LIFE STYLE

2020.06.03

ロータスエランとMG、ベスパ、モンキーなどがズラリと並ぶ、リノベーションガレージ。

4 台乗り継いだというオースティン・セブンを筆頭に、35 台を乗り継いだという村山さんの愛車遍歴。現在ガレージには'65ロータス・エランと'32MG-J2が並ぶ。

長くヒストリックカー趣味を楽しむ村山さん。そのパートナーである愛車たちが休息するガレージは、長年に渡り自身の憩いの場所でもあった。’65ロータス・エランと’32 MG-J2 、ペスパ・APEやホンダ・モンキーなどがずらりと収まる夢のリノベーション・ガレージを取材させていただいた。

オーナーはヒストリックカーファンならご存知の趣味人

毎年2 回、大磯ロングビーチ駐車場にて行われる“SHCC 大磯ミーティング”。ヒストリックカーファンならずとも、自動車趣味人ならば春と秋に行われるヒストリックカーの大運動会は周知の人気イベントである。現在では日本中から100 台以上のエントラントが集まる一大イベントとなっている。今回のガレージの主である村山 東さんは、大磯ミーティングを主催する湘南ヒストリックカークラブを副会長として約25年間支え続けてきた生粋の趣味人である。
 
現在では、そうした経歴から、小海、京都、東京、姫路といった各地で行われるヒストリックカーでの、ラリーイベントであるコッパディ・ジャポネシリーズやアルペンクラシックカーラリー、所属するベテランカークラブの主催するイベント、“ラフェスタ・ミッレミリア”の運営サポートとしても活躍、多忙な週末を過ごしている。そうしたイベント会場で人目に触れる機会も多いので、ああ、あの村山さんね、と顔を思い浮かべる読者諸兄も多いのではないだろうか。


母屋の新築とともにガレージ中心でリノベーション

入り口に立ちガレージを見渡すと、趣味の原点であるモーガンをはじめて入れた時の嬉しかった記憶が鮮明に蘇るという。これからも愛車達との思い出を重ねていくのだろう。

 
青春時代からヒストリックカーを愛でていた村山さんであるが、たまたま家業で使っていた倉庫が空いており、愛車の保管場所となっていた。オイル交換や軽整備などの自分で行えるスペースは十分に確保された倉庫は、村山さんの愛車たちの休息の場であり、仲間たちが集う憩いの場所であった。そうした現状に特に不満もなく過ごしていた村山さんに転機が訪れたのは2014 年の事。現在ガレージと並んで立っている場所には、もともとは従業員用の社宅アパートが建っていたのだが、母屋の新築を含めた大規模なガレージのリノベーションとなったのである。
 
その計画が決まった時、まずはガレージから考えたというのが、いかにも村山さんらしいのだが、ヒストリックカー趣味を通じて友人となった故佐々木茂良氏に相談したという。佐々木氏といえば、デザインアトリエ“ぬくもり工房”を主宰し、本誌でも自身の工房や作例ガレージを過去に何度も紹介したお馴染みの建築家なので、みなさんも記憶されていると思うが、村山さんとは、かつての愛車であったオースティン・セブン・ニッピーを佐々木さんが受け継ぐなど、素朴な英国車を楽しむ友人でもあったのである。
 
そうした共通の趣向の二人であるから、ガレージの計画も話は早かった。倉庫の基礎のコンクリートや、骨格である軽量鉄骨も一度撤去して完全に一から新設計するといった方法もあったが、それぞれがまだ十分に耐用できる状態であるのと、何より共通しての思いである“歴史を活かした再生”が可能であることから、新築ではなくリノベーションという方法となったのである。


約30年ものクルマ遍歴や仲間との思い出が詰め込まれた

今回新たに建築した母屋一階部分のガレージにはイベントサポートで大活躍するというベンツV クラスと、地元のバイク屋さんから購入したというベスパの3輪車APEが並ぶ。

 
そして完成した佐々木氏のスケッチに村山さんの思い描いたイメージともッピッタリ合致し、細部の調整となる予定だったのだが、佐々木氏を襲う病魔が見つかったのである。治療に専念する為、このプロジェクトから離れた佐々木氏の代わりに、同時進行で母屋の建築を担当していた、村山さんの高校の同級生でありHOUSE ゼロ代表、一級建築士 大浦敏行氏が作業を引き継いでくれた。
 
佐々木氏の描いた英国調の雰囲気のまま、クルマの出入りを考え、それまで一間だった開口部を二間へと広げたのに伴う開口部を補強しイメージ通りのガレージが完成。
 
今までは収蔵したままになっていたヴィンテージアイテムや書籍など、ディスプレイとして見せるだけでなく、作り付けの棚は使い勝手も良い。そしてなにより一歩足を踏み入れば、約30 年の趣味生活を共にした愛車たち、そしてたくさんの仲間との思い出の詰まったあの頃へと一瞬にして戻れる素敵なガレージが完成したのである。

ガレージライフvol.73では、このガレージのさらなる詳細をレポートしている。

協力/ HOUSE ゼロ
www.house-zero.net/

A&G 株式会社
www.a-and-g.jp/

写真、文:奥村純一

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