LIFE STYLE

2020.07.15

黄色いVWバスが似合う! アイクラー住宅をモチーフにした、ミッドセンチュリーモダンガレージ

左右に伸びる屋根形状が特徴的なデザイン性の高い住宅。1950年代に建てられたアイクラー住宅のデザインがモチーフとなっている。

千葉県の海沿いに、建築空間創作集団『colours』が設計、デザインをしたカリフォルニアスタイルのガレージハウスが建築された。代表の奥野氏は、20代で海外をヒッチハイクしその後商社での海外出張を10年繰り返したのち、不動産、建築の道に入るという経歴を持つ。同社は「創造を楽しむ」ことを理念とし、空間創造をエンターテイメントと考えるなど、「おもしろい」という感覚を大事にしているとのことだ。
 
このガレージハウスは、施主のOさんが成田空港から海外に出張に行くために利用するセカンドハウスとして建築、設計されたもの。Oさんは機内誌で奥野さんが設計したカリフォルニアスタイルの住宅の記事を目にしたことがきっかけ。カリフォルニアへよく出張に出向くOさんは、現地の青空の下に建てられたアイクラー住宅が欲しいと、いつも願っていたという。
 
アイクラー住宅とは、1950年代に普及した建築方式で戦争を終えた兵士がアメリカに帰国したときに、安価でシンプル、そして早く建てられる住宅として、アメリカの住宅建設業者ジョーセフ・アイクラーが設計した住宅を指す。
 
現在ではミッドセンチュリーデザインとして注目され、アメリカでも中古住宅市場でも高価なプライスとで取引されるなどファンも多い。このデザインに着目したOさんは、セカンドハウスにこのスタイルを取り入れたいと決め、土地探しから『colours』に依頼。5つの土地のなかから、現在1300㎡の土地を選び、建築デザインに着手した。

インテリアの細部にまで徹底されたデザインへのこだわり

ブリックタイルが採用された。ダイニングテーブルはOさんがアメリカで買い付けたビンテージ。
ブリックタイルが採用された。ダイニングテーブルはOさんがアメリカで買い付けたビンテージ。

 設計の奥野さんは「デザインにはそれぞれ意味があり、機能を殺すことなく住宅デザインを構築しないといけない」というポリシーがあり設計には時間をかけたという。完成したガレージハウスは、まず日本では見ることのないかすかに勾配がついた大屋根の平屋スタイル。淡いブルーをあしらった屋根の縁や赤い玄関が、モダンなデザインにとてもよく似合っており、黄色いVWバスと組み合わされ、まるで一枚の絵葉書のようだ。
 
こだわりは室内のデザインや素材からも感じられる。例えば壁面に採用したラワン材も使用するのは17枚だが、壁面の質感を揃えるために600枚のなかから厳選、さらに塗装で色をそろえるなど細かな配慮がなされている。イームズなどミッドセンチュリー時代の家具やラグ、雑貨を配置したリビングは一面が大きなガラスとなっていて、開放感あふれるものとなっている。
 
また、どうしても壁面に凹凸が出てしまうということで、エアコンは屋根裏に設置。天井4か所から噴出させるなどデザインにも拘っている。
 
気になるガレージは屋内に2台収納できるレイアウトとし、キャリアが付いたクルマやSUVなどの格納も意識。背の高いクルマが入るように2400mmもの高さをとっている。これならVWバスのルーフに荷物を積んでもそのままガレージに収納できるというものだ。
 
将来はウッドデッキに愛犬のためのプールの設置や、さらにガレージを庭に拡張することも計画されているとのことで、今後も楽しみだ。


ブラジル生産の希少な最終モデルのVWが格納されたガレージ。クルマ2台の格納が可能で、収納棚も使い勝手がよい。

ガレージのある家 Best 100 vol.6 より掲載

取材協力:Colours
https://www.beams-factory.com/

photo / colours、DAN Komatsu(小松 男) text / Jun ISHIHARA(石原 淳)

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