MOBILITY

2020.07.09

カウンタック、ミウラだけではない。ガンディーニが手掛けた秀逸デザインのクルマ達!

1968 Alfa Romeo 33 Calabo

7月最初の週末、真夏のイベントとして、偶数年のル・マン・クラシックと代わる代わる隔年開催となるシャンティイのコンクールデレガンス。ここでは、2019年のイベントからイタリアの名デザイナー、マルチェロ・ガンディーニがデザインしたクルマたちをピックアップしてみた。

60年代末からのマルチェロ・ガンディーニのデザインが一同に!

「ヒストリックカーは文化である」とは、漠然といわれることだが、戦前の手工業的な体制で造られたヴィンテージ・モデルのみならず、工場で大量生産された市販車でも「ステイト・オブ・アート(芸術的と呼べる状態)」にまで高められたクルマも少なくない。シャンティイのコンクールが毎回、数多くの部門を設定するのは、そうした忘れ去られかねないモデルにも焦点を当てる機会として機能しているからだ。シャンティイというフランスの歴史遺産の場に新たな息吹を吹き込みながら、自動車文化に貢献したことが認められ、冠スポンサーのリシャール・ミルには先頃、レジオン・ドヌール勲章が授与されたほどだ。

つまりシャンティイのコンクール・デレガンスは、出展されたクルマの芸術的なステイタスを保証する仕組みとなりつつある。今年は日本のスポーツカー部門が設けられ、トヨタ2000GTや初代NSX、コスモスポーツらの姿があったし、一方ではメーカーとしては消失したが創立100周年を迎えたヴォワザンが10数台も集まってきた。また年代の新しいテーマとして、60年代末からのマルチェロ・ガンディーニのデザインによるクルマもキュレーションされていた。

ガンディーニといえば、イタリアのカロッツェリア「ベルトーネ」のチーフデザイナーとして活躍。ランボルギーニ・ミウラのほかカウンタック、ランチア・ストラトスを手掛けたことはあまりにも有名だが、実写をいざ目にすると、市販モデルからプロトタイプまでかなり見ごたえある内容であった。

エッジの効いたデザインのクルマたちとは対照的に、庭園のあちこちで繰り広げられる牧歌的な光景も、このイベントならでは。クラブごとに、芝の上でピクニックの優雅さを競うコンクールはいつも通りだし、運河では蒸気エンジンのボートが浮かべられ、奥の庭からは気球が上がる。地上を走るクルマのみならず、移動手段の歴史というか古式ゆかしい移動体験そのものを慈しむような態度は、すぐれてフランス的でもある。古いものをオーナーやマニアが大事にするだけでなく、ほかの人々にも経験として知ってもらう、そんなところに知恵とお金と関心が寄せられている社会が、確かにあるのだ。


1970 Iso Grifo 7litre
1970 Iso Grifo 7litre

オリジナル・デザインはベルトーネ時代にジウジアーロが手がけ、より大きなエンジンを積んだ進化版はガンディーニが手直し。ボンネットのエアスクープとグリルが加えられた。

1979 Ferrari 308 GT4
1979 Ferrari 308 GT4

ミッドシップにして+2の後座を配しつつも、低いボンネットで空力的にスマートなスタイルを実現したパッケージング・デザインの妙が光る308GT4。これもガンディーニ作だ。

1971 Alfa Romeo Montreal
1971 Alfa Romeo Montreal

1967年開催のモントリオール万博の機会に発表された、V8・2.6Lをフロントに積むクーペ。これもミウラやマセラティと並び、ベルトーネ時代のガンディーニの作品だ。


1977 Maserati Khamsin

これもガンディーニによる2+2のGTの傑作とされる一台で、フロント・ミドにV8を積み、水平に近いリアガラスと左右のリアウインドウに囲われたトランクをも備えている。


1975 Lamborghini Countach LP400 Periscopio
すべてのスーパーカーの原型ともいえる、ガンディーニの作品でもっとも有名な一台。ミウラを発表してからたった5年でこのデザインを生み出した手腕は、やはり伝説的なのだ。

1970 Chryler Simca Shake
1970 Chryler Simca Shake

バギーといえばVWの独り勝ちだった時代、クライスラーがRRレイアウトでマルチェロ・ガンディーニにデザインを任せたシェイク。可倒式フロントスクリーンもキマっている。

1976 Ferrari 308 GT Rainbow
1976 Ferrari 308 GT Rainbow

座の308GT4をベースとし、直線的なフォルムの2座クーペにガンディーニが描き直したモデルだ。タルガトップを備え、308GTBより無駄のないプロポーションと評された。

1969 Autobianchi A112 Runabout
1969 Autobianchi A112 Runabout

後のA112ハッチバックとは似ても似つかないが、フィアット850スパイダーの後継としてガンディーニが描いたミッドシップのコンセプトは、フィアットX1/9の素になった。


1968 Alfa Romeo 33 Calabo

ノーズからフロントスクリーンまでほぼ一定の角度で描かれた極端な、ガンディーニならではのウェッジシェイプを特徴とするプロトタイプ。ティーポ33がベースとなっていた。


1969 Lamborghini Miura P400S

ガンディーニが名門カロッツェリア、ベルトーネの主任デザイナーになったのは27歳のときで、着任早々の1965年から横置きV12ミッドシップ、つまりミウラに着手したという。

詳細はVINTAGE LIFE VOL.22 にて

写真、文:南陽一浩

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