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2020.07.15

オメガのヴィンテージクロノグラフ、高値で取引される1930〜40年代の逸品をご覧あれ!

1930s PILOT CHRONOGRAPH ブラックマルチスケールダイヤル オメガの名機Cal.33.3CHROを搭載。ベゼルにインデックスを掘り込み、視認性とクロノグラフの機能性を重視して造られた、傑作33.3クロノグラフの中でも大変希少なパイロットクロノグラフ。

2019年は月面着陸50周年で注目を浴びた「スピードマスター」に、2020年は公式計時を担当している東京オリンピックと“ボンド・ウォッチ”として知られる映画「007」の新作を控え、ビッグイヤーが続くオメガ。
 
最近では復刻モデルが多く発表されていることからも、改めてオールドオメガへの注目が高まっている。ヴィンテージの世界ではオメガは、王道のスポーツウォッチの初期モデルやキャリバー30を搭載した3針モデルが人気である。しかし今回は、オメガが腕時計専用クロノグラフムーブメントを発表するようになった1940年代前後のクロノグラフにフォーカスしてみたい。それはのちの名機として現在でも生産されるクロノグラフにつながる、オメガが試行錯誤した時代でもあった。


1940s CYLINDER CHRONOGRAPH シルバーマルチスケールダイヤルミントコンディション。
1940年代前期に製造され、名機Cal.33.3CHROを搭載した、シリンダークロノグラフ。

 
オメガというブランド名が正式な社名となったのは1903年のこと。精度を飛躍的に高め、その自負を込めて最高・究極を意味するギリシャ語のアルファベットの最後の文字である“Ω(オメガ)”と名付けた懐中時計専用の19型キャリバーが由来となっている。そのため高精度こそ、オメガ最大の魅力であり、クロノグラフも例外ではない。アポロ13号が大気圏再突入するためにスピードマスターで計測した「運命の14秒」は、まさにその高精度を証明している。
 
1932年、オメガとレマニアの接近により誕生したムーブメント
 
ヴィンテージウォッチでは、マニュファクチュールを名乗る有名メゾンでも、クロノグラフだけはエボーシュ(ムーブメントメーカーが製造する未完成品のムーブメント)を採用することが多かった。オメガもそのひとつであり、一貫してレマニア製のクロノグラフムーブメントを使い続けた。当時オメガはティソなどを中心に、1929年に起きた世界大恐慌を乗り越えるためSSIHグループという時計メーカーによる企業集団を形成していたが、1932年からはレマニアもSSIHグループに参加するようになる。こうしてこの両社の接近によって誕生したのが、今回撮影した多くのモデルに搭載されている「キャリバー33.3CHRO」である。その名の通りムーブメントのサイズはかなり大振りの33.3ミリが名前の由来だ。


 
同じグループになったオメガとレマニアが1932年以降に初めて開発したクロノグラフムーブメントで、レマニア「キャリバー15TL」をベースにして、オメガ用に少しだけ改良を加えてオメガ「キャリバー33.3CHRO」とした。しかしリセットハンマーの規制バネが追加されている程度で、実質上はほぼ同じものといっても差し支えない。ただ、ほぼ同じのスペックながら両者の相場を比較すると、まったく違ったものに見えてくる。ダイヤルデザインがかなり似ているのは当然だが、ヴィンテージウォッチ市場ではオメガのほうに数倍もの値打ちがついてしまうのだ。それはオメガの圧倒的なネームバリューによるものといえる。


1940s WATERPROOF CHRONOGRAPHシルバーマルチスケールダイヤル 
近年特に注目されている33.3クロノグラフの中でも、特に珍しい防水クロノグラフ。重厚感あるステップデザインとスクリューバック防水ケースが圧倒的な存在感を魅せるとともに、緻密で複雑なマルチスケールデザインのシルバーツートンダイヤルが素晴らしいテイストを醸し出している。

 
VINTAGE LIFE vol.22より一部掲載

Photo:Noboru Kurimura Text:Katsumi Takahashi
 
取材協力:プライベートアイズ
https://www.watchnet.co.jp

Photo:Noboru Kurimura Text:Katsumi Takahashi

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