フェアレディとしては3代目、Zとしては2代目にあたるS130型の登場は、1978年。全世界でヒットしたS30型のコンセプトをそのまま引き継ぎつつ、主要輸出先である北米市場の嗜好に合わせて、外寸を拡大し居住性を向上させた。
国内外ともに販売は好調! S30を凌ぐ大ヒット作に!先代同様に長短2種のホイールベースで2シーターと2by2をラインナップ。マイルドな特性のL20/L28型エンジンと、スポーツカーとしてはソフトな足周り、そして快適性の高いキャビンが醸し出す“おっとりした”乗り味から、「スポーツカー型セダン」などと揶揄もされたが、国内でも海外でも販売は好調で、S30を凌ぐ大ヒット作となった。1981年のマイナーチェンジで、アメリカ仕様のNACAダクト&ルーバー付きフードが国内全グレードにも適用され、バンパーが大型化、リアコンビランプなど細部意匠が変更された。1981年にはアメリカ向けに2.8リッター・ターボ、翌’82年には国内仕様に2リッター・ターボが追加されている。

S130型フェアレディZの1/24プラモデルは、タミヤ、フジミ、マイクロエース(前期2シーター)とクラウン(前期2by2)、アオシマ(後期2by2改造スーパーZ)があるが、タミヤは生産休止中・フジミは流通在庫僅少・クラウンは絶版で、いずれも通常ルートでは入手困難。そこで今回は、入手が比較的容易なマイクロエースとアオシマを組み合わせて、キットの存在しない後期型2シーター280Z-Tを制作することにした。
プラモデルキットの存在しない後期型2シーター280Z-Tを制作するマイクロエースは旧LS金型で、実車現役当時のリリース。LSらしい大胆なディフォルメで2by2並みに長く幅も広いが、意外にもグリーンハウスの寸法は正確な1/24に近い。一方アオシマは、ガルウィングドアや細部形状を除けば、正確な1/24の寸法&形状になっている。そこでアオシマを切り詰めて2シーター化し、マイクロエースのグリーンハウスを移植することにした。窓ガラスは前のみアオシマで、他はマイクロエースの部品を使用。ガルウィングドアやフードのルーバーをノーマルに戻し、NACAダクトは凹部分をプラバンで深く作り直して奥を開口した。

シャシーもボディに合わせてホイールベースを詰め、ホイールはアオシマの別売ロンシャンXR-4(14インチ深リム)のリムを旋盤で削り込んで、後期Z-T用純正ホイールに見立てた。スポーク形状が若干異なるが、雰囲気は近いのでご容赦を。アオシマ付属のタイヤは前後で太さが異なるので、前輪用を4本揃えて使用した。インテリアは基本アオシマだが、シート後方のバルクヘッドとラゲッジフロアはプラバンで自作した。
ボディカラーはS130のイメージカラーであるマンハッタン2トーン。シルバーはMr. カラーC159スーパーシルバー、メタリックブラックはMr.メタリックカラーGX201メタルブラック+C2ブラックの上にMr.クリアカラーGX101クリアブラックを吹き重ねたものだ。
モデルのディテール、制作過程の詳細は
モデルカーズ 281号にて掲載。