OUTDOOR

2020.07.10

試練の克服を喜び冒険を楽しむ! 古い自転車で挑戦する令和のエロイカ・ジャパン

エロイカ ジャパン

本場イタリアさながら! 20kmのグラベルロードを設定!

群馬県四万温泉、早朝5時。太陽がようやく恥ずかしそうに顔を見せる時間、既に数百人のツワモノたちが静かにスタートラインへと向かっている。整備が行き届き、綺麗に磨き上げた愛車をまたぎ、スタートの合図を待っているのだ。

「長い一日が始まるぞ。」と聞こえないほどの小さな声でつぶやき、周りのサイクリストの表情を探る。気温は19℃、絶好のサイクリング日和だ。今年のエロイカ・ジャパンは特別な意味を持っている。初めて本場イタリアのエロイカと並ぶ20kmを超える長く過酷なグラベルロードが設定されているからだ。期待と不安で挑戦者たちの胸の鼓動は否が応でも高まる。

令和元年のエロイカ・ジャパンは7回目を迎え、3つのルートが用意された。ロングルート(150km)、ミドルルート(100km)、そしてショートルートだ。有名な四万温泉、草津温泉、嬬恋村、北軽井沢を巡るルートは、獲得標高がゆうに3,000メートルを超え、ショートルートでさえ獲得標高は900メートルを超える。どのルートも参加者にとっては英雄的(エロイカ)な挑戦となる。しかし、途中のエイドステーションでは、疲れた体と心を癒す地元自慢の郷土料理がふるまわれ、完走に向けての原動力となる。今回ヤマトタケルの神話が伝わる群馬県吾妻郡の峰々に挑んだのは、350名を超える参加者だ。日本のコースの魅力は世界のエロイカ愛好家にも知られるようになり、ヨーロッパやアメリカ、台湾など外国からの参加も多い。

エロイカ ジャパンのグラベルロード

2013年に始まったエロイカ・ジャパンは、日本におけるヴィンテージ自転車文化にインパクトを与えた。倉庫でホコリを被っていたヴィンテージ自転車たちは、もう一度命を与えられ、蘇ったのだ。家で飾られ、崇められるだけだっ
た名工たちの手による美しい自転車は、歴史と伝統を呼び起こしながら本来の姿を取り戻し、風を切って大地を走り出した。時を経て多くのサイクリストの称賛と、オーナーの汗を受け止めることとなった。

 エロイカでは自慢のヴィンテージロードバイクと挑戦する勇気を互いに讃え、迫りくる厳しい道のりでは国籍、年齢、性別を問わず助け合いながらゴールに向かう。その姿勢は世界中のエロイカで共通するものだ。それこそがまさに
「試練を克服する喜びを発見し、冒険を楽しむ亅というエロイカの精神であり、現代に伝えていきたいメッセージなのだ。

VINTAGE LIFE vol.22 より掲載

取材協力 エロイカ ジャパン
https://eroica.cc/ja/japan

Text:Marco Favaro Photo:Rocky rinproject

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