソイルの量を極力抑え、いい意味でソイルの効果を最小限に抑えて環境を整えて飼育・繁殖させる方法。

この場合、極少量のソイルが舞い上がらないために水流の強いポンプ式のフィルターは使用することが難しくなる。底面フィルターも使用できないため、おのずとそれ以外の方法が必要となるのである。

ソイルの表面はシュリンプたちが絶えずかき回しているが、飼育水も適度に流動しなければ効率のよいろ過ができないため、投げ込み式フィルターが有利になるのである。

投げ込み式フィルターはその構造上、本体底面付近のスリットから飼育水を吸い込み、上部からエアーと共に排出するため、床部の流動性に欠けるこの飼育スタイルにうってつけになるのだ。

ソイルが薄く敷かれるだけのこの飼育方法では、与える餌も砕かれたり、溶けたりしてソイルの奥深くに侵入することも避けられて、糞や残餌も効率よくフィルターへと集めることができるのだ。

ただし、飼育の基本を理解していなければ、過度の給餌や水換えの影響をダイレクトに受けて失敗に直結することも懸念される。

レイアウト水槽とは違う、競技的な繁殖水槽と考えてもいいだろう。

ただし、砂利とウールから成り立つフィルター内部の容積はかなり小さいのでこまめなメンテナンスを行うか給餌量の見極めを必要とするだろう。

また、ソイルがシュリンプに粉砕されて泥化した粒子も保持されやすいのでスポンジタイプも有力な候補となっている。

別の視点から見れば、投げ込み式フィルターは小型水槽のサブフィルターとしても十分良い効果を発揮することが、このことから理解できるのでうまく取り入れてみるのもよい。


照明目線のシュリンプ飼育


真っ暗な水槽を眺めても意味がない。照明は観賞面からしても必要である。水草を育成するにも欠かせないし、とくにレッドビーシュリンプは光に対して美しく発色する個体、選別する時にも長い時間がかけられてきた部分があるほどだ。

美しいレッドビーシュリンプは照明の質によってもその映り方が一変するほどである。

今回は、いままであまり照明のことが語られることがなかったと思うので、少し踏み込んで考えてみよう。

まずはシュリンプの飼育・繁殖において、水とソイルの関係は最も注目されるファクターであるが、次にろ過=バクテリアの働きに準じて話は移り変わる。


さらに水質=物理ろ過と生物ろ過の観点から様々な視点でシュリンプ飼育について考えることができるわけだ。

また、水質に対しては具体的にテスターによって一部が認識できることもあり、シュリンプファンの中には数値マニアになりすぎてしまう傾向も見受けられる。

話を照明に戻した場合、どういった視点でシュリンプ飼育のテクニックに結び付けられるのだろうか。

ずばりポイントは「照明時間と照度が環境に対する影響」である。


小型シュリンプ飼育水槽を立ち上げよう!


1.水槽を水洗いして設置する場所に置き、底面フィルターをセットします。

2.吸着系のソイルを厚めに注ぎ入れ、表面が平らになるように整えて。

3.水を入れます。底砂が舞わないように、ビニールを下に敷いてから、ゆっくり水を注ぐとよいでしょう。

4.ブセファランドラを活着させている流木を配置。置くだけで自然感が得られ、移動もできて管理が楽。

5.水を回し、バクテリア製剤を投入。約1週間後にエビを入れます。水合わせは点滴方式で、時間をかけて。

6.水合わせが終わったら、ゆっくりとエビを水槽のなかに移します。

Finish!

初心者は丈夫で飼いやすいチェリーシュリンプがおすすめ。カラフルなエビはとてもキュート。繁殖を目標に飼育しはじめるとよいですね!

 協力:ローキーズ・インターリクス

AQUA style vol.7

文:長谷川雅 / 協力:ローキーズ・インターリク

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