TRAVEL

2020.01.01

まるで「AKIRA」の世界のようなスチームパンク的な廃墟感の中でいただく極上のドリップコーヒー。

國立台灣美術館の向かいにある、忠信市場。市場といっても、その機能はほぼなく、一歩足を踏み入れるとそこは、スチームパンク的な廃墟感溢れる光景が拡がっている。この光景に魅力を感じた若者たちが、ここ10年の間に店舗のリノベーションを行い、ギャラリーなどをオープン。その一角にあるのが「奉咖啡」というカフェ。

オーナーの方さんが豆からこだわり、ハンドドリップで淹れてくれるコーヒーが魅力のカフェだが、その店舗自体もまた魅力的だ。

店舗1階部分の通路に面した2面は、一切壁がない完全なオープンスペース。長椅子に座って美味しいコーヒーを飲みながら、映画セットのような市場を見渡せる。3階建てだが、ゆったり過ごしたいなら、忠信市場の雰囲気が共に味わえる1階がオススメだ。

平日の午後、入り口というよりも建物同士の隙間といったほうがいいような忠信市場の通路を入っていくと、時に忘れ去られた市場の、まるで廃墟のような空間が前の前に拡がっている。通路の上は屋根で覆われ、その隙間から光は入ってくるものの薄暗い雰囲気のその空間に、何も言わずに案内された我々は、ちょっと悪い想像をしてしまったほど。少しの間戸惑っていた我々だったが、歩を進めながらよく見てみると、いくつかのお店が営業していることに気が付いた。さらに歩を進めると、アート関連と思われるショップの隣に、角地の壁を2面取り払ったスペースが。中では、気の良さそうな男性が珈琲をドリップしている。この男性が、今回紹介する「奉咖啡」のオーナーの、方柏人さんだ。

方さんは、忠信市場に若い世代のオーナーがショップを出し始めた時期この場所でカフェをオープン。お店は前記の通り道に面した2面が開けたオープンなスペースの1階、畳敷きの2階と、その上にもスペースが用意される3階建て。1階のオープンなスペースから通路に響く、通路を歩く人に気さくに声を掛けるその姿は、この忠信市場の名物のひとつだという。







一杯一杯、ハンドドリップで淹れてくれる、こだわりの珈琲

聞けば方さんは、このカフェをオープンする前に珈琲の流通関係の仕事をしていたこともあり、珈琲の知識は豊富。厳選した珈琲豆を一杯一杯、布フィルターでハンドドリップしガラスの器で提供される珈琲は、その店舗の雰囲気から想像するより本格的(失礼!)。そのためリピーターも多いのだという。ただし、その時期の良い豆をセレクトしているため、時期によって用意している珈琲の種類は異なっているようだ。

キレイな琥珀色の珈琲が入ったガラスの器を持って店内の長椅子に座ってみる。壁沿いにはCDが並べられておりジャンルはクラシック、その中に見慣れた“AKIRA”のコミックが。そして振り返れば、まるで廃墟のような忠信市場。スチームパンクの映画セットの中にいるような感覚と美味しい珈琲が味わえる「奉咖啡」。忠信市場には、この「奉咖啡」の他にもカフェやギャラリーといったアート関連のショップもオープンしているので、一味違った台中旅行のひと時を楽しみたい人にはオススメのスポットとなっている。

 


方さんが選んだ豆をハンドドリップで淹れてくれたコーヒー。価格は180NTD程度。


奉珈琲
 address:台中市西区五權西路一段57巷2弄7号
 tel:0972-872792
 営業時間:14:00〜22:00(月曜定休)
 FB:https://www.facebook.com/presentcafe

text:近藤浩之

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