MOBILITY

2020.12.21

高級住宅街の「ヴィンテージ モトクロス 」ミュージアムに潜入! 【ヴィンテージライフU.S.A.】

週末ともなればモトクロスバイクを荷台に積んで、フリーウェイをデザート方向に進むフルサイズのピックアップに出くわすロサンゼルス。


プロからアマチュアそして子供まで、アメリカでモトクロスはとにかく人気のモータースポーツだ。

決して安い趣味ではないが、日本などにくらべて走れる場所が近くに多数存在する事も、人気理由の一つ。

テニスやゴルフなどのスポーツ同様、長年アメリカ人の趣味として親しまれてきたモトクロスは、マシンやライダーの奥深い歴史がある。


ディズニーランドにもほど近いカリフォルニア州オレンジカウンティーにある街VILLA PARK。

丘の上に立てられた大きな家が建ち並ぶ高級住宅街にモトクロスのミュージアム「The Early Years Of Motocross Museum」が存在する

【写真13枚】圧巻のヴィンテージ・モトクロスコレクション

「モトクロスだけを集めた希少な空間」

ざっと見ただけでも相当な数のコレクションだとわかる。これだけ凄ければ日々訪れる人が多いのでは?

そう思いきや、何と一般にはイベントの時しか公開していない。あくまでも自宅敷地内に制作された個人のミュージアムなのである。

敷地の面積は4エーカー(約4,900坪)、ゴルフカートで移動しているほど広大な庭に2006年、2階建てのミュージアムを建設した。

オーナーのトムは元々プロライダーで60、70年代にはケニーロバーツともスピードを競った。

現在でも自転車やサーフィン、もちろんモトクロスも乗るアクティブ派のジェントルマンだ。

1986年頃、砂漠のレース場で見かけたヴィンテージのGreevesがトムに衝撃を与えた一台。

いろいろ探した末65年製Greeves250を発見し当時8歳になる息子ブラッドに「お父さん! このバイクを買って自分たちでレストアしようよ!」と促され、購入を決める。

これがヴィンテージモトクロスとの初めての出会いだった。その後も数台購入しレストアを楽しみ、バイクライフを息子とともに謳歌していたが、不運にも息子がミニバイクで事故に合ってしまい、脳に障害をおってしまう。

そんな苦難も乗り越え生活して来たトム。長年バイク関連の仕事に携わって来たが2000年に会社を売却、彼の情熱はヴィンテージモトクロスバイクのコレクションに動き始める。

これだけの数のモトクロスコレクションを集めるのは至難の業だが、アメリカのみならず世界中にネットワークを張り、日々新しい情報がトムに入る様になっている。

特に収集で一番苦労するのはバイクの状態だ。ダートを激しく走るため痛んでいることが多く、5人のレストアをしてくれる知人に頼んで、グッドコンディションにしてからコレクションすることにしている。

増え続けるミュージアムのコレクション

 2階建で開放感のある吹き抜けのミュージアムにはオフィス、作業場、ベッドルームまで設置されており、所狭しとバイクが並ぶ。

1台1台に細かい説明書きがあり、壁には無数のモトクロスに関する古い写真が飾られ、かすかに流れるカントリーミュージックが印象的だった。アメリカの片田舎にあるミュージアムよりも本格的で、そこが自宅の一角だなんて事は一切忘れてしまう。

とにかくどのバイクもレアものばかりで、ざっと紹介するだけでも19台のHusqvarna、11台のヤマハ、6台のBSA、7台のBultaco。ハーレーが制作した最初のMX、Honda、Suzuki、Kawasaki、Ducati、CZ、AJS、Maico、Norton、Monark、Montesaなどなど世界中のモトクロスバイク130台以上がピカピカの状態で保存されている。

トムのコレクションの約8割がレストアされたバイクだが、エンブレムのステッカーやタイヤ等、当時のスペックをとことん忠実に再現している。

中にはAMAなどのあらゆるレースで優勝したマシーンも含まれており普通では中々お目にかかれないバイクが目の当たりにできる。

バイクだけにはとどまらず、ヘルメットやポスター、ジャージ、カタログ、雑誌etc…モトクロスに関するヴィンテージグッズも共に展示されており、バイクに興味が無くても60〜70年代のグッズを見ているだけでも楽しくなってしまう空間だ。

一般公開されていないが、年に数回イベントを行うので(サイトで告知)、ゲストとして選ばれたラッキなーモトクロスファンはこれらのコレクションを見る事が可能だ。

 コレクションは現在進行形で増え続けていて、今のミュージアムの2倍も大きな建物を向かいの敷地に建設中。

モトクロスレースのアナウンサーをしたり、雑誌で自らのヴィンテージバイクを紹介するなど、毎日大忙しのトムには現役レーサー時代の時と同様"リタイア"という文字は存在しない。

詳しい説明は全340ページのスペシャルムック「VINTAGE LIFE U.S.A.」にて。



VINTAGE LIFE U.S.A.

photo&text:yas tsuchiya

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