MOBILITY

2020.06.16

小排気量・超小型の『バブルカー』を愛でる 2+2には独創的な室内空間が!

フルダモービル S6 1956  1/18レジン製ミニカー◎

1950年代以降、簡便で安価な軽自動車が日本のモータリゼーション発展に大きな役割を果たしたのと同様に、ドイツにも小排気量・超小型の『バブルカー』というクルマがあった。バブルカーという名の由来は、小さな車体に載った丸く大きなキャビンを『バブル=泡』と捉えたことによる。


1956年製 Fuldamobil S6を1/18レジン製ミニカーで鑑賞


 バブルカーの製造は、敗戦国ドイツの航空機メーカーを業種転換させる意味合いもあったため、メッサーシュミットやハインケルなどのメーカーが、飛行機屋らしい独創的なアイデアで様々なバブルカーを生み出していた。その多くが最先端技術だったモノコックボディを持ち、丈夫で軽量コンパクトな空冷単気筒2ストロークエンジンを搭載していた。
 
フルダモビルもバブルカーメーカーのひとつで、まず1951年から1952年にかけて、木製フレームにアルミ製の極めて簡素なボディワークを持つ初期モデルを400台ほど製造した後、1953年に『S』型を登場させた。日曜大工で作ったような作りから一転、車体は丸みを帯びて一気に近代化。驚くべきは小さな車体に2+2の居住性を確保していたことだった。
 
デビュー当初のエンジンはI LO製の197ccだったが、途中からザックス製191ccに換装された。どちらも空冷単気筒2ストロークエンジンだ。ギアボックスは前進4段のマニュアルで、リバースの際は電気式にエンジンを逆転させていたため、理屈上では後進も4段となる。1955年のS4から後輪が2輪となった4輪タイプが標準になった。
 
S6は1956年から作られたモデルで、エンジンはザックス製。最高出力は10pだった。横置きリーフサスペンションのみだったS4と比べ、S6ではショックアブソーバーも与えられ、乗り心地が向上した。1957年のS7以降はFRPボディとなり、1969年で製造を終了。フルダモビル自体も消滅した。なおフルダモビルのクルマはチリ、トルコ、オランダ、スウェーデン、ギリシャ、インドなど各国でライセンス生産が行われ、中には独自の発展を遂げたモデルもあった。

フルダモービル S6 1956 1/18レジン製ミニカーのリアビュー

レジン製プロポーションモデルとしては、トップクラスのクオリティを誇るDNAコレクティブルスの仕上げ。パーツ類の取り付け精度も高く、接着剤のはみ出しなども皆無だ。塗装は素晴らしいツヤを見せるが、厚塗り感のないスッキリとしたもので好感が持てる。

クロームトリムの表現やヘッドライトなどはメッキではなく、高輝度シルバー仕上げだが違和感もなくリアリティも高い。残念ながら一連のバブルカーはソールドアウトしているが、同社のホームページはついに日本語表示も行われるようになるなど、フレンドリーに進化している。1/43もユニークな製品も多いので、まずはホームページを訪問していただきたい。

車両解説:遠藤イヅル 撮影:服部佳弘

RECOMMENDED


RANKING