OUTDOOR

2020.07.26

世界的にミツバチが激減! さあハチを育てよう!  オレゴン州ポートランド「アーバンビーキーピング」の手法

ハチミツに水とイーストを入れたハニーワインを醸造中!

現在世界的には、農薬やウイルス、害虫などの問題でミツバチの減少が深刻な問題となっている。アメリカでは1940年代の半分にまで激減、これによりハチによる受粉が必要な果物や野菜の生産にも被害が及ぶこと懸念されている。
 
ここでは自家菜園をはじめ、ニワトリの飼育などを街中で楽しむ方の多いサステイナブルタウン、ポートランドでビーキーピング(養蜂)をはじめる方へのショップを紹介しよう。街中でハチなんてと思う方もいると思うが、ここで紹介する「BEE THINKING」のオーナーがビジネスをスタートしたきっかけも、ヒョンなことからだった。
 
ある日、とあるソフトウェア会社の技術マネージャーの自宅キッチンに、ミツバチが一匹迷いこむ。そこにたまたまあったハチミツを置いておくとどんどん仲間を連れてきたというのだ。
 
その一ヶ月後にハチの巣箱を購入、DIYで作ってブログで公開したところ、大反響となったため養蜂の道具に関するビジネスを「BEE THINKING」という名前でスタートした。
 
販売の90%はネットということだが、過去に自分で試行錯誤した経験がとても役にたっているとか。ミツバチの買い方はとても簡単で、レモングラスオイル巣箱に垂らすと、それがフェロモンの役割をし、ハチたちが次々と仲間に知らせ3000匹単位でやってくるのだそうだ。

ソフトウェア技術者が起業したミツバチ飼育ブランド


考案した独自の巣箱をネットで販売。突起のついた木材だけでハチは勝手に巣を大きくしていく。
 
「BEE THINKING」はハチが繁殖するために自然で最高の環境をミツバチに提供するというスタンスが受けて急成長。今では「BEE BUILT」というブランドに受け継がれ、EC中心で独自デザインの巣箱と養蜂用品を販売。巣箱は配送にかかる燃料が環境に悪いということで、地元、オレゴン州ポートランド産で、しかもむやみに伐採された木材ではなく、適切な森林管理が行われているFSC認証の木材のみを使用。顧客へのカスタマーサポートはもちろん、教育にも力を注いでいる。
 
 内容は、蜂のライフサイクルと生物学、養蜂の歴史、巣のデザイン、コロニー管理、その他の無数のミツバチ関連トピックなど。この主要な知識がなければ、養蜂家は成功する可能性を減らし、コロニーが繁栄し存続する可能性も低くなるのだそうだ。
 
また、巣箱やハチに対しては化学物質の使用や推奨は一切行わないということもモットー。ミツバチに健康的な環境を与え、健康的な遺伝子を促進することが重要で、ミツバチが本来持っている無数の能力を信じて養蜂を行うように薦めているのだそうだ。


木材に少しの突起だけがついているオリジナルの巣箱。巣箱の一部と巣を巣箱から採集する道具。
 
多くの場合、養蜂家はコロニーを管理するため、必要以上にミツバチに干渉してしまうそうだが、ミツバチにとっては多くの干渉は必要ないとのこと。彼らは何百万年もの間コロニーを増やしてきたので、人間は優れた環境を提供することが一番大事なのだ。

「BEE BUILT」の巣箱や商品は化学物質の使用を一切使わず、ミツバチの健康的な遺伝子を促進することにポイントを絞っている。害虫や病気に負けたミツバチのコロニーは、次のシーズンには増えないが、生き残ったものがまた分裂し、仲間を増やしていく。
 
アーバンファームを楽しむ個々の養蜂家は、ミツバチに最善な環境を与え、ミツバチが本来持っている無数の能力に自信を持って依存することが大事なのだ。



https://beebuilt.com

HUNT vol.1より掲載

写真、文:隂山惣一

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